MN*B
2024-06-19 01:09:57
6141文字
Public 二次創作単発:pixivバックアップ
 

伊地知さんと彼女は両思いなのに、夜蛾学長と五条さんのせいで引っ付かないんだが。

ホームレス系彼女と、伊地知さんの話。

ネームレス夢主、愛され、夜蛾学長が親バカ…などの要素があります。
原作との設定違いなどあったらすいません見逃してください勢いで書きました。

夢で見たのが、周りのせいでくっつけない伊地知さんだったので、くっつけておきました。

夢小説書く気なかったんですが、あんまりにも脳内伊地知さんが可哀想だったので。
別に書いてる話の息抜きになったよ、ありがとう伊地知さん…。

 
追記:100を超える数のブックマークをいただいております。
   皆様、閲覧・ブックマーク・いいねをありがとうございます。
   続きを正座待機のタグもいただきました。ありがとうございます。…なんか思いついたら書くかもです。

追記2:続きできました。→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14638234
    正座待機ありがとうございました。続きをどうぞ…。



#夢術廻戦 #伊地知潔高 #夢小説 #続きを正座待機 #夢術廻戦100users入り
2021年1月16日 13:19



「なんか伊地知さん元気ないよね、どったの?」

という虎杖悠仁の何気ない質問に、伊地知潔高はギクリとした。


 伊地知潔高はつい先日、一世一代の告白をしてしまったのだがフラれた。

 その相手は変わった人だった。
彼女とは呪術高専に関わるようになってからの知り合いだ。
その生活の特殊性で、伊地知はよく彼女と会うことになった。


 彼女は、ホームレスだ。
ただしくは、コンテナを家のようにして過ごしている人。
 それにホームレスといっても、呪術師として働いているので金はある。しかも彼女は階級も高いから、お金に困ってはいないだろう。
ただ幼少期からの習慣が、今も続いているということらしい。



 彼女は戸籍を持たない捨て子だった。
現代日本において、そんな人がいるのかと思われるだろうが、実はそういう子どもは少なくない。
戸籍を子どもに持たせず、家に軟禁あるいは監禁し続ける親なんてのも最近では表沙汰になっている。
彼女の場合は、戸籍を持たない状態で、親から放り投げられたといったところらしい。

 幼い頃からホームレスとして生きてきた彼女だが、周りの人間は優しかったという。
ホームレスたちの寄合が集まった場所に幼い彼女は流れ着き、そこでそれはそれは可愛がられたという。

 可愛がられたといっても変な意味でもなく、純粋に娘のように愛されていた。
ホームレスたちの中には、起業に失敗し妻と子どもには逃げられ全てを失った者、老いてから会社にリストラされた者、詐欺にあったことで借金まみれの者などなど。
つまりは人生に疲れきった者たちの集まりだった。
 そこへ一服の清涼剤のような存在が現れた。
素直で可愛らしい彼女は、ホームレスたちのアイドルとなった。

 周りから生きる術を教えられ、一緒に過ごし、笑いあってきた。
そんな風に過ごすうちに、ホームレスたちの中には、ホームレスを脱出する者が出始めた。
生きる気力も失せ、だが死ぬには1歩足りなかった者たちに、彼女は光をみせたのだ。
彼女と共に泣き、笑い、過ごしているうちに、彼女の手本として生きたいという思いが産まれたのだ。

 そう志した者たちは、努力しそれをなし得、ホームレスを卒業していく者が現れた。
去っていく者は、彼女を養子に誘ったりもしたが、彼女はそれを断ったという。

ここが私の家で、ここが好きだから。

そう言って笑う彼女を、無理に誰も引き取らずにいた。
 その寄合は、来る人拒まず去る人を追わず、人が変わっていったが、彼女はそこで生き続けた。


 転機が訪れたのは、彼女が学校に通っていたのなら中学生くらいの頃。
彼女の住んでいた寄合があった場所に、呪霊が発生したのだ。

 元々ホームレスという存在に、嫌な感情を抱くものはいる。
そんな存在を下に見て嬲る者も胸糞悪いことだがいた。
そんなホームレスたちの中で成功する者が現れ始めたのに、いい気がしない人間が増えたのだ。
 そんな負の感情が溜まった結果、呪霊が発生した。
それは大惨事になるかと思われたが、それを食い止めたのは彼女だった。
そんな彼女に呪術師としての才能を認めた、夜蛾正道当時はまだ学長ではなかったが呪術界へ導いたという。


 その時に彼女は惜しまれながら、その寄合を去り、呪術高専へ移った。のだが。
ことある事に、その寄合に戻る戻る。

 戸籍上は夜蛾正道の養子になったのだが、休暇のたびに高専を抜け出していくのだ。
休暇中は自由のため、何も問題ないのだが夜蛾学長も、引き取ったばかりのころは特に気にしていなかった。
が、懐かれ絆されていくうちに、本当に娘として可愛がりはじめた。
 そんな彼女は、休暇のたびに消える。
公私混同はしないと決めていた夜蛾学長としては、可愛がる時間が圧倒的に少なかった。

 それでも彼女の幸せを考え、無理に縛るということもせず、伸び伸びと育てた。
ら、とうとう高専を卒業した時、彼女は寄合に戻り住み着いてしまったのだ。

 困ったのは夜蛾学長。
呪術師は忙しく強ければ引っ張りだこになるので、家に居る時間が少なくなる。だが全くないわけでもない。
高専卒業を機に、一緒に暮らさないかと提案するはずだったのだ。
彼女は家賃が必要ないし、夜蛾学長は彼女が帰ってくる場所になれて、親子っぽくなれるはずだった。
 それが何故か、彼女は寄合に戻って、しかもコンテナの中で暮らし始めた。

 忙しいのなら家は要らない、けど帰るのならここがいい。
という彼女にとっては自然な流れで、寄合に身を寄せた。



 伊地知は、そんな彼女を迎えに行くことが多々あった。
彼女の移動手段は徒歩が基本だったし、同じ場所にずっと居るのなら誰かが迎えに行くのが手っ取り早かったのだ。

 最初は、夜蛾学長の肝いりということもあって、一歩引いて接していた。
だが、彼女を迎えに行き、時には差し入れを持って行ったり。時間がある時は、彼女の住んでいるコンテナの上で語り合ったりしていくうちにどうしようもなく惹かれていった。
 明るく笑う彼女に、自分もいつの間にか絆されていた。


 そんな気持ちを抱えながら接していたある時。
彼女を任務完了後に送り届けた時、いつものように星空を眺めながら、語り合っていた。
何気ないことを話していて、彼女の横顔を見た時、心臓が止まった。

 あぁ、どうしようもなく好きだ。という想いが溢れた結果

「私と結婚してください」

と言ってしまったのだ。


 今思ってもどうかしていたと思う。
月の光に当てられたとでもいうのか?
まず自分たちは付き合ってすらいないのに、全ての段階すっ飛ばして結婚って!結婚って!!

 そんな自分の言葉を聞いた彼女はキョトンとした顔をした。
至極当然の反応且つ可愛いと思った自分は重症だった。

 彼女は首を傾げた後、「夜蛾学長に聞いてみるね」と答えた。
その意味を解釈すると遠回しの拒絶に違いなかった。

「アッハイ、ソウデスヨネアハハ」

と片言で返事をした私は、逃げるようにして彼女の元を去った。



 それが数日前のこと。いつもなら、もうそろそろ彼女の送り迎えの連絡があってもおかしくないのだがあれから1度もなかった。
 これはおそらく、気まずくなった彼女が私のことを避けているのではないか?
それか彼女は、気まずいであろう私に気をつかって、私を彼女の送迎役から外したのでは?
そしてその結果、私のこの数日間と、その先の日程も、五条さん関連の送迎や任務で埋まりまくったスケジュールになったのでは

 状況として、そう思うしかなかった。




 といったことを思わず、高校生の虎杖くん相手に、ダバダバと零しまくった。
彼の「なんか悩んでることあるなら聞くよ?」という、五条さんからは欠片も見られなかった優しさが、私の理性を崩壊させた。

 「いっそ連絡して聞いちゃえばいいんじゃ」という彼の言葉に首を振る。
彼女に連絡をとりたくても、彼女はまずケータイを持っていない。
使い方は知っているらしいのだが、持つ気がないらしく、任務内容の連絡も基本直接話すことで行われていた。


 涙すら出せずに項垂れる私を見た彼は、「とりあえず五条先生だらけのスケジュールの理由を、先生に聞いてみる?」と言ってくれた。
彼の気遣いが身に染みた。