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豆炭々炬燵
10115文字
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訳アリ心霊マンション
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【カミ東】のんきな寝顔
王子様のキスでお姫様は目覚める(要約)なお話とおねが抱くクッションポジになりたいショタのお話二本立て。🔪🍮編。
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深く寝入った東雲が自発的に起きる事は無い。積み重なった経験則にてカミキリが東雲の上半身を抱き起したところで実際彼女の身体は弛緩したまま睫毛を震わす事も無かった。
腕で固定しなければ仰け反る首を押さえ、沈んでしまいそうになる東雲を抱き寄せる。半身が浮いた状態であろうとも寝続ける東雲にカミキリの喉が鳴った。火照った頬と耳を冷やさずに僅かに開いたふっくらと柔らかな唇にカミキリは己が唇を重ねる。
やにわ呼吸し辛くなった東雲が苦悶の表情を浮かべ微かに身じろぎくぐもった声を漏らす。
「(まだ起きちゃダメ、起きないデ
……
)」
空気が吸えない代わりに舌をねじ込み唾液を受け渡し喉奥に注ぎ込む。息苦しさで飲むしか出来ない東雲の喉が上下に動き、抵抗する間もなく小さな舌に絡め取られた東雲の舌が戸惑い柔らかな身を震わせる。
目の前に見える湖面に波打つ音よりも粘度の強い湿った淫靡な水音が二人の口腔内に満ち、混ざり合った酸素の薄い吐息を求め東雲は自ら口付けを深くした。
カミキリの手が掴み難い東雲のスーツに爪を立て握り締め、金髪に染められた黒髪をかき混ぜ後方へ逃げようとする東雲の逆に引き寄せる。
粘膜同士を擦り合わせ舌を押し付け合う生温かな感触でとっくに目覚めた東雲であったが、それでもカミキリは彼女の口腔内を隅々まで舐り唾液を交換しては飲み下させるのを止めなかった。起きたと懸命に訴え唸る東雲に聞こえないフリをして、眠気とは違う靄が東雲の頭の中に立ち込めるまでカミキリは自身の唇を重ね続ける。
半ば強引に大きさ厚みの差がある軟体動物がねっぷり組み敷く。逃げ惑い始めた東雲を追いやり追い詰めるカミキリ。怯え縮こまりうねる東雲の舌を引っ張り出したカミキリの舌が自分の口腔内を弄るよう促した。何度も逃げ帰る東雲を連れ戻しては閉じ込める。
「ふっ
…
ンうっ
……
」
その内、相手が望んでいる事をしない限り解放されない。そう悟った東雲の舌がスリ
…
っとカミキリの口腔内を撫でた。消極的な動きで上顎を撫ぜ、歯の裏をなぞり、唾液塗れの舌をカミキリの小さな舌に擦り付ける。
刹那、眩暈がするくらいにカミキリの心を埋め尽くす「カワイイ」「イイ子」「大家サん大好き」の純粋過ぎる好意の感情と同じかそれ以上に溢れ返る溺れさせたい情動に宵闇色の瞳が揺れ熱を孕む。
漸く深く長い口付けから解放された頃には息苦しさ以外で頬を赤らめた東雲がカミキリの胸にしな垂れ不規則に跳ねるその身を預けていた。
「カミキリ、さん
……
っ」
東雲の夜明けを告げる瞳が恨みがましく見上げたところで愛おしさしか感じない。
熱を帯びた二人の頬を撫ぜる快い微風。自分一人ではない赤く染まった東雲の顔を撫でるカミキリの顔は嬉々として綻び、可愛らしく真っ赤になった耳元に唇を寄せ「もっと寝る?」と囁けば、ゆるゆると東雲が身体を起こし隣に座り直した。
「──ちっと熱冷ましてから行く」
「うん」
カミキリの方を見ないでぶっきらぼうに言う東雲がまた愛おしくて、カミキリは距離を詰め拒む気なんて毛頭ない彼女に凭れ掛る。事実東雲は寄り掛かるカミキリを一瞥したきり何も言わず口端から零れている唾液をちうっと啜られても体温を上げるばかりで好きにさせていた。
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