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豆炭々炬燵
6375文字
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怪異と乙女と神隠し
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【化菫】無防備が過ぎる
王子様のキスでお姫様は目覚める(要約)なお話とおねが抱くクッションポジになりたいショタ(青年)のお話二本立て。化菫編。
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極上クッション
前回やむを得ず部屋に入った時と違い今回は正式な入室許可を持って部屋に上がらせてもらったのはいいが。
「この熟女だらしなさ過ぎる」
どういう風の吹き回しか宅飲みに誘われ、ホイホイ付いて来てみればアルコール度数だけやたら高い酒を煽るだけ煽って客人を放っておくこの体たらく。周囲に散乱するハイスペースで飲み干された空き缶を拾い集め、適当なゴミ袋に詰める作業の虚しさに溜息が出る。
乙曰く宿泊時一緒に大掃除をしたらしく、これでも物が多少減り片付いたという。たしかに以前より多少は足の踏み場が多くなったような。だが、それを容易く帳消しにする人を駄目にするクッションに沈んでいる恵体の存在感が凄まじい。
「節度を弁えていますが、僕の性別忘れてはいないですか」
それとも酔っぱらって僕を招いた事自体忘れてやいないだろうか。俄かに過る否定しきれない不安が厄介極まりない。空き缶で丸まる太ったゴミ袋を台所の前に置き、もう一度部屋の中を見渡し拾い損なった空き缶がないかを探す。うっかり酔っぱらいが空き缶を踏み転倒する事態が起きないのを確認後、件の部屋主であるふかふか恵体短太眉毛が沈んでいるクッションの隣に片膝を立て腰を下ろした。
バイト先を始め外では見慣れないホットパンツから伸びる肉付きのよい太腿。自重でクッションに押し付けられもっちりと潰れている乳房。隙だらけの脇と首元。この熟女無防備が過ぎる。
「眼鏡は掛けてまま寝ると破損の恐れがありますので外しておこう」
丁重に両手で菫子さんの眼鏡を外しローテブルに置いた。動いた事で鼻を掠めるアルコール臭。折角いい匂いのする部屋がこれじゃ台無しだ。
「出来る事なら今度は宅飲み以外でお呼ばれしたい」
細やかな願いを呟き、壁に掛けられた時計を見遣る。時計の針はまだ真夜中を差していないが、あまり長居しない方が双方にとって身のためだ。何よりこのまま一泊するわけもいかず菫子さんの肩を軽く叩き起こす。
「僕帰りますよ、菫子さん起きてください」
「うぅ~
……
」
唸り声をあげ寝ぼけまなこで僕を見上げる。しょぼしょぼしている目元は寝起きだからか、裸眼だからなのかは分からない。目元を擦り喉奥まで見えそうな欠伸を染み付いた動きからか手で隠しする菫子さん。普段より警戒心が薄く思えるのは恐らく寝起きで頭が上手く回っていない所為に違いない。
だからか、僕はひとつ試したくなってしまった。
「菫子さん。僕の方がそこのクッションより抱き心地いいですよ」
彼女がうつ伏せで乗っかっているクッションを指差してから自分の顔を指差す。上瞼と下瞼が何度もくっ付き離れている菫子さんの目線がクッションを一瞥後、僕に注がれるや否や体を起こし躊躇なく抱き着いてきた。
頭の隅に置いていたまさかの展開に泡を食い、バランスを崩した僕は菫子さんの勢いに負け後方に倒れ込んだ。後頭部と床が衝突し鈍い音と痛みが走る。条件反射で頭を擦る時間さえ無く、僕の顔は菫子さんの実りに実った胸の谷間に押し込められた。
「ちょっ、菫子さん
…
っ」
鼻腔を掠めるどころか焼き付けられる菫子さんの濃い匂い。離れようにも彼女が僕の体に腕と足を絡ませ解けられず、それどころか痛すぎない締め付けが強くなっていく。
菫子さんは今、先程の僕の言葉に従って僕を抱きしめている他ない。剥き出しの腕と太腿の肌の柔らかさが布越しからでも十二分に伝わってくる。何なら火照った熱まで感じる現状と僕の体を股に挟み込もうとする動きに返って僕の体温が上昇の一途を辿る。
はやくはやくこの状況から脱しなければ。そう考える一方で体は馬鹿正直なもので腕で突っ撥ねる事はおろか、暴れる事自体を放棄していた。
「(あともう少しだけ
……
)」
その強欲さが仇となるとも知らずに。
諦めて菫子さんの背中に手を回しかけたその時、横向きに寝ていた菫子さんが寝返りを打ちうつぶせ寝になった。即ち僕の体の上に菫子さんの全身が乗っかり。
「んーっ! んんーっ!!」
菫子さんのパイ圧で窒息の危機に陥っていた。
顔をズラそうにも谷間にすっぽり嵌まっている所為で上下左右柔らかな乳房を息が出来ず真っ赤になった顔が擦るばかりでどうにもならない。怒られるのも承知で多少加減しつつ菫子さんの背中を叩いたが、この酔いどれ熟女全くもって起きやしない。
遠のく意識で静かに乙を元の世界に送り届けられない事に心から深く謝罪をしては死ぬ理由としてはこれ以上ない展開に僕は視界を黒色に染め上げた。
茹蛸よろしく真っ赤だった顔から血の気が引き化野が意識を若干飛ばしかけた時、寝苦しさから再び菫子が寝返りを打った事で化野は窒息死を免れたのだった。
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