HAZURE_Mapo
2024-03-24 21:21:44
3943文字
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ヒナゲシ

CPアシュプリ。他にボーマン。別れの話。次頁に後日譚載せています。何でも許せる方向け。



【後日譚】

 プリシスが地球に留学してから一年程が過ぎた頃。
 彼女はエクスペルに一時的に帰ってきていた。
「あ〜あったあった!無人くん専用の備品原料!これで作らないと無人くん動かなくなっちゃうんだよね〜。地球にある鉱物じゃ代用出来なかったし、エクスペルでしか採れないのかな?これ。沢山持って行ったつもりだったけど、思いの外調子悪くなっちゃう事多かったしな〜。この前より多めに持って行こっと」
 リンガにある実家を訪れたプリシスは、保存してあった無人くんの修理に必要な原料をかき集め、トンボ帰りで地球に帰ろうとしていた。
「それにしても、自分でこんなに早く帰ってくると思わなかったな。
 アシュトンとはあんなお別れの仕方しちゃったし、何かの偶然で会っちゃったら気まずいから早く帰ろ」
 とは言いつつ、地球に戻る時間まではまだ少し余裕がある。
 この日は雲一つない晴天で気分が良いプリシスは、街の中でも散歩しようと自宅の玄関から外に出た。
 すると数歩先に、見慣れた姿の人物が立っていた。

「久しぶりだね、プリシス」
……へ?なんで?」

 見慣れた姿の人物は、一年程前に二度と会う事はないと思って別れを告げたアシュトンだった。
 驚きのあまり裏声になったプリシスだが、アシュトンは聞こえないフリをして彼女に近づき、そのまま無言で抱き締めた。
 プリシスは今現在一体何が起こってるのか、すぐに理解出来なかった。そんな様子を感じつつも、アシュトンは彼女を離そうとはしなかった。
……あの時から僕がどんな思いで過ごしてきたかわかってる?何であんな事言ったの?」
 口調は穏やかだが、憤りが滲み出ている声色でアシュトンは話しかける。
「えー……えっと……その……もうエクスペルに戻る事ないだろうなって……思ったから……
「その気になれば僕だって地球に行くよ。だから、もうあんな事は言わないでほしい」
 アシュトンは無意識のうちに腕に力が篭ってしまい、プリシスは彼から伝わる力が強まっているのを感じた。少し息がしづらくなって苦しかったが、彼が自分と会えなかった期間に味わった苦しみを想像すると、これは贅沢だなと思い、ほろ苦い笑みが溢れた。
 「……ごめんね」
 プリシスはそう言って、自分の両腕をアシュトンの腰に回し、お返しと言わんばかりに力を込めた。
 彼女の仕草を感じたアシュトンは、ようやく自身で知らぬ間に張っていた糸がほぐれた気がした。

 この日は快晴。
 昼の日中に射す日光が、二人を暖かく照らしていた。