【能楽鑑賞】#109 第64回 式能

「翁」 能「淡路/経政/羽衣/花月/項羽」 狂言「夷大黒/樋の酒/酢薑/梟山伏」


【第一部】(続き)

金春流 能『経政』

シテ:金春穂高  笛:小野寺竜一
ワキ:久馬治彦 小鼓:鳥山直也
        大鼓:亀井洋佑


休憩挟んで、次の演目は能『経政』。初見の演目。

合戦で討ち死にした経政。彼が愛用した琵琶を仏前に据え、僧が弔っていると、早速、経政の亡霊が現れ、詩歌管弦に親しんだ在りし日を懐かしむというお話。登場人物も経政の亡霊(シテ)と僧(ワキ)のみ、というシンプルな構成。

修羅能らしく、修羅道に堕ちた苦しみもチラッと見せるが、貴公子だった彼は戦う姿を恥じて直ぐに消えてしまう。面も美男子でイケメンとして描かれてることが伺える(笑)

お能は男性モノが好きということで、元々修羅能は好きでしたが、これはこれでシンプルでスッキリとした味わいのある演目だなァと思いました。好き。

*・*・*

和泉流 狂言『樋の酒』

シテ(太郎冠者):野村万禄
アド(主)   :野村万蔵
アド(次郎冠者):野村万之丞


第一部ラストは狂言『樋の酒』。
映像ではチラッと観たことありますが、生で観るのは初めて。

主の留守中に、太郎冠者と次郎冠者が酒宴を始めて、最終的に見つかり怒られるという毎度お馴染みなお話。

万禄さんの太郎冠者はお調子者感たっぷりで最高でした!
万之丞さんとの息のあったコンビも◎

万蔵さんの主はちょっと御本人の持つ人の良さを感じてしまったかな。横領されてるんだからもっと激怒しても良いのよ(笑)きっと普段は優しいご主人なのね。

*・*・*

【第二部】

宝生流 能『羽衣』盤渉

  シテ:大坪喜美雄  笛:藤田次郎
  ワキ:殿田謙吉  小鼓:幸正昭
ワキツレ:大日方寛  大鼓:安福光雄
ワキツレ:小林克都  太鼓:林雄一郎


ここからは第二部。

もうすぐ、お能を観始めて丸2年経とうとしてますが、人生で2番目に観たお能が、この『羽衣』(しかも同じ宝生流で盤渉の小書き付)でした。ということで久しぶりに人生二度目の『羽衣』を観能。

てか当時は眠くて眠くてね!!😂
でも今回は何とか耐えましたよ、ええ。
リベンジ出来ましたよ(笑)

人気曲とのことですが、相変わらず大人しい舞だなァという印象。ふと気付いたけど、人間(亡霊)の舞に比べると、ホントに無駄の無いというか余計な動きはしていない。必要最低限の動きだけで表現してる感じ。

「いや疑いは人間にあり 天に偽りなきものを」

他流やノーマルVer.を観たことがないので、他は違うのかもしれませんが、今回は人間との格の違いみたいなものを、舞を通じて改めて気付かされたような気がします。

*・*・*

大蔵流 狂言『酢薑』

シテ(酢売):大藏彌太郎
アド(薑売):茂山忠三郎


以前、和泉流で拝見した時に、秀句絡みの狂言って難しいんだよなァという印象でしたが、今回はお二方の話術が圧巻で、ずっとマスクの下の口角が上がりっぱなしでした。間といい、イントネーションといい、完璧!これぞ、立体落語って感じ。

あと和泉流では商売道具を表す小道具を持ってた気がするけど、大蔵流では扇一本だけで表現しており、非常にシンプルなんですね。まさに話術に特化した演目。


(次頁に続く)