らい
2017-07-29 23:03:22
12007文字
Public レオいず
 

リコルダンツァはもう弾かない

レオいず(+つむぎ)/お弁当と思い出にまつわるもどかしい二人の話




「お前、新メニューの地獄ラーメン食った?」
「え?食ってない」
「あれだ、死ぬほど辛いやつ」
「双子ユニットの弟のほう?がさ、学内で初めて完食したらしいけど」
「一年すげえな」
「俺には絶対むり」
「火ぃ吹くわ」
「サーカス団かよ」
「俺、正統派でいたいからバラエティ路線は勘弁~」


 他愛ない話を繰り広げる生徒たちの隙間をぬって、レオは鼻歌とともに歩く。
 ふぅん、ラーメンかぁ。たまにはいいな。なぁんかインスピレーションが降臨しそう。いつものことだけどお弁当、忘れちゃったし。今日は、食堂にでも行くかなぁ。うん、そうしよう!――B組を出て、A組の横をすり抜ける。レオはそのまま通り過ぎようとして、ふと立ち止まった。


(Aぐみの、きょうしつ)


 ボソッと呟いたあとで、水浴びを終えた犬のごとくブンブンと首をふる。思考回路がブラックホールに吸収されてしまうまえに、立ち去ろう!レオは「うんうん」と決心して、ふたたび足を進める。一歩、二歩、三歩、四歩五歩六歩。やはり思い直して、踵をかえした。通りすがりの生徒たちが、その挙動不審な動きに怪訝な眼差しをむける。レオは「がるる!」と威嚇した。「なんだ、こいつ!」と声をあげるギャラリーを鋭い視線で蹴散らして、A組の入り口に身をよせる。

 顔の半分をひょっこり覗かせて、教室の内部を覗き見る。土曜ワイド劇場!月永は見た!家政婦の三角巾をかぶった自身の姿を想像しながら、レオはおもむろに視線を投げる。教室の奥、その窓ぎわに泉がいた。
 泉はクラスメイトふたりと肩を並べて、なにやら会話を交わしている。ひとりは、三奇人である『レイ』のユニットに所属している金髪のひと。更にその横にもうひとり。真夏の太陽を彷彿とさせるそのひとは、ちょっと前に『ママ』がいたユニットで隊長をやっている。
 そういえば、と教室を見渡すと、『ママ』はいなかった。そういえば最近は、仕事の依頼がひっきりなしに舞い込んでいるそうだ。「商売繁盛!しばらく学校には来られないなあ。しかし困ったことがあったら、いつでもママに電話しなさい!」と胸を叩いていたような気がする。今日もどこかでお祭り騒ぎを繰り広げているのだろう。ママ、頑張ってるよなあ。親友の活躍に想いを馳せながら、レオは教室の様子をじっと見つめる。


「瀬名ぁぁぁぁぁぁぁ!お前の燃える闘魂っ、この俺に見せてみろおぉぉぉぉぉぉっ!正義の舞いは必ず勝ぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!」
「はぁ?こいつ何でこんなに盛り上がってんの?チョ~暑苦しいんだけど」
「ほら、あれあれ。君たちが熱中してたダンスゲームあるでしょ?あれの新作が出たっていうから、気合十分なんだよ。ご覧のとおり!」
「はあ~~~?」
「以前、俺たちが挑戦した楽曲の難易度を遥か上回る、シリーズ史上最強のダンスナンバーが追加されたそうだっ!瀬名、俺とまた勝負してくれ!というか勝負しよう!」
「はあ……
「というわけで、行くでしょ?帰り道にゲーセン。男だらけの放課後とか、げろげろって感じだけどさ~」
「なに勝手に決めてるわけぇ……


 まぁ、別に行ってやってもいいけど。
 腕を組みながら、ぷいっと顔を背ける。素っ気ない態度をとりながらも存外、付き合いがよい。それが瀬名泉という男だ。レオにはよく分かる。だって、友達だったから。
 抗争時代を経て、戦友へと変わってしまったけれど。

 教室の輪から外れて、身を寄せ合っていたあのころ。昔はふたりぼっちだったのに、いまの泉はもう『ふたりぼっち』の片割れではなかった。戦場を共にするわけでもなく、なにげない笑い話で軽口を叩きあう。いわゆる『友達』という間柄の―――泉本人は、否定するだろうけれど―――人間たちに囲まれているのだから。
 おれは、あそこには、入れないな。そう思わせる雰囲気が音もなく浮遊していた。決して音はないけれど、きらめいている。眼球が痛くなるほどまぶしくて、ともすれば直視しつづけることができない壁がそこにあった。
 彼らの役割はかつてレオひとりだった。しかしその役割はもう、レオひとりだけの特権ではない。

 A組に遊びに行ってあげたらいいんじゃないか。そうすれば、泉は喜ぶんじゃないか。つむぎはたぶん、純粋な親切心から提案してくれたけれど。泉にはもう『友達』がいる。くだらない話で笑い転げて、放課後にバカをやる。そういう、ふつうの高校生男子になれたのだ。剣を持って傷つけあって、不特定多数の同胞たちを蹴落としていたあの頃とは違う。ふつうになった。ふつうになるって、案外むずかしい。この学院にいればなおのこと。
 だったら、わざわざ変わり者のおれが輪に入る必要はないと思うんだよ。レオは長い息を吐いた。


(セナのお弁当、ちょうだい!って。
 昔はしょっちょう、お弁当をたかりにいったっけ。セナのお弁当には、でっかいからあげ!とか。おっきいハンバーグ!とか。そういう肉料理は、あんまり入ってなかった。「太るのは嫌だから」って、体重を気にしてる女の子みたいな台詞でため息ついて。たまぁ~に入ってるときもあったけど、野菜に肉を巻いてボリューム詐欺してたな。油分はできるだけカットして~とか。ご飯100グラムにつきカロリーはいくつ~とか。とにかくまぁ色々と教えてもらったっけ。九割方、忘れちゃったけど。セナには悪いけど、ちっとも覚えてない。
 おれが覚えてるのは、セナのお弁当が、ほっぺたが落ちるくらいにうまかったこと。特に、甘ぁ~いたまご焼きが好きだったな。お弁当にはいつも入ってた。一度だけ入ってなかったことがあって、ヤダヤダってごねたら次からは入れてくれるようになった。
 「あんたは幼稚園児か」って頬をつねられて。それでもセナは、箸を手にとった。「チョ~うざぁい」って不機嫌そうに文句を並べながらも、おれのくちのなかに、たまご焼きを運んでくれたよ。「お昼ぐらい、ちゃんと食べなよねえ」って、あいつなりに心配しながら。
 料理の豆知識はすこんと忘れちゃったけど、あの頃の色を、温度を、ありふれた世界の美しさを。おれはぜんぶ覚えてる。不良どもに追いかけまわされてぶん殴られても。昨日まで友達だったクラスメイトに無視されても。ユニットの奴らに片っぱしから裏切られても。私の知ってるレオくんじゃなくなったからファンやめるね、さようなら、ってファンの子に嫌われても。たったひとり、セナがいたから楽しかった。ふたりでいられることが何よりも幸せだった。
 ああ、楽しかったなあ。楽しかった。楽しかったんだよ。でも、過去形なんだ。
 セナのお弁当、ちょうだい!って。
 今のおれには、もう出来ない。だってセナ、おれ以外に友達がいるんだよ。いまが幸せそうなんだもん。)


 記憶の扉が、がしゃりと閉じられる。レオはハッと目を見開いた。
 自然と足が遠のいて、一歩、二歩と後ずさる。かかとが後退するにつれて、思い出の音もどんどん遠ざかっていくように思われた。昔は、もっと簡単に触れることができたのに。目と鼻の先に、彼はいるのに。指先が重くて重くて、持ちあがらないのはなんでだ。なんでだろう。いつから?いつまで?
 泉の背中が小さくなったそのとき、蒼いまなざしとピントが合った。


「王さまじゃん」


 うちのバカ殿が来たから、また後でねえ。
 泉はふたりの級友に手を振ると、レオのもとにズカズカと歩み寄ってきた。
 なんだなんだ!さっきまで「友達」とキャッキャウフフしてたくせに!とつぜん背後を振り返るなんて、卑怯だぞセナ!それが騎士のやることか!忍者だっ、忍者っ!ニンニンっ!――レオはそろり、と逃げようとする。しかしながら威圧感たっぷりに近づいてきた泉に、フードを掴まれた。


「この俺から逃げようだなんて、いい度胸してるじゃん。人と目が合うなり硬直して、あまつさえ逃亡しようとするとかさぁ。あんた、俺のこと馬鹿にしてるわけぇ?」
「してない、してないっ!馬鹿にするどころか大好きだっ!こぉ~~~れくらいっ!」


 レオは両腕を回転させながら、空中におおきな輪を描く。泉は端正な顔をしかめて、「うわっ」と驚いた。ようやくフードから手が離れて、レオのからだが解放される。


「うざいなぁ、もう!お子様みたいにジタバタしないでよねえ!」
「出会い頭に『うざい』とはなんだ、『うざい』とはっ!けしからん!でもおれは、セナのこと大好きだ、愛してるよっ!」
「はぁ~?無駄にでかい声で叫ばないでよねえ。っつうかそういう台詞はさぁ、ファンの子に向けて言ってあげなよぉ。今後ライブの予定もたくさん組んでるんだからさぁ
……そうだそうだっ、ライブといえば新曲もいくつか出来てるぞ!あとで聞いてほしい、というか早く歌わせたい!おれの音楽は、おまえらの歌声でより磨かれるダイヤモンドだからっ!」
「ふぅん、さすが王さま。仕事が早いじゃん」
「わはは、もっと褒めたたえてくれ!」


 上目づかいでおねだりすると、泉は気だるげな視線でレオを射抜く。そうして教室の入り口に背を預けて、呆れた様子で口を開いた。


すごいねえ」
「おおっ、ほんとに誉めてくれるんだな!王さまは嬉しいぞ!うんうん、もう一声!」
……えらいねえ」
「ああっ、その一言でおれは何曲でも書けそうだっ!もっとくれっ!コンセンティメント~!」
………がんばったねえ」
「こぉら、セナっ!棒読みだぞっ、棒読みっ!もっと表現豊かに称賛してくれっ!そうすれば、おれはもっと輝けるから!ずっとずっと、永遠に―――
「用事はそれだけ?」
「え?」


 入り口に預けていた背中をすっと離して、泉はどこか別の方角に視線を投げた。視線の先には、A組の教室がある。入りたくても入れなかった、分厚い壁の向こうがわ。


そこ、座れば?」


 泉は顎を動かして、入り口そばの席に目配せする。突然の提案にレオは戸惑った。しかしながら、泉は「だから、そこの席」と強めな調子でレオの腕を引っ張った。無理やり椅子に座らされたレオは、うすい唇を尖らせながら泉を見上げる。


「なんだよ、急に」
「はあ?それはこっちの台詞―――あ、そこ。斎宮の席だから。ちょっとでも汚すとキレられるからねえ、気を付けなよぉ」
「なにぃ!?あ、というかシュウは?マドと舞踏会にでも行っちゃった?」
「気安く呼び捨てにしたら殺されるよ、あんた。行き先は知らない。昼休みと同時に『青葉の奴め!』とかチョ~怒りながら出て行ったけど」
「あっ、思い出した。オバちゃんが手芸部に用があるって話してたな。シュウもそこに行ってるのかな?」
「ああ、そういうこと?」
「オバちゃん、随分とのんびりしてたぞ。シュウのやつ遅刻に厳しいから、『まだかねッ』ってぷんすこ怒りそうだな……
「青葉、しこたま怒られるんじゃない?俺が最後に見たときは、既にキレまくってたからねえ」
「オバちゃん、無事だといいなあ」


 祈りを捧げながら、レオは背もたれに重心をかけて、う~んと腕を伸ばす。泉はその前に座った。どうやら泉の席は、宗のひとつ前らしい。そして机の横にぶら下げているかばんから、細い容器を取りだした。
 弁当箱だ。
 レオは「は?」と目を瞬かせて、弁当箱と泉を交互に見やった。


「はい」


 トン、と置かれた弁当箱に、レオは息をのむ。
 あんた、ご両親がせっかく作ってくれたんだから、いいかげん持ってきなよねえ―――高校二年生の、まだ、ふたりでひとりだったころ。周囲からどれだけ避けられても、ふたりでいれば幸せだった。胸の奥からひきずり出したくなるくらいに大好きで、愛おしくて、いまは失われてしまったモノクロの映像が、早送りで再生される。
 とっくの昔にテープは切れているはずなのに。目の前に映し出されている光景は紛れもなく現実で。遠い日の思い出と見間違えるほどに、鮮明な色彩を解き放っている。


「ちょっと、なぁに。急に黙られると、反応に困るんだけど?」
いや。あのね。ちょっと驚いた」
「はあ?」
「だってさ。これ。おまえのお弁当
「見りゃわかるでしょうよ」
「いや。……昔みたいだなって、……思って。参ったな。参っちゃったよ、セナ」
「はあ?あんた、また懲りずに弁当たかりにきたんじゃないの?違うの?」
ちがう」
なんだ。それならそうと、はやく」
「ちがうんだけどさ」


 弁当箱を片付けようとした泉の手首を、五本指でしっかりと掴む。あの日の思い出をまるごと抱きしめるように。制服の袖にしわがつくほど、強く握りしめた。


 セナは、昔とおんなじように接してくれるんだ。
 セナは、おれ以外にも友達いるのに。
 それでもセナは、おれとお弁当、一緒に食べてくれるんだ。
 ねえ、セナ。
 おれは、まだ、おまえの隣にいてもいい?
 おれたちの、思い出の延長に。現在進行形の、日常に。
 おまえの隣にもう一度、戻ることは許される?
 だって、おれ、おまえのこと、だぁいすきなんだよ。 
 むかしも。いまも。これからだって。――目頭がじわりと熱くなる。臆病者の王さまで、ごめん。レオは手の甲でがむしゃらに目をこすった。うっすらと水滴がついたので、次はブレザーの袖でぬぐう。鼻水がついた。苦しまぎれに「わはは」と笑ってみせる。まるで風邪を引いたように、掠れた鼻声になってしまった。


「ねえ。ちょっと。あのさあ。急にどうしたの?どこか痛いわけ?また誰かに何か言われた?」


 うんとか、すんとか、いいなよ。泉がぐいと近づいて、顔をのぞきこんでくる。『チョ~うざい』とか、『はい、邪魔~』とか、日常的に毒を仕込んだ喋り方をするものだから、他者には誤解されがちだけれど―――冷たい蒼に染まった瞳は、ほんとうは陽だまりのような温かさで彩られていることをレオは知っている。だって友達だったから。だいすきだったから。泉がくれるやさしさに、もっと触れていたい。やさしさに触れたぶんだけ、だいすきを返したい。
 だいすきだよ、セナ。レオは目尻の水滴を親指でぬぐうと、にこりと八重歯を見せた。そうして今度は、みずから顔を近づけた。


セナぁ」
は?」
「セ~ナ」
はぁ?」
……だぁいすき」


 大好きではなくて。愛してるでもなくて。今も昔も、ずっとこれからだぁいすき。
 「いきなり、なに言ってんの」と視線を逸らす泉に、レオはふにゃりと笑う。そして泉の手をとった。角ばった手の甲は、ひんやりと冷たかった。


「おまえ、こんなに手ぇ冷たかったっけ?」
……平熱、低いから」
「おれがレンジでチンしてやろう!せっせっせ~のよいよいよい!」


 レオは高らかに笑いながら、繋いだ手を上下にぶんぶんと振る。泉は「ちょっとぉ」と声を荒げた。しかし、固く強く繋がれた手を振りほどくことはなかった。


「急に泣きそうな顔をしたと思ったら、何それ。アルプス一万尺とかさぁ……。マジで意味がわからないんだけど」
「え~?そこは、『お寺の和尚さんが、かぼちゃの種を撒きました~♪』だろ?」
「別にどっちでもいいでしょ?チョ~うざぁい!」
「わはは、セナが怒った!」
「誰のせいだと思ってるわけぇ?」
「おれのせい!」
「わかってるなら、手ぇ離してくれる?」
「わかってる。わかってるよ。でもそのまえに、一個だけお願い!」


 セナのお弁当、ちょうだい!
 レオはパッと手を離して、わはは、と笑い飛ばした。気がつけば涙は枯れていた。遠い昔に埋めてきた笑顔の種が、花となって咲き誇る。白黒に染まっていた世界に七色のペンキがこぼれて、あっという間に色づいていく。


「おれが知っている色!温度!ありふれた美しいこの世界!おかえり!ただいま!わはははは!」


 天から降り注ぐ雷のように、頭のてっぺんを目がけてインスピレーションが舞い降りる。喜びのメロディーに満ちた五線譜が、レオの視界をドレミファソラシド、と横切った。湧きあがる噴水のごとく旋律が鳴りやまない。


「今、あんたの脳内でなにが起きてるのかは知らないし、興味もないけどさあ。……結局、弁当たかりにきたってことでいいわけぇ?」


 チョ~うざぁい。
 泉はふんと鼻で笑うと、弁当箱をぱかっと開けた。茹でたブロッコリーと真っ赤なプチトマト、鶏のささみの生春巻きに、健康的なひじきごはん。もやしときのこに薄切りのハムを混ぜたサラダ。その横には、やっぱり。


……調子のいいやつ」


 弁当箱から真っ先にすくわれた卵焼きが、レオの唇につん、と押しつけられる。どこか甘い香りと、やわらかな感触が懐かしくて、引っ込んだはずの涙がこぼれそうになる。ぐっと堪えて、レオはおおきく口を開く。いただきまぁす。幼子のように舌ったらずな声を響かせて、ぱくりと食べた。かたい歯の先っぽで、卵の生地をゆっくり噛みしめる。あの頃とおなじ、ふんわり甘くてとろける味がした。


……セナの作ったお弁当は、やっぱり、おいしいな」
「当たり前でしょ。俺が作ったんだから」
「わはは。おまえは相変わらずの自信家だ」


 もぐもぐと頬を膨らませながら咀嚼すると、泉は「あんたも相変わらず小動物みたいに食べるよねえ」と小さく笑った。不意打ちの微笑みに、なんだか照れくさくなる。レオは左胸をおさえながら、全身を駆けめぐる血流の熱さにうつむいた。心臓の鼓動が愉快におどっているのは、きっとあの懐かしい日々に近づけたから。でも、それだけでは、ないような―――どくどくと波打つ胸の奥、そこに隠された意味を当てようとして、やはり深く考えることはやめにした。この問題は、時間を掛けて、ゆっくりと解決することにしよう。きっとまだ時間は残されている。そう、きっと。このきっとは、絶対。

 終演を迎えたはずの演奏会に、アンコールの拍手が鳴りひびく。思い出の一曲を繰り返し奏でるのは、もう止めにしよう。新曲を引っさげて、青春という名の会場を湧かせるために。