【シク風】第十席

風子さんのあの言葉を聞いたシックさんの欠けた横顔に想いを馳せた幻覚妄想の煮凝り。全てがご都合主義。





「どうせ課題期間中の短い命で最後のループだし、キミ達には思う存分引っ掻き回してもらわないとボクがこっちに来た意味がない」
「それなんだけど、今回ムーブが課題を邪魔したから課題内容自体多少変更になるかなって思ってて、どうかなアポちゃん?」
「ケッ、それを分かってて聞くのかよ」
「やっぱり」
「今回はムーブの介入により”病”討伐の課題自体が無効になった。罰も何もない、今後も”病”討伐自体の課題が出る事は無い」
「え? あの方はボクが”否定者”側に寝返ったのを黙認してるってこと?」
「だろうよ、てめぇが取るに足らない存在だからって見捨てたんだろうさ」
………

「なら、シックは何の憂いもなく私達のところにいれるわけだ。私は彼の知識と情報、それに力だってなんだって必要だからね! すっごい頼りになる仲間が増えちゃってざまぁみろだ!」

……何時までその強がりが続くか楽しみだ」
「言ってろ」

………

ぎゅっとシックの手を握る風子の手を見下ろす細められたシックの眼差しは何処までも穏やかだった。