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豆炭々炬燵
2577文字
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日本一ソフトウェアシリーズ
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【夜廻】はなれられない理由
『 』の力衰えど『 』には違いあるまい。
よまわりさんとオオムカデさまガチギレるの巻。
1
2
解体され始めた大百足神社の境内。吊られていた鈴が賽銭箱に落ちてしまっているけれど、こともは毎日欠かさずお賽銭を入れていた。
今日も今日とて十円玉を出そうとウサギのリュックを背中から下ろし、チャックを開けた時だった。十円玉を取り出そうと入れた手の横から何かがころりと転がり出てしまった。
転がった物を目で追えば、それは山の上の神社で拾った例の目玉だった。またリュックに入っていた不気味さより、反射的に拾うべく屈み手を伸ばしたこともの後ろからサッと何かが飛び出した。
吃驚して思わず尻餅をついてしまうも、飛び出した何かを目で追えば一匹の百足が干乾びた目玉を大きな顎で噛みついているではないか。
このままではムカデさんのお腹が痛くなってしまう。さながら変なものを食べた子供に吐き出すよう促す親の如く、こともはムカデから目玉を取り上げるべく試みる。が、結論から言えば全く駄目であった。
手を伸ばせば長い首を擡げ威嚇され、他のことに気が向くように手を叩いたりしたがムカデは目玉への攻撃を一切止めなかった。目玉を中心にとぐろを巻き執拗に大きな顎で嚙み続けるムカデにこともは右往左往するばかり。
もしかしなくても因縁染みたものが無いとは決して言いきれない状況。結局ムカデは目玉を銜え茂みに姿を消したものの、ふとリュックの中を見れば消えた筈の目玉がまた戻ってきていたので”コレ”は何をしても必ず戻ってくるのだろうと小さく溜息を吐いた。
ムカデ神社の赤い鳥居を潜った瞬間、背負っているリュックがちょっと重さを増した。石段を下りリュックの中を確認すれば例の目玉と目が合った。確かにムカデと共に姿を消した筈の目玉は相変わらず、恨めし気にこちらを睨んでいる。
こともが苦笑いをして誤魔化そうとしたら近くにある電話ボックスから電話が鳴った。久々に聞く音に何も疑わず、こともは公衆電話の受話器を取った。
どこまでも続く真っ赤な空と商店街。だが、以前と違い商店街をぐるりと取り囲む形で浮遊していたオオムカデはいない。見渡す限りの赤の世界はオオムカデがいないだけで寂しく見えた。
「くうきがすんでるきがする
…
」
不思議と赤の世界を満たす空気はとても澄んでいて、大きく深呼吸すれば左目から零れ落ちる真っ暗な夜を薄めてくれた。
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