【ヨセチセ】伽藍洞に浮かぶ輝く世界

生まれてはじめて安寧を得た痛みに彷徨っていた者のお話。










「はじめて出会った時からきらい、だった」
相手の首元に顔を埋め喉から出ようとする情けない声を押し殺し、背に回した手が相手にしがみ付く形で服を握りしめる。
和らいでいた痛みが久方ぶりに息を吹き返す。眉根を潜めここ数千年味わったことの無い胸の痛み。生きたまま朽ちていく痛みとは毛色の違う痛みの正体を自虐的に笑い心の奥底に閉じ込め厳重に鍵を掛けた。



──この感情を持つ資格なんてない
──ましてやそこに立ちたいなんて思うこと自体おこがましい……