豆炭々炬燵
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【ビルジョ】そこは幸福と温もりに満ちている【ちょっぴりペニビル】

仲睦まじい兄弟と兄ちゃんにちょっかいしかける道化師。


夜更け。蝶番の軋んだ声が静かなビルの寝室に響き渡る。誰かがベッドに近付く気配で浅く目覚めた。目は開けていない。近付いていた気配がベッドの中にもぞもぞ潜り込んでくる。
(ったくジョージのやつ
胸中愚痴りつつビルは下から這い上がってくる者を出迎える態勢をした。どうせまたジョージが怖くなってベッドに潜り込んだのだと思ったからだ。
顔が出しやすいよう毛布を少し上げ足元から這い上がってくるジョージに一言二言言おうとしたらどうだ。
違和感が足元から太腿、そして腰にまで上がってきた。紛れもない手の感触だったがジョージの手にしては大きすぎる。持ち上げた毛布の薄暗い闇の中で見えた影もジョージではない。
「ビルゥ君は優しいね~♪」
隙間から白塗りメイク道化師が現れた。そのままビルが持ち上げていた隙間から顔を出し真顔のビルに顔を近付けた。ちゃっかり腰元を抱き寄せ、もう片方の手がビルの頬を手の甲で撫でている。
両者無言の時を過ごす、とは言ったものの一人は真顔、もう一人は厭らしい笑みを浮かべ不気味で腹立たしい笑い声で笑い続けている。
あわや緊迫状態が続くと思いきや冷静に華麗にビルは懐に隠していた鎖を手に巻き付けペニーワイズの顎を的確に殴り抜いた。蛙が潰れたみたいな悲鳴を上げ白い影が吹っ飛びベッドから転げ落ちる。
痛みに悶え呻いているペニーワイズを見下ろすビルの瞳は何処までも冷たく――、静かな部屋に響き渡る鎖のジャラジャラ揺れる硬い音は恐怖を与え続けていた道化師に恐怖という感情を芽生えさせたのだった。