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豆炭々炬燵
3513文字
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モアナと伝説の海シリーズ
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【原型蟹】煌めきが満ちる海【タマモア】
呟いたのを混ぜるだけ混ぜたもの。繋ぎ合わせただけともいう。
鬼ごっこ→媚薬→大人対応(なタマトアさん)。
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2
3
雌が怯え震える眼差しにゾクゾクしない雄はいない。逃げ道を塞ぎ追詰めた獲物を捕まえることは容易い。
「可愛そうな嬢ちゃんだ。健気に強がったところでその内に秘めたる恐怖心を魔物である俺に誤魔化し隠し通すなんざ出来ないってのによ」
ニンマリとタマトアが嗤えばモアナの肩が微かに跳ね上がる。其れでも尚、まだ逃げられないかと脱出するチャンスを探す彼女に益々タマトアの目が眇められた。諦めては詰まらない、足掻き抵抗するのが愉しく、それをねじ伏せるのがまた興奮する。
大きさも形も感触も人間とは違うタマトアの顔が距離を縮めその差を無くした。突出した目玉の瞼が閉じられ、頬ずりする様は一見して無害だが逆にモアナの恐怖心を余計に煽る。
「さあ、捕まえたぜ」
押し付けられる圧倒的な肉量に何とか押し返そうとモアナが手を突っ張るもそれすらタマトアにとっては心地よく自分を撫でる手となり果てた。
はむはむと甘噛みしてはやたら熱の籠った吐息を漏らすタマトアに身じろぐことも出来ないモアナが抗議かはたまた悲鳴か定かではないが口を開けた瞬間、てっぷりした舌の先端が彼女の口へ押し付けられた。
「うっぷ!?ンん~~~!?!?」
急な出来事で混乱するも如何にかして息をしなければ窒息する現状にモアナは自身の口腔内に溜まっていく苦くて甘い液体を半ば反射的に飲み込んだ。それは喉元を通り過ぎ胃の底に落ちても存在感を放ち。タマトアの舌が離れ息苦しさから解放され咳込むモアナの息からは先程と同じ香りが漂っている。
「タマ、トァ
…
、あなた、
…
一体なに、を
……
?」
ぬめ付く口元を拭い相手の意図を探ろうと訝しげな視線を投げつけた時だった。モアナの目に映る世界が揺れ、間近にいるタマトアの輪郭さえもぼやけだす。思えば体全体が火照り熱を持っているような感覚だ。
「嬢ちゃん気分は如何だい」
「き、ぶん
…
?」
既にモアナの頭は問われた言葉の意味も分からず、覚束ない足取りで声がした方向へフラフラ歩み寄りタマトアの大きな脚に自らの足を絡みつかせる形で凭れ掛った。
「おーおー。蕩け切っちまった顔しちゃって」
「とろけ、てる?」
難なく巨岩を砕く凶鋏が徐々に息が乱れつつある少女の背を労わるように撫ぜれば不安に濡れた瞳が真直ぐ大蟹の魔物を見詰める。
「
…
どうしよう
…
」
縋りつくモアナにタマトアが優しく先を促す。
「さっきから
…
からだがあつくて、
…
おなかのおくがじゅんとして
…
へん、へんなの
……
」
「そうかい。で、嬢ちゃんは如何したい」
「
…
どうも、なにも
…
。ただ、こわい
…
こんなの、はじめてで
…
タマトア
……
」
タマトアが胸中効果は上々と呟いているとはつゆ知らず、モアナは未知の感覚からくる恐怖で泣きだしてしまった。思考回路はすっかり麻痺して上手く考えられず、されど体の中では正体不明の何かがのたうち回る苦痛にも似た現状にモアナはただただ目の前にいるタマトアに助けを求めるしかなかった。
恐怖からではない小さな劣情から体を震わせていることも理解できていない。そんな滑稽染みた愛おしさに再び顔を寄せたタマトアの口許から甘ったるい吐息混じりに彼女の鼓膜を通り越し脳内へ直接囁いた。
嬢ちゃんとなら何匹でも構わない
全員大事に大切に守ってやらァ
勿論嬢ちゃんもな
タマトアは依然として怯え震えるモアナに大きさが違い過ぎる唇を押し付けたのだった。
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