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ひろっぷ
2023-01-16 11:21:19
4022文字
Public
第五 ハス探
じゃしんとぼく⑭
いつもの走り書きハス探
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【声】
仲間が怒号を響かせて追いかけてくる。どうして、なんでいるんだ、と叫んだつもりだったが恐怖の余りか声が出ないようだ。それこそどうして、と混乱するばかり。
追いつかれれば何をされるかわからないという恐怖を纏って、何処に逃げればいいのか皆目見当もつかず息を切らして走り続けた。
だが途端に行き止まりにぶつかりノートンは目を見張る。
正確には行き止まりではない崖がそこにあったからだ。もっといえば先の見えない暗闇が続いている。
距離を離した同僚達がどんどんと迫ってきていよいよ余裕がなくなってきた。
(どうする、どうしようどうしようどうしよう!)
飛び込んだ先が深ければ死ぬ。けれど。同僚が。
分からない。分からない。分からない!
冷や汗が止まらずどんどん考える余裕がなくなっていき、とうとうノートンは決心して足を崖の先へ向けた。
『ノートン』
「ッ!?
……………
!」
目を覚ましてまず見えたのは窓から見える月だ。
起き上がらなければ見えないはずの窓が何故目の前に見えるのだろう。息も絶え絶えな事にも信じられず未だ落ち着くことができない。
目だけをかろうじて動かせば、己が状況に信じられず余計に息が上がってしまう。
ノートンの先にあるのは踊り場、降り階段だったからだ。
ますますその場から動けない。何故こんなところにと思うが、先の夢を思えば道理である。
「
………
は
…
、
……
は
…
」
納得はしたものの、現状のせいで恐怖から抜けられないでいた。もしかすると今動けば落ちるかもしれないと自分すらも信じられない。
『ノートン』
夢の中でも聞こえた聞き慣れた声を聞き、金縛りが解けたように力んだ肩が緩む。ユラユラと振り返れば声の主のハスターが佇んでいる。ノートンはまだ歩く勇気が出ない。確かめるように一言、二言と声を絞り出していく。
「たすけて、くれたのは、あなた?」
『さて、どうであろうな。我の声にそなたが応えた。それだけであろう』
「
……
ぼくは、僕?」
『我に見えるのはノートン。ノートン・キャンベルだ』
「
………
」
『動けぬか。仕方あるまい』
触手が伸びても抵抗せず、ノートンは成されるがままハスターの元へ引き寄せられた。触れた服は確かにノートンが見知ったひとの感触であり、力なく布を握りしめた。抱えたハスターは何を言うでもなくただ廊下を這っていく。
「
……………
」
『
……………
』
「ハスター」
『
…
なんだ』
「ありがとう」
『貸しと覚えておけ』
「うん」
『悪夢を見た夜は星屑でも見ているがよい。そなたにはそれが似合いだ』
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