ひろっぷ
2021-11-09 19:19:53
5367文字
Public 第五 ハス探
 

じゃしんとぼく

支部に上げたものそのままです。ハス探。



【異星とプラネタリウム】

僕はこの携帯品が好きだ。
いつの間にか部屋に置かれていたそれは、見た目そのままに中心に宇宙を収めていて、なんとそれは僕の磁石と連動しているのだという。
実際使ってみて分かった。落ちた磁石からまるでプラネタリウムのように星座を映すのだ。
綺麗の一言に尽きる。以前の仕事場からでもよく見た星空を思い出した。
苦しい記憶もあって少し窮屈な感情もある。でもそれ以上に僕はこの景色をよく見ていた気がするからだ。

『随分熱心に何を見ておる』
「うわっ。もう、驚かさないでよって、その姿」
『?』

やってきたハスターを見上げると顔と思しき部分が小さな宇宙と化していた。ブラックホールみたいだ。
背負っている装飾品もまるで星々を散りばめたようだ。まるで全身が空そのもののよう。
見つめていたのが分かったのか、ハスターはずいと僕に目線を合わせる。思わず後ずさろうとしたが、それは触手が許さずしっかりと捕獲された。いつもされるこのくだりはいい加減やめて欲しいんだけどな。

『そなたはこれが好きと見える。良いぞ。存分に見るがいい。見つめた先の保証はないがな』

からかいまじりに笑うその声に腹が立つ。少し仕返ししてやろうかな、と思い僕から彼の宇宙を覗き込む。すると僅かに驚いたのか、僕の体を少しだけ押し返した。表情なんて分からないけど、その反応で充分だ。思わずにやけてしまう。

「どうして。僕は見たいんだけど」
人の子のやる事は理解できぬな。そなたのためだ。やめておけ』
「残念。好きなのにな」
……ノートン』

たまには振り回す役が僕でもいいだろう。
でも事実だよ。僕は星が好きだ。

あなたの事も、嫌いじゃないぐらいには。