「ヴァネッサさん」
備品室の入口からいる筈のない人に声を掛けられ、目を丸くする。
「リュシアン? 任務が重なっていると聞いていましたが」
「ええ、すぐに出ます」
すすす、と入って来たリュシアンは、ヴァネッサの手を取った。一瞬反応が出来なかったほど、自然に。
「
――リュ、リュシ、」
ぎゅ、と一度強く握られて、リュシアンの手は離れる。
「お邪魔しました。それではまた、ヴァネッサさん」
にこりと笑ったリュシアンは踵を返す。
「
……あ、お、お気を付けて!」
唖然としながらも後姿に声を掛けると、ひらりと手が振られ、そのままリュシアンはあっという間に出て行った。
「
……これは、どういう
……?」
残されたヴァネッサは、ただただ首を傾げるのみであった。
「来たか」
「お待たせしました、マクシムさん」
「用事とやらは終わったのか?」
「ええ、お陰様で。行きましょう」
「ああそうだ、リュシアン。預かり物だ。道中の休憩の時にでも頂こう」
「
……プティフールサレですね、食堂の。預かり物とは?」
「ヴァネッサくんだ。キミが立て続けの任務で碌に食事も摂れてないのではと心配していたぞ。実際、どうなんだ?」
「
……そう、でしたか
……」
「リュシアン?」
「あ、いえ。ありがたいな、と。食事の時間もそんなにありませんでしたから。帰りはなにかお礼を探します」
「それがいい」
「マクシムさんもどうです? 皆さんにも」
「うむ、僕もご相伴に預かるのだし、かわいい後輩達に土産を渡すのもいいな!」
貴方はリュシヴァネで『四十五秒以内の逢瀬』をお題にして140文字SSを書いてください。
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