望月 鏡翠
2022-10-31 23:59:58
2082文字
Public リアタイ
 

2、それは深い緑色だった。

Rauiri Tadhg Cian/獣性イデア/ #獣性_B_彼は言葉を残さなかった

現実 ▼最初の事件と同日。ホテルから数百メートル離れた場所。
好奇心▼人を助けようというその傲慢が愚かしい。哀れみの目を向ける相手に牙を剥かれたら、どんな顔をするのか。
遺留品▼割れたガラス瓶の片割れ。踏み破られたスマートフォン。
通報内容▼
 都内某所。
 通行人から、路上に血塗れの男性が蹲っているという通報が入った。
 意識はあるが、外国人らしく言葉が通じない。怪我をしているようで、呻き声をあげるものの意思の疎通は困難だった。
 のちに通報時の録音に入っている音声を解析し、「見るな」「何様のつもりだ」「汚い手で触るな」などと口走っていたことがわかっている。
 救急車の手配がされ、近くのホテルで起こった事件との関連性が疑われたため、警察官も現場に向かった。
 しかし彼らが現場に到着を待たず、通報者からの通報は悲鳴と揉み合う音に変わり、通信は途切れた。
 現場に到着した警察官は、通報現場近くに倒れている日本人男性を発見。尖ったもので喉を裂かれており、その時点で脈はなかった。
 遅れて到着した救急隊員により、懸命な蘇生措置が行われたが搬送先の病院で死亡が確認された。