【可惜夜廻】終

『「すみません、よくわかりません。」』現行未通過×
※夜廻パロ




目が覚める。全身を圧迫する鈍痛と、定まらない思考。開けた視界が白色だと理解するのすら、しばしの時間を必要とする。ようやく覚醒した意識を使って視線をゆるりと動かせば、怒りと哀しみを混濁させた表情でアサヒが立っている。自分はベッドに横たわっているらしい。


「どうしてこんなことしたの」


責めるような声色だが、責任を問うているわけでないことは察せられる。渡された骨を使わなかったのか、それは純粋な疑問なのだろう。アサヒは冷たく見える時もあるが、実は人一倍情に厚い男だ。


「恐らく、あれでは駄目だった」

「どのタイミングでそう思ったんだい」

「手順を教わった頃に」

……そう。カンジは酷く錯乱してたよ。今は眠ってる。ヒロもまだ目覚めない」

「そうか。ありがとう」

「感謝されることなんてしてないよ。むしろボクは、キミたちを


不自然に言葉が途切れ、アサヒはマスクを上げて顔を背ける。小刻みに震える肩を指摘するほど、ソウゲツは馬鹿ではない。申し訳無さから手を伸ばそうとして、体の不具合を認識する。右腕が動かない。ああ、そうじゃない。これは動かないのではなく、動かせないが正しい。当然だろう。
存在しないものを動かすなんて芸、人間には到底出来やしないのだ。