【天使の上手な橋渡し】

『蹂躙するは我が手にて』現行未通過×

恋のなんちゃらに纏わる話
アルエル+メルロル

あ、オレが『未知を見つけた時』の感覚だ。


そう気付いたのは、世界の救世主である四人で何度目かの食事をしていた最中。それなりに上等な肉と飲料、野菜に果物そしてスイーツ。そんなに食べられるか?というレベルで盛られていた料理は、すっかり皿だけになっている。まぁその大半を平らげたのは、今オレが見ている二人だが。


「指導者様、ちょっと食べ過ぎじゃねぇか?」

「オレは身体の維持に栄養いるんだよ。チビと違って」

「誰がチビだって?? ん??」

「そこの三十路」

「ボクを巻き込まないでくれるかな!?」


きゃいきゃいと騒がしく、とても上品とは言えない食堂。たった四人とは思えないほど楽しく、いっそ惜しく感じるほど甘露な時間。その、ほんの一瞬。刹那とも言える、僅かな瞬間。

トリステン・カロルを撫で回しつつ笑うアルドア・シュトラウトの瞳に、既視感を見つけた。その正体を明かす、また一瞬前。それに戯れるエルディ・アイザックの声色にも、同じ感覚を覚えた。たっぷり一秒硬直して、確信を得た。

あ、オレが『未知を見つけた時 恋をした時』の感覚だ。


「メル殿、ボンヤリしているが大丈夫か?」


口に出すことはしなかったが、顔には出ていたらしい。二人から逃げて来たカロルに心配され、そこまで心を見せていたことを反省する。と同時に、妙案を思いつく。まず間違いなく拒否、あるいはドン引きされるだろうが、一人で抱えるにはちと重い。


「ロルくん」

「? なんだい、急に改まって」


「キミ、天使にならないか」


「「「は????」」」


酷く間抜けな声が三つ、食堂に木霊した。あれ、もしかして言葉選びミスったかな。そう思った頃にはもう遅く、三人はいつにも増して奇妙なものを見る目でこちらを見つめるのだった。