【失笑の歌と蒼い月】終章A/中編

一ページ目必読
※Ibパロ




「────そう。彼、出ていったんだ」


「すまないな、せっかく色々と協力してくれたというのに」


「やめてくれよ、キミらしくない。ああ、結局ここはもう閉めるのかい?」


「勿論。ここを無意味に運営できるほど、オレは正しくない」


「それは残念だな。この場所での時間は好きだったから」


「研究する時間がか?」


「キミたちと共にいる時間が、だよ。
……ソウゲツ。キミなら、カンジの望みもヒロの気持ちも理解できるだろ」


…………


「ボクらも彼らも皆、ただ自分の望みを突き通しただけだ。そこに優劣も勝敗も無い。一度叶ったし、永遠は叶わなかった。ただ少し、ほんの少し、彼のその“一度”が伸びただけ」


「それは理解している。オレはただ、納得しきれていないだけだ」


「置いていかれることを?」


「それよりも何より、オレは“繰り返してしまうこと”を悔やんでいる。
まぁでも、『これで良かった』と思う自分もいることは確かだ。アイツに鳥かごは似合わないから」


「撃ち落とされるかもしれなくても?」


「それでも、だ」


「皮肉なものだね。誰よりも綺麗な空を望んだ彼が、偽りの空を描くことになるなんて」


……そろそろ時間か」


「今日までお疲れ様。次はもっと、皆で納得できるといいね」


「ははは。『皆で幸せに』なんて言わない辺りがアサヒらしいな。









────さようなら、オレの最愛。
どうかオマエの望みが、これからは長く続きますように」