【能楽鑑賞】#266 第28回 明之會

能「采女」「隅田川」 狂言「名取川」

第28回 加藤眞悟 明之會

国立能楽堂
2026年5月5日(火)13:00開演

ご挨拶 加藤眞悟

解説「采女」表きよし

仕舞
「実盛」キリ 観世喜正
「井筒」   梅若紀佳
「天鼓」   梅若志長

一調「百万」
シテ:梅若紀長
太鼓:小寺真佐人

能「采女」美奈保之伝
里女/采女:加藤眞悟
   旅僧:安田登
   従僧:髙橋正光、吉田祐一
   里人:高野和憲

  笛:松田弘之
 小鼓:久田舜一郎
 大鼓:亀井広忠

解説「名取川/隅田川」表きよし

狂言「名取川」
    僧:野村萬斎
名取の何某:野村裕基
   地謡:中村修一、高野和憲、内藤連
   後見:深田博治

能「隅田川」
    狂女:加藤眞悟
   渡し守:梅村昌功
    旅人:野口琢弘
梅若丸の亡霊:青木響平

  笛:藤田次郎
 小鼓:幸信吾
 大鼓:安福光雄

*・*・*

毎年恒例となっている『明之會』。

今年は夢幻能の「采女」、現実の非情さを描いた能「隅田川」、そして狂言は「名取川」と、どれも“水”絡みのお話でした。



※初見以外の演目は、あらすじ割愛させていただきます🙇



能「采女 美奈保之伝」

奈良を訪れた旅僧(ワキ)が里女(前シテ)と出会う。猿沢の池に僧を案内した女は、帝の寵愛を失った采女が池に入水したことを語り、自分こそがその幽霊であると明かし水底に姿を消す。旅僧が回向を行うと采女の霊(後シテ)が現れ弔いを感謝し、舞を舞うと御代を祝福しつつ再び池中へと帰って行く。小書(美奈保之伝)により水面に浮かぶ霊が強調された演出。(公演パンフレットより)


初見の演目。いきなり小書き付きで観ることになったが、こちらの方が収まりが良いという意見もあるらしい。 

日頃の疲れと睡眠不足もあって、心地よい謡に抗うのが大変だったが😂、加藤先生の采女は透明感のある美しさで目の保養だった。

采女に選ばれるのも納得の容姿で、しっっっとりと舞う姿が印象的でした✨

あと松田先生のお笛が素敵過ぎた。
松田先生のお笛が好き過ぎる🤤💕



狂言「名取川」

初めて萬斎さんの狂言を観た時の演目がコレで、その後も何度か拝見した思い入れのある曲。

自分の名前を謡う場面はめっちゃ美声で👂️の保養だが、アドの裕基くんとの掛け合いを観てると「コレ話しかけちゃ駄目なタイプの人間」に思えて😂笑

このお坊さんの物覚えの悪さは、映画「花戦さ」の専好さんに近いものがあるのかな?🤔(四月に、映画祭で観たばかりなのでなんだかタイムリー)


ちなみに直前の表きよしさんの解説では、修行を終えたお坊さんなら名前を貰ってるはずなのに、二人の稚児に名前を貰ってる所から、ホントは観光に行っただけで、修行してお坊さんになったと思い込んでいるんじゃないかと言ってて、まさかの偽坊主疑惑が浮上したので、今回は余計に胡散臭さが増した🤣


見所も結構ウケてたけど、特に後ろに居た方が心の声が漏れ出すくらい大ウケしてたのが何だか楽しかった🤣

アド「扨も扨も希代な事をいふ人ぢゃ」

👩(希代!あっ!)ヒソヒソ

アド「扨々不祥な所へ来かかった」

👩(不祥!キタキタキタ!コレで思い出すんじゃない!?)ヒソヒソ

みたいな感じで、これは煩いを通り越して、ちょっと微笑ましかったわ🤣



能「隅田川」

これも「名取川」と合わせて初めて観た時の能の演目で、その後も何度か拝見し、時には涙したこともあったが

今回は意外と別の場面でウルッと来た。我が子の幻に触れようとするが触れられないシーンである。

今回は子方が淡々と演じてくれたお陰で、梅若丸は幽霊ではなく、母の強い願望が映し出した幻に思えたのである。


それだけ我が子に会いたいと思ってる。

だけど、その希望は打ち砕かれてしまった。

果たして、この母親の心が救われる日は来るのだろうか。

それとも生きている内は無理なのだろうか


先の夢幻能と比較することで、現実の非情さが色濃く感じられた、そんな気がする🥲

探してた子供が既に亡くなっていた現実を突然知らされても、人の心はそんな簡単に受け入れて整理できないだろうということを感じさせてくれた。ずっと最後の最後まで整理しきれてない心情を感じたのである。


てか、加藤先生の演じ分けが凄かった。采女は何処からどうみても若くて美しい女性だったのに、隅田川では、完全に我が子を失ったお母さんなんだもの。そこがあっぱれでしたよ👏

あと子方の響平くん、2年振りに拝見したのでその成長っぷりに驚いた。すっかり落ち着いて役者の顔になっておった。子供の成長は早いと改めて思う。

そして隅田川は子方の振る舞い方で、亡霊か幻か、見え方変わってくるんだなと思った。もっと幼い子を使うケースもあるけれど、これくらいの年齢の子が演目としては適齢期なんだろうな。



第27回 加藤眞悟 明之會 感想⬇️
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