「こ、殺さないで
…!!」
正直にここは謝ろう!それしかない!!ーーーそう思った。
畜生、なんで俺がこんな目に
…。
ちょっとあの女に嫌がらせをしようとしただけなのに
…。
バルバロスはじっと男を見つめ
「ちゃんと返せよ」
と小さく言った。
「で、どこにあるんだ?」
その問いに男は答えることが出来なかった。
なぜならーーー
彼は昼から酒を飲み、酔っていたので、
どこに捨ててきたのかも全く覚えていないのだ
…。
…速攻でさっき言った嘘がばれた。
「俺が死ねば絶対にわからなくなるぞ?」
…なんて口走ってしまったことを後悔する。
もっとマシな嘘をつけばよかった。
これでは間違いなく殺されてしまう。
そのまま黙りこんだ男に、事情を察したバルバロスは呆れた顔をして言った。
「しゃーねぇな
…じゃあ俺がパッと見つけてくるわ」
黒い影が揺れた瞬間男は安堵の表情を浮かべた。
早く立ち去ってくれ
…頼む!
そう叫びそうになるのを必死で耐えていた矢先
…
「あ
…そういえば」
とバルバロスはふいに声を出して影に入るのをやめた。
「
…むぐ!!」
男は叫びそうになるのを必死で堪えた。
「でも今日は、なんかわかんねーけど盛り上がってんだよなぁ
…
知らねえ顔の魔術師もいたし、人が多いと動きにくい。
今日は何があるってんだ?お前知ってるか?」
助かった!と思った瞬間、地獄に引き戻されて男は絶望していた。
だが、今はこの〈煉獄〉バルバロスの機嫌を取ることが最優先だ!
そう!自分の命がかかっている!!
「ふふふ、お前でも知らないことがあるんだな
…いいだろう教えてや
…」
「おい、おまえ殺すぞ」
「ひいいいいいい!ご、ごめんなさいいいいいい!」
バルバロスは深くため息をつく。
「で、なんだって?」
そう聞かれて、男は震えながら答えた。
「何故かは知らないが、魔術師たちがキュアノエイデスに集結しているらしい
…」
「へえ、なにかパーティでもするのか?」
バルバロスは不思議そうに言った。
ーーーそして少し考え込んだ後ニヤリと笑う。
「そうか、へぇ
…じゃあ
…その魔術師たちにも協力してもらうか」
バルバロスは小さくつぶやいた。
「
……シャスティルのきっと大事なもんだしな
…はやく見つけてやらねぇと」
そう言い残してバルバロスは影の中にドプンと消えた。
男は恐怖に耐えきれず、その場で悲鳴をあげるだけだった。
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