保科
2026-06-16 15:23:29
9355文字
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(新)ニュー超かぐツイまとめ_1

何一つ上手には描けなくて……

※Twitterに投稿したツリーとかのまとめです
これが最新です

5/31〜

「彩葉ー、醤油ってストックある?」
「その棚下になければかぐやが買い足さない限りはないね」
「おけおけ。じゃあ後で買っとこーっと」
「あ、ついでにモンエナの緑が安かったらお願い」
「やだ」
「やだって」
「翁ちゃんてばもうモンエナ飲んだでしょ」
「昨日飲んだけど昨日じゃん。てか翁ちゃん何?」
「かわい〜彩葉のキュートあだなに決まっとろうがい、……え~と後コチュジャンもで……
「価値観の相違があるな。……かぐやさぁ」
「ん?」
「なんか私の扱い、全体的に雑になったね」
……、たのしそーに文句を言われる場合、かぐやはどうしたらいいの?」
「喜びなよ」
「喜べるかい」
「嬉しくない?」
……彩葉が嬉しけりゃかぐやは何だってうれしーですけどぉ!?」
「だよね。知ってた」
「あー、うわ、意地悪だったかこれ。後でヤチヨにいいつけよ」
「かぐや、ねー、モンエナ緑〜」
「だーめー」
「ちぇ」
「てかさ、ソファーで寝ないでちゃんと布団で寝てよね?」
……はーぁ、おかん姫だ……
「なにおう!」

ーーーーーーー

FUSHI、8000年を経たクールなヤチヨ専用サポートAIだけどそれはそれとして元ペットかつマスコットのプロな為甘えや媚びに対して躊躇いがないといいし、普段のマスコット的な振る舞いも恥じ入ることなくやっていてほしい でも彩葉に「堂に入ってて可愛いよね」と褒められると、何故か眉間にシワが寄る

ーーーーーーー

彩葉がつま先立ちでもギリ届かない棚上の缶入れを、いつの間にか隣に立っていたかぐやが背伸びしながらヒョイと取ると「これ?」と首を傾げるので、呆気にとられながら受けとろうとしてふと落とした視線の先の足元、靴下を履いた自分より裸足の彼女のほうが、もう大きいんだな、と言う事実にうっかり伸ばした手がそのまま正面の頭に行ってしまい、
―――
突然撫でられたのにぽかんと目を丸くするかぐやと目が合ったままじわじわ羞恥が込み上げてきて、
……あ、えと、――」と手を離そうとした所、
「ん!」とぐいぐいかぐやが頭をこすりつけて来るので
……何、ちょっと、犬?」
「かぐやわん!」
「あんたどちらかと言えば兎じゃん……
と、押し付けられる頭から手を離せないまま苦笑した彩葉が、大きくなったね、と口にする代わりに「……よくできました」と一言、そのまま撫でてくれるのでかぐやさんご満悦の回
(「わん!」
……。それやめな?」
「んぇ、なんで?」
……何か、よろしくない……
「?」)

ーーーーーーー

彩葉はかぐや不在の間チャンネル継続の為にやってた弾き語りのアーカイブを全部削除できてると思ってるけど別に管理者権限持ちに通用するわけないので、10年後、なんでもない時にかぐやが暇さえあれば愛用してるオンボロMP3プレイヤーの中身が全部自分の弾き語りの音声のみだと気づいて頭抱えて欲しい

「Spotifyでかぐやの曲毎月1000回聴いてる彩葉と何が違うの〜〜!!かーえーしーてーよー!てかオタクが転載上げてるのはとうにミリオン超えてるし!ヤチヨも意図的にスルーしてるから運営のお気に入りってタグ付いてるし!」
「出てくる情報全部最悪なんだけど!後何で私の履歴知ってんのあんた!?」






弾き語り概念セルフRTなんですけどこれ好きで、自分がかぐやにあげた曲を、かぐやが楽しそうに歌ってた曲を大事に大事に弾き語る彩葉がずっと穏やかな顔で笑ってるからも〜なんも堪えられんでヤッチョずびずび泣いてて欲しい なんか突発のミラー配信とか始めてて欲しい 管理者が!?!?


「という感じでねー、内輪向けだからまあ適当な話に……えっ?あっ」
『>?』
『>どうしたyachi8000』
『>かぐいろch動いてるな』
『>あー!かぐいろ!?』
『>鳩行為やめろや』
『>いいんだよこのサブchは概要欄に「いろPに関するあらゆる鳩行為歓迎」って書いてあるから』
『>異常やんけ』
『>引き返すやつ?』
「え、ちょ聞いてなっ……神々!神々コラ!ぼーっとしないで早くかぐいろchつけて!」
『>二窓推奨て』
『>草』
『>呼び捨てやがってよォ……
「というかもうヤッチョの配信とかいいから!どうせ明日もやるもん!でもいろPは一期一会……いろPキーボードぉ!?」
『>うるさ!』
『>耳ないなった』
『>テンション上がりすぎw』
「わー!」
『>俺ら的にはヤチヨも一期一会なんだが』
「えーいと嬉しありがと〜!もー本当に雨アラなんだけどえ待って瞬間シンフォニー!?!!はぇ!?」
『>うわ〜懐かし!』
『>かぐやの曲だ』
『>雑に処理された?』
『>そんなヤッチョも好き……♡』
「え、ヤッチョのこと好き?ヤッチョもすき〜!」
『>これどっちの話してる?』
『>雑すぎワロタ』
『>てかいろPヤチヨのオタクなのにここと重ねて配信やるの?』
「え?いろP?いろPにはここ教えてないよ〜。こんな掃き溜め見せたらメッだよ。htmlに仕込んだアングラミーム解読した残念な神々の皆との約束だよ〜」
『>いろP解けてないのか……
『>その方がいいだろ』
『>そりゃそう』

ーーーーーーーー

髪型チェンジかぐやちゃん

「えーーーー彩葉どれ好き?どのかぐやちゃんが一番すっき?」
「ちょんまげ」
「100万歩譲ってマジでそうだとしてもせめてかぐやの目を見て答えろやいこのこのォ」
「だ〜うっとおしい!芦花にでも聞いてなよあの子プロなんだから!」
「芦花にも聞くけど今は彩葉に聞いてんの!ほら!ポニテはどーよ?」
……、そりゃあ、似合ってる、けど」
「本当!?つまり彩葉もメロメロかぁ〜〜」
…………
「?いろ――あっぃだぁい!もう!ねー、なんでヘアゴム取るのさぁ!ねえ〜」
……そっちのがいい」
……
……
――いろは、いつものかぐやの事、けっこー好きだよね」
……言ってろし」
「ひひ、言ってる〜」

ーーーーーー

かぐいろchの動画を共用ユーザで何となく確認してた大学生位の彩葉、スクロールバーを下げきった所にわざと古い日付で置かれてる非公開の動画見つけて、なんだろうこれと確認したら『――あーあー。この置き土産は、彩葉が気付かないならそれでいいし。てか見つけないほうが――だから自己満足だけど。……でも見つけてくれたら、きっと嬉しいから』という引っ越し後の彼女の部屋を背景にしたあやふやな独白の後、首から下しか映らないかぐやが身を乗り出して何か操作したPCから直接流れてるインストに重ねて『雲と幽霊』を歌う声が流れてくるので、瞬きも忘れて呆然と聴き入る彩葉とか、そういうの欲しいなの回

『♪――幽霊になった僕は、明日遠くの君を見に行くんだ』
―――
『♪――その後はどうしよう?……きっとキミには言えない。……ふふ』







「言゛っ゛て゛よ゛💢💢💢💢💢」
「ふぇ、彩葉!?急に何々どーし……いや本当に何!ちょ、さしものヤッチョもわからんパサランなのですが!?」
「チャンネル!未投稿!置き土産!」
……………………あー、見つかったぁ……
……人の心に傷を残す置き土産とは、ええセンスしてはりますなぁ、ヤチヨさん」
「あ、あはは〜?いやでもさ」
「反論?」
……ごめんなさい」
「ッハーーー……
「あっ肩パン、肩パン痛くないけど心が痛いよ、彩葉、彩葉〜。い、一発撮りだから聞き苦しかったかなー……
「そこじゃない」
……うん、知ってるー……




雲と幽霊を歌うかぐやのことを考えてメソ……としてたからメソ……と投稿したらジワと伸びてた 月に帰った後もしいつか、彩葉に見えずともそのそばにひとときいられることがあったなら、そうしたら――そうしたら、彩葉はもうだいじょうぶなんだってかぐやを安心させてね、みたいな歌をさ、内緒だよって

ーーーーーーーー

『ヤッチョも楽しく泳ぎた〜い!現実で!』
「ツクヨミでなく!?ご、ごめんもーちょい待ってもらって」
「やだーー!!」
『なんで急にそんなワガママ!?』と揉めたヤチヨと彩葉、折衷案で防水スマホ内のヤチヨをネックストラップで下げた彩葉がプールに行く事になり、散々指示のままに泳がされた彩葉がプールサイドで撃沈しながら、
……ヤチヨさぁ、これ、私に無理やり余暇を過ごさせたいがためにやってたりする……?」
『彩葉、もっかい流れるプール行こ!無力なまま遠くまで流されたい!』
「8000年が変な性癖を植え付けてるし……」ってやってる、職員からヤチヨに依頼された彩葉の有給消化を兼ねたデート回


「てか私だけ水着なのズルくない……?いつの間にかツクヨミから通販で届いてたし」
『彩葉似合ってるよ〜!ふっふっふ、ヤッチョの目に狂いなしっ。自分の才能が恐ろしいね……
「でも、ちょっと年甲斐無いデザインの気もするけど」
『え?どうして?こんな可愛いのに?』
……さよすか」
『なんで沈むの?』



『ちなみに気分だけだけどヤッチョも水着だよ〜』
「え!?そうなん!?!?」
『声おっきいよ彩葉怖いよ』
「でも衣裳普段と1ミリも変わってなくない?断言できる」
『この下に着てるので?』
「1時間目がプールの授業の日の小学生?脱いでよ」
『やだ〜セクハラ〜』
……。後で絶対脱がす……
『セクハラ!?』

ーーーーーーー

「ヤチヨ、本当に何でもいいの……?」
……うん。彩葉のお願いなら、何でも。――ふふ。私に、貴女は何を望むの?」
――そんなの」

……違う」
「え?何でもいいよって言ってくれたのヤチヨじゃん」
「『ミニヤッチョを抱っこしてヤチヨのアーカイブを見ながら寛ぎたい』は、絶対、ちがぁーうッ!」
「何が不満なんだ……
「全部!」
「いや確かに独りよがりなのは認めるけど……今したかったのこれだから」
「彩葉のロリコン」
「最適解!サイズ的に最適解なのこれが!やめろ風評被害!」
「うー……もっとぎゅっとして……
……。はい」
「手握って!」
「ヤチヨのお願い叶える会になっちゃったよ……いいけど……

……ちっちゃくなって欲しい、って言われた時は、わぁ、彩葉随分マニアック〜って思ったのに、ねぇ……
……ん、なんか言った?てかこのヤチヨの切り返し最高じゃん?あー見逃したの観れてよかったぁ〜」
「ん゛!」
「ちょ、ヤチヨ、今痛覚ないからいいけど有りでこれされたらみぞおち抉られて死ぬって」

ーーーーーーーー

「っと。かぐや、お待たせ――
……彩葉ってさぁ〜。かぐやがやると叱るけど足でドア閉めるよね」
――、見なかった事に」
「しない!てかずーーっと思ってたけどチグハグ!ご飯の時はマナー?とかめっちゃ真面目な癖に、床でお菓子食べたり、整理整頓しっかりしてるのに帰ってくるなり鞄投げたりとか!」
「うっわ、全部言うじゃん何でそんな見てんの……
「かぐやのかわゆ〜いふたつのまなこは彩葉のこと余すことなく見てますもんでね〜?」
「姑かい。やなやつ」
「ういやつって言ってよ〜ん。ねえ、なんでそんなへんてこなの?彩葉、全部きっちりやりそうなのに」
「いや正直無意識、だけど、……
……彩葉?」
「うん、……見られてるかどうかかなぁ」
……誰に?」
――お母さんに。染み付いてるんだよね、多分。外とか、食事中とか、……『かもしれない場所』だと、気が抜けないから。……自分の空間だと、気が緩んでるんだと、思う」
……そうなんだ。彩葉」
「ん?」
「偉いね」
「これは偉いというか、良識の範疇でしょ……撫でないでいいよ」
「ふーん、でもそっかあ」
……なんで嬉しそうなの?」
「ううん?なのに、かぐやの前だと雑なんだなぁ〜って」
「それは、……だって、私の家じゃん、ここは」
「寛ぐかぐやが見てるリビングですけども〜?」
……あんた相手に礼儀正しくしたって骨折り損だし」
「んふ〜♪」
……
「あー!蹴った!足で!」

ーーーーーーーー

『>いろPってヤチヨのリアコ?』とコメントで問われ、ぶうたれるかぐやの隣でキツネの着ぐるみが「いやヤチヨに恋愛感情だのおこがましすぎるでしょ、推しに対する愛ですよこれは」としれっと回答している『いろPヤチヨ言及切り抜き』の鑑賞会をしていた大学位の彩葉、懐かし〜と浸っていた所、コメ欄で『>今もそうなの?』と再度問われて「―――」としばし黙り込んだ後、「まあ、今は流石にらリアコかな……。変わらず推しに対する愛もあるけど、――実際恋しちゃってるし……」とボヤいた後コメ欄の騒ぎに口に出てたことに気づき、
「え、あ、待ってごめんこれアーカイブ消すわヤチヨにバレたら終わる」
『>今更手遅れでは?』
『>え!?今の公開告白!?』
『>ヤチヨも察してるだろ流石に笑』
『>俺もいろPのライバルか……
『>おこがましいやついて草』
「いやっ、だって口で伝えるならこんなしょうもないのじゃなくて、色々……っああダメだ失言しかない!消す!切り抜き禁止!」ってなるドタバタ回



「彩葉、配信お疲れ様〜っ」
「どーもね、ヤチヨもお疲れ。……中身、見てた?」
「うーん?何かあった?」
――ううん、見てないならいいの。ちょっとトラブったんでアーカイブ消すけど、気にしないで」
「そっかー。ねえ、彩葉」
「何?」
「『しょうもない』でないの、期待してるね?」
――見てんじゃん!」
「そりゃあまあいろPの配信見逃すヤチヨではございませんので」
「あ〜〜最悪、今すぐ忘れて本当に」
「もう、そんな風に言わないでよ……。嬉しかったのに、彩葉の口から聞けて」
……ちゃんと」
「ん?」
「ちゃんと、場を設けて伝えたいから、今だけ忘れて。……お願い、ヤチヨ」
……厳しいこというねぇ?」


ーーーーーーーー

「あんた、なんで」
――彩葉の願うハッピーエンドには、辿り着けないんだ。『かぐや』は。決まってるの」
リスポーンして。乱暴に胸ぐらをつかむ彩葉の怒鳴り声を、私は半ば夢心地で聞いていた。恨んでいいよ、憎んでいいよ、でもね。彼女を月に返さなきゃ、私は貴女に出会えないの。
ごめんね、なんて。まろびでた上っ面の謝罪に、糸が切れたように泣き崩れた彼女は、大幅な感情値の乱れを検知したシステムによって強制ログアウトした。胸元の元より存在しない熱が、圧が、空洞のように消え失せて。
――あー、キッツいなぁ」
8000年かけて、貴女を不幸にしにきましたなんて。そんな冗談、笑えないのに、笑うしかないから。口元が歪む。『かぐや』と彩葉が出会って、別れて、私が識る御伽噺はこれでめでたしだ。その為の8000年、その為の今が過ぎたなら――さあ、大罪人はこれからどうしよう。足音がする。先頭、こちらを剣呑に睨みつける帝の視線は、私の所業を知っている。
「ヤチヨ、お前」
「話すことはないよ、ごめんね」
目も見ずに指を振り、私も天守閣に戻る。しんと静まり返った空間で、馴染んだメロディーを口ずさむ。憧れた物語歩こうとして。何一つ上手には描けなくて。――涙する資格は、私にはない。
窓枠に手をかけ、空を見る。偽物の月に手を振った。
――いってらっしゃい、かぐや。バッドエンドで待ってるよ。


ーーーーーーー

彩葉、ツクヨミで撮影のスタイリストさんとかにうぃご服整えてもらった後鏡見ながら、まあいい感じだけど……いいのかこれ、私似合ってんのか?ってずっと首捻っててほしいし、
「いや彩葉可愛いって!不思議がる所どこもないから!」
「ね〜もう本当に無自覚!彩葉ってハラハラさせられちゃうのです」
ってやいのやいのかぐヤチの2人に褒めそやされて、あ、そう、そうか、二人が言うならいい感じなんだコレ……ふぅん……ってちょっと口元にまつかせながらシャツの裾つまんだり落ち着きなくいて欲しいし、
……その、確認だけど、さ。つまり――2人から見ても、似合ってるって事、だよね」とかちょっと甘えて2人ノックアウトして欲しい

ーーーーーー

外に出た喜びではしゃぎすぎたかぐやがうっかり足をぐねってしまい、
……ぐねりましたねこれは」
「は?捻ったってこと?変なステップ踏みながら歩くからだよ」
「うー……不甲斐なし。かぐやのことは捨て置けい!」
「武士か。てかこんな道端に放置できるか。……かぐやくらい、私でも運べるよ」
と口にして、んぇ、と目を丸くするかぐやが最近ドラマで見たロマンチックな横抱きを思い浮かべつつドキドキしてると、よいしょ、とファイアーマンズキャリーで肩に担ぐと「じゃあ帰るよ」と歩き出すので、
「違う違うなんか違うこれかぐやの思ってたのと違う!」
「暴れないでよ、落とすよ」
「慈悲!!!」とかやってた




―――のに非常に納得がいってないんだよかぐやはぁ!」
「はー……人命救助に十年後しにケチつけるか」
「という訳で!かぐやが彩葉にお手本を見せましょう」
……。ファイヤーマンズキャリーの?」
「んなわけあるかァーーーーっ!」
「さけびながらほっぺたつつくな鬱陶しい。……てか別に、手本とか、見せなくても……
「ん、あー、違うよ?お姫様抱っこする相手は彩葉だよ?彩葉の前で他の誰かにするわけないじゃん、かぐやに得がないし」
「あ、手本ってそういう事か。なら……いや、なら何?要らないわよ別に」
「はい言質取ったー!」
「取ってない取っ、ひゃあ!?」
「あ、かわいい悲鳴。うん!やっぱり彩葉は軽いな〜ちゃんとご飯食べてる?いや知ってるけど」
…………そりゃ」
「ん?」
「そう、思ってもらえる、筋力に、したし……
…………
…………
……。かぐやにお姫様抱っこしてほしかったの?」
「いや、その、あくまで可能性として検討の際の条件の一部で」
「実現したねえ、早々に」
……ソーデスネ」
「彩葉、目ェ合わないね?ねーねーねーなーんでぇ?」
「知らんッ……!」

ーーーーーー

「彩葉、今日のライブも来てくれてたね……
『そうだな。あんなに感動してもらって、よかったじゃないか。練習した甲斐があったな、ヤチヨ!』
天守閣にて。ふすふす、私と同じく彩葉が居てくれたことにご機嫌なFUSHIがおだてるのに、私はしかして深々とため息をつく――
……足りない」
『何がだ?』
「ぜーんぜん、彩葉にしてあげられること、たりなーーーい!」
ばんばん!と床を叩く私に、FUSHIはまたこれか、と言わんばかりの顔でため息をつく。『またこれか』てか言った!
『月見ヤチヨは管理人。ライバーもユーザーも等しく、深入りしない――これは一番最初の決め事だろ?』
「でもでもでもでも!」
ずい、とヤチヨ宛の――正確にはAIヤチヨお悩み相談bot宛の――チャットのログをFUSHIに突きつける。そこには、彩葉から送られた、日々のハードを越える鬼ワークをこなし、仮眠とも呼べない睡眠時間を削ってまでヤチヨに囁かれる感謝と愚痴が並べ立てられている。読んでいるだけで泣けてくる。
「こんな悲壮感の塊を見て、無視なんてできる!?」
……、まあ、普通は出来ないな』
―――」否定ばかりだったFUSHIに突然肯定されて、なんだか梯子を外された心地で瞬いた。勢いを削がれた私に、FUSHIは淡々と語り掛ける。
『でも、ボクらは普通じゃない。分かってるだろ』
……月見ヤチヨは管理人……
『自覚があるようで何よりだ』
――自覚がなくてこんな仕事やってられない。ふてくされたまま床に倒れ込む。
……『今がチャンス!ここをクリックするだけで100万ふじゅ〜』って送ったら、貰ってくれないかなぁ?」
『そこで開くことなく削除一択、迷惑メール振り分けまでする彩葉が、お前は好きなんだろ』
――冷静なコメントはその通りで、そうなんだよなぁ、と沈黙する。同世代の誰より過酷な環境で、誰の支援も受け付けない、孤高の優等生。その仮面が宇宙人に剥がされる日は、まだ遠い。
……FUSHI、今日もヤチヨは無力なのです……
『バカを言え、管理人のクセに』
8000年生きたって、世界を作れたって。世界インフラの一部を担ったって、誰もが知る有名AIアイドルになったって――まだ何も知らない彩葉の前では、結局ただのウミウシだ。貴女を想って愛想を振りまくことしかできない。ため息をつく。
……ねえ、FUSHI、彩葉、家に服百着位届いたら貰って――
『即座に返送一択だな』……ため息をつく。


ーーーーーー

……彩葉へ、やっぱり何かしてあげたい!」
『神々の皆に、な』
「そう!」
ナイス翻訳!と指をさされたFUSHIが、やれやれと無い肩をすくめる。ヤッチョの指さしファンサになんたる無関心。
「ライバー『月見ヤチヨ』として、もっと……こう……彩葉がメロつくような……FUSHI、アイデアある?」
……ボク頼りか』
愚痴をたれつつも、むぅ、と考えてくれるFUSHIは変わらず忠犬――忠ウミウシだ。
『握手会は、今も定期的に実施してるよな』
「うん。神々の皆に人気ですから」
『ライブもゲリラ含め満員御礼、――チケット抽選の当選率はほどほど』
「ひ……贔屓しすぎるのも……彩葉の模試とか用事が近い日は外れるように……
ごにょごにょ、後ろめたさに唸る私を横目に、FUSHIが目を細めてムムム、とうなる。
『個別のファンサも、全体向けのファンサもしっかりこなしてる。定期の配信でコミュニケーションも取ってるし……これ以上何かあるか?』
「あるよ〜!例えば――フリーハグ?どう?」
……ヤチヨがいいならいいが……
より積極的な交流、として思いついたのはそれだった。少し前、街角でよく見た光景。
『でもヤチヨ』
「ん?」
『そんなことして、彩葉、大丈夫か?』
何を聞かれているのか、と、私は思わず瞬いて――考える。フリーハグ、もしハグできた彩葉はきっと舞い上がって、より私の推し活に熱心になることだろう。熱心になって睡眠時間が削れて貯金が削れてふらふらバタン、
――だいじょばない!」
『お、おう……
ど、どうしよう。私が彩葉のためになる何かをすると――彩葉を追い詰めてしまう!「これがヤッチョのジレンマ……!?」
『刺さるほど近くないだろう。……まあ、今まで通りがいいんじゃないか』
……そう?」
『そう』
FUSHIがふんふん、と頷くのを、そうかなぁ、と繰り返しながら眺めて――
――でも、やっぱり、彩葉に何かしてあげたいよ……
『もう一人でやってろ』
べし、と額を小突かれた。呻く。喜ばせること一つままならないヤッチョのジレンマは、ずっと続くのだろう。――はぁ。また一つ、幸せが逃げていく。