うちよそプレゼント交換
この投稿は「ローグライクハーフ Advent Calendar 2025」への参加記事です
「た~いへん! みんな集合!」
ある朝、カサブランカの一声により農協一同は集結した。
農協:パーティ名
「なんだ、こんな朝早くに」
あからさまに不機嫌なキースをよそに、カサブランカは続ける。
「あのリエンス家の
……えっと冬のお茶会? なにかしら、要するにパーティー? にご招待されちゃったわ!」
アランツァにおけるクリスマス的なものが不明であるため、ぼんやりと濁しております
「ご招待
……カサブランカさんがですか?」
「全員よ!」
その言葉に目を丸くするアシュレイ。
「えっ
……え? 全員って、え? 私もですか!?」
「リエンス家
……ああ、あの例のロング・ナリクの名家だな。
……それがまたなんでうちを?」
首を捻るキース。
「前に依頼を受けたことがあるの。そこの旦那様がまた立派な御仁でね? きっとアタシ達のことを覚えててくれたんだわ」
そうに違いない、と一人うんうん頷くカサブランカ。
カサブランカによる「リエンス家と大晦日の厄」リプレイ
「え、ええと
……実は私も、オレガノさんと少しお使いに行ったことがありまして。ね、オレガノさん」
「はい。仕事でしたので」
眉一つ動かさず頷くオレガノ。
「リエンス家と大晦日の厄」出目11をオレガノで通過済みです
「その件なら私も覚えているわ。オレガノとアシュレイがお世話になったんなら、無下にはできないわよね?」
微笑むアニス。
「俺はあんまり関係ない気がするけど」
なんでもない顔でそう呟くネイト。
「う~ん、お呼ばれするからにはやっぱり手土産が必要よね~。なにがいいのかしら?」
「と言っても、予算はあまり
……でもあれだけ立派なお屋敷にお邪魔するんなら、それなりのものでないと
……? うう~ん
……」
アシュレイが両頬を手のひらで抱えながら唸っている。ものすごく悩んでいるようだ。頭から湯気でも出てきそうである。
彼らが住む共同住宅「一夜荘」はぼろで有名だ。当然お家賃も高くはない。そこから彼らのお財布事情も察せられるというものである。
「あら。そんなに悩むことはないわ。こういうものは気持ちが大事よ」
しかしアニスはさらりと言う。
「まあ、ない予算はどこを探してもないからな。あるものでなんとかするしかあるまい」
キースも
……いや、彼はまだ若干眠そうにしている。
ふとネイトが言った。
「つまり集まって食事をするってことだよね?」
「そうね?」
「じゃあなにか食べるものでも用意したら? 俺はここで食べるものって結構好きなんだけど」
「ああ!」
カサブランカがぽんと手を叩き、そのまま人差し指を立てる。
「それでいきましょう。そうね
……今は芽キャベツが旬よッ!」
そう宣言して、彼女の瞳がキランと輝いた。
「そうですね、寒いですし、グラタンにするのはどうでしょう? 今年うちで初めて作ったチーズもありますし
……」
「それよ!」
カサブランカの瞳が再び煌めく。
彼ら「農協」は、そのパーティ名は体を表すとでも言うべきか、冒険者向けの依頼を受ける傍ら、普段は畑を耕したり、家畜の世話をしたりしている変わった集団である。どちらかと言うと後者が本業かもしれない。
つまり、自家製の野菜とチーズのグラタンが贈り物のメインとなるらしい。
「あらあら、素敵な計画が始まったみたいね。オレガノ、貴女も手を貸してあげて?」
「かしこまりました」
その様子を見てくすりと笑みを溢すアニスと、静かに控えているオレガノ。
「パンも焼きましょうね。温かいうちにお届けできるといいんですけど
……えへ。楽しみになってきました」
「そうね! アタシもアシュレイのドレスを選ぶのが楽しみだわ~ッ」
「え!? ドレスですか!?」
東洋 夏さん宅、ノックス・オ・リエンス様へ
グラタンもパンも冷めてしまいそうなものですが、
アニスの魔法やらで温かいままお届けできたということでひとつ
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