2026-05-06 21:26:57
1640文字
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どうしようもない猫が嘘をついた 感想

恵比寿エコー劇場で上演していた「どうしようもない猫が嘘をついた」の感想です。


どうしようもない猫が嘘をついた。
5.3ソワレ 感想


ノリで行ってきた!

まず劇場入って、セットのシンプルだけどきっと機能的で、たくさん物語を展開させるんだろうとワクワクさせる造り、好き。
実際、マジックミラー的な造りと、あの部屋の内側と外側で起きていることを同時多発的に見せるのにすごく効果的で面白かった!

脚本は、これ誰が誰の味方なんだ??とわからない中で推理しながら観るのが楽しい作りで、サスペンスものの醍醐味を楽しめる。
白木を始めとする途中で「不確定要素」として排除された面々が公安警察として戻ってくる&青山すらそれを把握していない、というオチは予想外で膝を打った。
終盤にあるNYAAと青山のシーンで、ほぼすべての人の行動動機は説明されていたし、物語全体としてどこかが破綻していたわけではないんだけど、個人的には、なんか謎解きと推理のその先で最後に観客に見せたい景色がちょっと弱いような気もしたかも……
いや、「俺は、はるだ!」と「太一」という嘘ではない自分にたどり着くというのはすごくわかるんだけど、それは推理の結末のように見えて。あれは騙されずに「自分を信じる」というところに辿り着いたことの象徴で、物語もそういうところにメッセージ性があるのか
フライヤーのあらすじにあるように「虚偽がリアルに存在してしまうこの世界」というのは、あの物語の世界だけでなく、本当にこの世界を指していて、その中で「自分」を持つ、というのは確かに強いメッセージかも。そういうお話として受け止めていいのかな。ってかもしかしてNYAAも嘘!?一回しか観てないので自信ないよ〜

それとも、「未明」というか、まさにここで自我を取り戻したあとのことは、まだこれからという余韻の部分を味わう物語なのかもしれないな……
私はつい、すぐ、わかりやすい結末というかメッセージ性を求めてしまうところがあるから、そうではなくて、この欺き合いの先に、何を見る?という問いかけと余韻、というエンディングなのかもしれないな……

あと、お互いがお互いのことを「ねずみ」だと下に見ている「猫」だから「どうしようもない猫が嘘をついた」、ということで合ってますか!?


「虚偽がリアルに成立してしまう」で言うと、個人的には客席いじりの時間というか、インスタで募集しているラジオの時間が好きだった。
単なるファンサービスのシーン?なんだこれ?と思うままに客席の一員として巻き込まれていると、シーン終わりに「ほら、こんな風に簡単に気分は変わるでしょ」と示されるあの感じ!
わ!騙された!的な、こうやって「虚偽がリアルに成立してしまう」=記憶や、誰を信じるべきかの状況を成り立たせるのか!という納得がすごかった。


お芝居はどの役者さんも良かった〜!
個人的には、とまんさん演じる釈迦堂がたまらなく好きだった。
あの食えない感じ、あのお声がいい。
宗教家って、まさに「声」が大事だと思うんですよ。カリスマであり、人を信じさせるだけの温もりと、特別な人間たらしめる聖性とが同居する声。
冷静さを失わなず、肝の座ったあの地を這うような宗教家の声、そして台詞回し。
素晴らしかった〜〜!


植田さんのポストきっかけで観に来て、植田さんのお芝居は相変わらず好きだ〜と思った。
弱いけど強い、みたいな、そういうのがお上手なイメージがあって、その期待を裏切らなかった。言いなりになっていたけど、最後の最後でプルプル震えるように、でも、どうにか立ち上がって、反旗を翻す。
壊れそうで、でも壊れる前にどうにか……という儚さと強さの二律背反を同居させたら一級品。
あとは、ひと懐っこいキャラクターがすごく良くて、序盤のあの人懐っこさがあるから後半の立ち回りが理解できる。


とか、偉そうなこと書いたけどわたしはまぁただの素人なので。

ゴールデンウィークの観劇、良い時間を過ごせました!!