喧嘩? お迎え クルザス散歩

pixivより。繋がっている2作品をまとめました。ゆるうちよそ。
家族喧嘩で家出した子をお迎えに行って、イシュガルドでごはんを食べたりするはなし。

妖精の夢からの迎え.

何が、では宜しくお願いね! だと言うのか。だいたい、あのおつむまでお花畑な男共も大概にしろと思う。翁は呑気に弁当を手渡してくる辺りが本当に度し難い。その頭の上のお飾りをいつかは結んでやるからな。雛の方は気まずそうにするのならば寛容でいるがいい、一層清々しいほど見苦しい。相手は女の子だぞ。そう、女の子だ。小柄な女の子が、独りで、クルザスの吹雪に晒されるなど。
爪を噛んでしまう。それに気付いて舌打ちが出る。瑣末なことだ。
あの子が寒い思いをするなど、そんなことがあってはならないから、ドラゴンヘッドのエーテライト広場から跳躍を試みる。下ではなく、上へ。高く跳べ。視認は難しくても、きっと分かるだろう。

一刻ばかり前、宿で眠気に襲われてみれば妖のモノが不吉なことを言う夢を見た。事のあらましは概ね方々から聞いた通り。妖のモノを信じるつもりも義理も鱗一片無いのだが、だいたい間違っていないものだから不吉でしかない。では宜しくお願いね! なんて宙返りで消えるな。あの子が霜げてたまるか。
ひとまずお花畑にあるお花畑の家でさわりを切り出せば、おつむふわふわ翁に弁当を渡された。理屈は何だ。
話になるものもならない気がして、宿にとって返して外套を2人分抱える。両方とも己の物だが、予備があったのが幸いか。別に必要とも感じないが、己にも備えが無ければ外套は受け取られないだろう。そこからキャンプ・ドラゴンヘッドへテレポ、今に至る。
跳んだ高度から見える、林檎の木の群生地。不自然過ぎる燐光に眉根が寄る。着地点が決まれば、後は定めて落ちるだけでいい。
赤紫の鬼火に向けて、先ず牽制の槍をと刮目。かくして低く唸る狼犬と探し人は、拍子抜けするほどあっさりと見付かったのだった。

己も羽織ってから、ぼすっと外套を被せてやる。綺麗な鱗が冷えて光って痛々しい。近い林檎の木に、半ばの八つ当たりで槍を投擲。枝から実が切り離され、落下して砕ける前にそれを受け止める。

「心配、した」
それに、柄でもないのにとても焦った。とても、怖かった。林檎は好物の筈、受け取って。
どうか泣きそうな顔をしないで。私、きちんと迎えに来たのだから。