2026-04-13 20:42:37
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源-minamoto-銀灰の時旅人 感想

源-minamoto-銀灰の時旅人 4月5日(日)ソワレ観劇メモ。

1回しか見ていないので、あっさりした感想です。

演出が良かった!舞台~~~~~~って感じで。
構想の順番がどうであれ、先に朗読劇を見ているので、「朗読劇」の枠組みでこちらの想像力が固定されているなか、「舞台」として蓋をあけると「舞台ならでは」の演出がたくさんで良かった。
派手なところでいうと、2.5次元舞台のようなプロジェクションマッピング的な演出で、ファンタジー歴史モノとしての「ファンタジー」の部分が効果的に表現されていた。
朗読劇の段階でも思ったよりもファンタジー部分の演出がしっかりしていたけど、今回はさらに規模がパワーアップ。
あと、ところどころで映画のような、役者の顔に寄った映像が入って、観客の「目」を映像で固定したのも面白かった。舞台って、観客が好きなところを好きなカットで見られて、映像のカット割りによる演出ができないところに面白みがあるんだけど、この映像はカット割りというかカメラワークありの映像を強制的に観客に見せて、それでその場面の「見せ方」を固定したのが面白かった。舞台だとあんまり細かく見れない(双眼鏡を使えば別として)役者の表情の芝居も楽しめるし、ファンタジーとしての視覚的面白さもあるし。

そういう最新技術系(?)の演出に加えて、たくさんのダンサーさんやアンサンブルさんが、あるときは群衆、あるときは蜂、あるときは風、とあらゆる形で舞台を彩り、観客の想像力を刺激していて、これこれこれ~~~!となりました。
それこそ、タイムスリップのきっかけであるダイブのシーンは、映像?プロジェクションマッピング?でファンタジー世界を背景に表現しながら、アンサンブルさんが役者を持ち上げて、まさに空中に浮いているところを表現する。
観客からは、黒子であるアンサンブルさんは見えているけど、でも、「見えない」ものとして扱う、この感じが舞台ならでは。
あと、セットもすごくたくさんぐるぐる動かしていて、単なる背景ではなく、あのぐるぐるを通じて、場所や時間、あるいは展開の速さを表現していて、こういうセットの使い方も、舞台の面白いところ。

映像、演出やセットの面白さに加えて、役者がま~~~~~~~~~~~殺陣をやる。
すごい殺陣だった。殺陣がないシーンの方が少ないんじゃないか。
そして、歌う。メインキャストはほぼみんな歌った?歌あり、殺陣あり、豪華~~!
ハッキリ言って、歌と殺陣って、ハンバーグとか寿司みたいな、割と大多数が大好きなもので、これをやっておくと満足度があがるものではあるので、心の中で「ずっとボーナスが入っている......」と思って観ていたw
殺陣、スピード感もあって観てて爽快だった。


これだけ派手な演出やセット、装置、歌、殺陣と「映え」なものが多い舞台でも脚本が貧しいとみてて悲しいんだけども、その点は前回に引き続き、ファンタジーと史実のバランス、幕末の人が平安末期にタイムスリップして来るという発想の突飛さ、一方で普遍的な友情やライバル心も描かれて、普通に面白かった。
ただ、私自身の信条として、一応、一回の公演とするからには、この公演で完結していてくれ、と思うところがあり、その観点からすると前作を観ていない人は、「頼朝ーーーーーーーーーー!!!」「清盛ーーーーーーーーー!!!!」という山場の最高すぎる大絶叫の見せ場(ここマジ大好き)があんまり理解できなかったんじゃ......?と思ったり。あんなに映像を使うなら、前回までのあらすじパートがあってもよかったのでは、の思いにはなりました。特に、主演陣のファンの方はおそらく前作を観ていない人が多そうなので、途中、そのへんが気になってしまった。
結末も、まぁタイムスリップから戻ってこれたのはいいとしても、いかにも「続く!」って感じで、結構大事な謎や回収されていない人間関係が多くて、「続いて欲しいし、続くテイで作ってくれたのは嬉しいけど、もうちょっとここで一応の『終わり』を見せてくれないか??」の気持ちにはなりました。まぁ、この「え?ここで終わり?」は割とあるあるというか、演劇という高いお金を取る割に、続くテイで作られているのはよくあることなので、単に私の趣味の問題かもしれん。



蒼井さんのファンなので、蒼井さんのことを書くと、いや~~~~~~~~美しかったですね~~~~~~~~!!!!!!(大声)
お着物のひらひらの動きまで計算に入れているかのような動きの華麗さ。
巴様、義仲とはある種の少女漫画をずっとやっているからこそ、「好きな男の前ではキュートでいたい」的な面があり、ラブコメ系少女漫画主人公的な良さがずっと出てた。
蒼井さんは、好きな男の前で可愛く(思われたい)の精神がある人だから、義仲との穏やかなシーンではずっと語尾に♡(はぁと)がついてて、ソーキュート!!!!!!
ってか、義仲とのシーン良すぎ!!!共闘シーンで口角あがりすぎてマスクから口角出たわ。本当に。自分、男女カップリングが大好きなんすよ......はい........たまらねぇっす......という気持ちでいっぱいになりました。
ま、だけど、軍を指揮する存在であることに違いはなく、前作以上に強かに、前作以上に「征夷大将軍」に向けて知略も含めて進化しており、そこに女性性が付与されているから、いわゆる「強く美しい女」といいますか、何を考えているのか読みきれない「魔女」のような妖しさを出していてとても良かった。
サロメのときも思ったんですが、蒼井さんは、中年女性をやるとかなりいい味がするので、恋する少女モード以上に、「キマっている」巴様のお芝居を観れるのが、とっても良かったです。

なお、話の筋でいうと、主人公チームが、平氏と源氏に分かれるのが良かった。今でも、たまに「源氏系の名字だから~」みたいなことを言うくらい、平安時代の話だけど、源氏系か平氏系かは時代を超えて考えることが出来る要素で、タイムスリップしてもなお、平氏か源氏かが効いてくるのが、なるほど~~~だから平安末期を舞台にしたのか!と納得できる部分だった。
かつ、「加護」というこの物語特有のファンタジー要素が決め手となって分かれていくことで、平安末期×幕末と「ファンタジー」の本作の特徴が綺麗に表れていて、すごくいい流れだった。



ということで、源、楽しかったです!



【以下、ちょっとだけ残念だった話。】

唯一、残念なことを言うとすれば、いや~~客席埋まってなかったな~~~。
今時、原作のない舞台で立ち上げたばかりの団体だとすれば、基本的に役者のファンが来るだけなので、その辺は各キャストのマネジメント担当が余程盛らない限りは、だいたいの集客はわかるだろうし、その辺は制作サイドの判断だから、演者のファンがどうこう言うことではないとわかりつつ、直前になって見送りを含む急ごしらえの施策だったり、演者が頑張ったりしなきゃいけない感じになっていたのは、演者のファンとして、ちょっとしんどかった。
ま、あと観劇体験として、キャパに対して人が少ないと会場に「熱気」がないんだよね。
なんとなく、肌で感じる「熱」のようなものって、わざわざ劇場に足を運ぶからには感じたくて、演者がどれだけ熱演しても、どうしても客席の熱が上がるまでに時間がかかっている印象になったのが残念だった。1010は大きいからね.......。
2月にも、同じ劇場で、舞台初挑戦の人が主演を務める舞台を観に来て、お芝居の精度では、源の方が良かった(と私は感じる)し、話の筋も源の方が面白かったと感じたんだけど、興行的にはかなり練ってて、ばっちり同じ劇場にお客さん埋まってて(団体としての歴も長いので、オリジナル作品でも団体にファンがついている)、「熱」を含めた「観劇体験」でいうと、甲乙つけがたい感じになる。
だからこそ、演者じゃなくて、制作の部分で、やっぱり埋まりが微妙なのはもったいなかったな~~~と。今後、続くかどうかは私の考えることではないから置いておくにしても、個人の観劇体験として「熱があがるまでに時間かかったな......」の気持ちになったのが、演技、演出が良かっただけにもったいなくて!
と、いうことで今回は、自分の「観劇体験」にとって「会場の熱」って、作品のクオリティとかと同じくらい大事なことなんだなぁ...というのを学びました。
何かを愛することは、己を知ること、とはよく言うけど、今回はそういう己を知ったかもしれないw