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憂依
2026-03-19 23:20:59
3418文字
Public
さのぱち
秘密の逢瀬(さのぱち)
春コミで出そうと思ってたさのぱちの前半部分
2人が生前恋仲で、山崎宿での別れ際に原田が密偵であることを永倉にばらしていた世界線の話です。
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「俺は、朝になったら一人でここを発つつもりだ」
突然の、宣言だった。
数名の部下と共に新選組を抜け、原田と永倉は江戸で出会った永倉の友人と共に靖兵隊を結成した。
けれど、江戸城の無血開城により江戸城は明け渡されることとなり、幕府側の組織である靖兵隊は江戸を脱出することとなった。
その道すがら、彼らは山崎宿で休息をとっていたところに、宿の一室。二人っきりの室内で、原田は突然、永倉にそんなことを言い出した。
「は?
……
どういう、ことだよ」
二人は男同士であり親友であったけれど、同時に恋仲でもあった。新選組にいた頃から、人目を盗んで逢瀬を重ねていた。今も、まさに褥を共にしようとしたところだというのに、彼は愛する相手の前からいなくなると告げたのだ。
「
……
お前には、何も言わずに出て行こうかとも思った。けど、俺は
……
、もう、これが最後かもしれねえから。だから」
「だから、どういうことだって聞いて
……
! むむう」
「でかい声出すな。他の奴らに聞こえるだろうが」
叫びかけた永倉の口を押さえて黙らせる。睨みつける彼の視線に気圧されることなく真っ向から受け止めると、原田は静かに衝撃の事実を語りだした。
「
……
これから話すのは、全部本当のことだ。驚くだろうが、黙って聞け。
……
俺は、幕府の密偵だ」
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