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roku
2026-03-14 06:09:00
1296文字
Public
松エジ
ホワイトデー【松エジ】
バレンタイン ↓ の続き
https://privatter.me/page/698e85bf09c63
沢北はホワイトデー目前にして頭を悩ませていた。なぜならバレンタインに松本からチョコレートを貰ったからだ。
元はといえば松本が自分も山ほど貰っているのに沢北のを見て山盛りだなとか言い出し、それに少し腹が立った沢北が勝負を持ちかけた。勝った方の言うことを聞く という条件付きで。最終的に同じ個数であったが松本が沢北へ渡したため、勝負は沢北の勝ちとなり〝お願い〟をした。松本はチョコレートをくれたうえ、いくら勝負とはいえお願いまで聞いてくれたのだ。ホワイトデーに何かを返さなくては対等ではない気がした。だけど今まで貰ったチョコレートにお返しを渡したことはなく、どうすればいいのかわからないのだ。
「だからってオレのとこ来てもお前の望む答えは〝あげない〟けど?」
「何か言い方が意味深なんすけど
…
」
〝あげれない〟ではなく〝あげない〟ということは知っているけど教えてくれないと言うことだ。
「そう?あ、でもひとつだけ。基本的にホワイトデーはバレンタインの3倍返しって言われてる」
「えぇ!?さ、3倍!?」
「松本に何貰ったかしんないけど3倍にして返しなよ」
一之倉は口元に柔らかく笑みを湛え、ビールをぐいっと煽った。
その後もしばらく沢北は酒を飲みながら一之倉と話をしたが、肝心の松本が欲しいものは最後まで教えてくれなかった。
3倍
…
3倍
…
3倍
……
一之倉と別れてから沢北の頭の中はそれでいっぱいだった。
チョコレートの金額もわからないし、その後の〝お願い〟に対しての3倍返しはどうすればいいのだろうか。
沢北は答えを出せないままホワイトデー当日を迎えてしまった。
◇◇◇
沢北の様子がおかしいことにはすぐ気がついた。いつもは真っ直ぐ松本の目を見て話す沢北だったが、今日は視線が合わさることがほとんどなく、会話もどこか噛み合っていない。
「沢北。何かあったか?」
「え
…
いや、別に
…
なんですか?」
「いつもと違うから」
「な、んも、違いませんけど?」
嘘をついているのは明白だったが松本は「それならいいが」とそれ以上問い詰めることはしなかった。
しばらくしてコーヒーを飲み干した沢北が徐ろに口を開いた。
「今日
…
ホワイトデーじゃないっすか」
「そうだな」
「お返し、何がいいかわかんなくて
…
」
見返りを求めていたわけではないが、沢北が何かをしようと考えてくれたことは素直に嬉しかった。
「別に何もいらねぇけどな」
「それじゃオレの気が済まないんで!だから考えたんすけど、お返しは〝オレ〟でいいですか?」
「
……………
」
あまりにストレートな言い方に思わず言葉を失った松本。そんな松本を見た沢北の顔がぶわっと赤く染まる。今にも水分が溢れてしまいそうな瞳を泳がせ「ごめんなさい!冗談です!」と慌てて否定した。
松本は伸ばした手で沢北の頬を伝った涙を拭い、指先で唇をかたちどった。
「一度口にしたことには最後まで責任持たねぇとな」
フッと笑みをこぼしたその唇が沢北のそれを奪い、ふたりの熱が混ざり合う。
「最高のお返しだな」
言うが早いか沢北の服を剥ぎ取り、自らも纏う衣服を脱ぎ捨てた。
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