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けーだい
2026-03-07 03:04:02
3629文字
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無垢な瞳
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そんな日があったことを、ふと、思い出した。
「リンクさん?」
呼ばれて顔を上げると、二階からこちらを覗く視線とかち合った。どうやらもう立ち入り禁止は解除されたらしい。
早く来い、と急かす声につられて駆け足気味に階段を上ると、ベッド脇に陣取る女性に怒られた。
「静かに。今落ち着いたところです。
……
こちらへ」
促されるままベッドへと近寄る。足音に気を払う俺を見て、ベッドの上のゼルダはおかしそうに噴き出した。
「なにもそんなに
……
」
笑うゼルダのそばにそっと近寄ると、彼女の腕の中には先ほどまで力一杯泣いていた小さな生き物がいる。
「顔を見てあげてください」
彼女に言われるまま、けれど恐る恐る覗き込む。真っ赤な顔はまだしわくちゃで、首なんか支えていないと折れてしまいそうなほど細い。足は俺の掌に三つは入りそうな大きさしかないし、手の指なんて、俺の指にも回りそうにないくらい小さかった。
いっそ怖くなるほどか弱い存在。それがさっきまで家中に響くような泣き声を上げていたなんて、なんだか信じられなかった。
呆然と我が子を見つめる俺の耳にゼルダの声が届く。
「赤ちゃんって、こんなに髪の毛があるんですね。
……
貴方にそっくり」
それがすごく幸せそうで、なぜだか酷く懐かしくて、
「
……
そうだね」
と、言うことしかできなかった。
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