ゼータ
2017-10-21 22:30:21
4141文字
Public 感想文
 

斉Ψ映画感想文(雑多)

斉木楠雄のΨ難実写映画の感想、ネタバレと考察もどきを多分に含みます

順不同で書く

・97分間に何をどこまで詰め込めたんだろって思ってたらキャラ紹介とか原作のエピソードが映画向けにアレンジしつつスムーズに組み込んであって爽快だった 眼鏡外したら4になるみたいな小ネタ挟むの大好きなんだけど原作読んだ人ほどそういう再現度で2828できる

・3回観て3回とも劇場内大爆笑って訳ではなく中規模の笑いがちょこちょこ起こる感じだった……けどこれは褒め言葉 元々斉Ψは勢いで爆発的にってよりも理屈でくすくす笑うタイプの漫画だから寧ろ再現度が高い証拠かと

・キャラの使い方が上手い特に蝶野と海藤 原作では蝶野の出番あまり無い割に映画では間接的な役割も含めて要所要所で活躍してて蝶野推しの人は観るべきだなと思った
もしかしたら順序が逆で上手く使えなさそうなキャラを削除していった結果あのキャラ選になったのかもしれんけど

・終盤の凍りついた体育倉庫で力使い果たしてぐったりしてる斉木見て斉木だ!と思えたのが一番印象的だった 今までも実写モノの登場人物はあくまでその登場人物で現実の人間とは別(あれは山崎賢人ではなく斉木楠雄が3次元に現れた姿!という見方)って考え方ではあったんだけど実際は現実の人間が斉木の格好をしてるって見え方から抜け出しきれてなかったんだなってそこで気付いた

・このシーンあのキャラが思念体-ファントム-で参加してるな?ってとこちょいちょいあってワクワクした 映画で赤ちゃん時代の斉木が喋る台詞は原作だと空助が言ってたやつだし照橋さんのハートの石は元々ちよぴっぴが拾って来てたやつだし+組の女装喫茶の話出る流れは鳥束たちも文化祭のどっかにいるんだよなってなるやつ
ただ赤子斉木がああなってたのは原作の要素をこの1本にできるだけ多く突っ込むためでつまり続編作る予定は無いし仮に作るとなると空助出しにくいてことよな

・体育倉庫が宇宙に飛び出す前までの色々な混乱が実は照橋さんが細工して引き起こしてたものだって明かされた時の衝撃が忘れられない 照橋さんは原作でも手強い人だけどここまで本気でというか能動的に事を仕組んで斉木を追い詰める話は無かったと思うから驚いた

・公開前にやたら斉照ラブストーリー路線で押し出してたから身構えてた(無闇矢鱈にキスシーンとか無ければ許そう程度の心構えでいた)けど蓋開けたら言うほどでもなくて安心したし寧ろもう少しくらいやってもいいのよってなった と言うか原作の特に前半から持ってきてるからか斉木が非常に冷たくて個人的には斉木はこうでなくちゃ感すごい

・照橋さんが出る度に「靴!!!」ってなってそこばっか目が行ってしまったの申し訳ない 斉木との身長差を埋めるためとは分かってたがどうしても……
最初これ照橋さんが小さいんだとばかり思ってたけど燃堂が斉木と廊下で話す画が来た瞬間に違うわ照橋さんが小さいんじゃなくて斉木がでかいんだってやっと気付いた

・パラレルワールドが犬を助けなかった世界とか世紀末世界とか呼ばれてるのに則ると映画は文化祭が終わらない世界とでも言えばいいのだろうか

・亜蓮くんの台詞どうしても1箇所だけ聞き取れないんだけど噛んだのか?

・疲れて白目剥いた斉木見てあぁ斉木も頑張れば疲れる生き物なんだよなって今更ながら思い直した 修学旅行編で疲れて寝ちゃって照橋さんに制御装置取られてたし映画での疲れる→装置取られる流れは修学旅行のそのシーンと運動会の借り物競争のくだりを混ぜたっぽくありつつ疲れすぎてあの顔になるのは見たことなかったから新鮮みあった

・主に斉木夫妻関連なんだけどオリジナルのギャグがすごく本家っぽくて笑った 火打ち石とか茶柱とかあとやる気通り越して殺る気出てる蝶野母好き
オリジナルと言えば理由付けも説得力増してるとこあって良い 例えばカジノで大儲けなんてしたらイカサマ疑われて捕まるってとこは寧ろ原作でその理屈はおかしいと思ってたから本当それなってなった

・オープニング映像の最後に出る特殊なタイトルロゴ、なぜか他で一切使われてないけどフォントといいΨの字に装置付いてるとこといいスタイリッシュで好きなんだよな 数秒で切り替わっちゃうのが惜しい

・スタッフロールの舞台裏写真に笑いつつ何度見てもあそせんとキャラ達の集合写真が涙腺に来て泣きそうになる あそせん……本当におめでとうございます


[考察のようなもの(この感想文の他の部分との重複を含む)]
全体に
・斉木が終始冷たくて感情の死にっぷりが徹底してる
・照橋さんの美少女たるための努力を惜しまないという点が描かれていない
・思ったほど斉照でもなかった
・コーヒーゼリーを中心とした甘いものへの斉木の執着がない
・初期の斉Ψを思わせる
って印象を受けたんだけど、上4つはいずれも「連載が続いて物語が進むにつれて描写が変化していく」ていう共通点があるんだなと思った
斉木は段々と周りに絆されて人間臭くなってくし照橋さんは努力家な面が何回にも渡って描かれてその度に女神感が出てくる(そもそも照橋さんの良いところが見え始めるきっかけは覇王翔吼軒χなんだけど映画の世界ではおそらくエピソード自体がなかったことになっている)し正規連載版1話終盤で始まったスイーツ好きもスーパーで迷うχら辺から異常性を帯びてくる、そして言わずもがな斉照は斉木の照橋さんに対する好感度と照橋さんの努力家な面が合わさることで進展していって最近はインフレ起こしてすごいことになってる だけど映画は初期〜文化祭辺りまでをネタにして作られてるからその辺が描かれないのと1話の後半は削除されてた
というか漫画はもう5年って長い期間やってるから色々な変化を自然に描いてるけど、仮に映画という媒体で斉木たちの人間性が変化するとこまで表現しようとすると尺を物凄く長くするか短い中で無理やりやるしかなくなり不自然になる……ばかりか下手すると軸がぶれて何が描きたかったんだか分からない作品になるから今回みたいな形にしたのかなと思う コーヒーゼリーネタは斉木の数少ない(笑)人間らしい面を引き出すツールとしての役割を持つから斉木をとことんクールな人に描くためにはむしろ邪魔で元々の設定から除外した(クール路線を貫かせた理由は多分妄想内のヘタレな姿とのギャップを大きくするため)と
それなら5つ目の初期斉Ψを見てるような気分も割と腑に落ちる 色々な要素をいかに違和感なく描けるかも監督の腕の見せ所ではあるんだけど……やむを得ずああしたとかじゃなく本当にあれがやりたいことの全てなのであればなるほどと納得する


[!以下批判的な感想注意!]
・大体のキャラはまあ映画化だしこれはこれで、の範囲内に収まる描写だったと思うけど照橋さんだけは範囲内に「収めたい」だったな……正直どうかと思うけど受け入れるしかないみたいな それに照橋さんは原作でそこまで変顔してないのにやたら多用しててウケ狙いor監督の趣味感が滲み出てる

・斉木喋るとは聞いてたけど本当にべらべら喋るな!!?ってびっくりした……そこまで声に出さなくてもよくない?みたいなセリフもあったと思う でも観てる内に慣れて来たから不思議

・照橋さんは美少女であるために半端ない努力してるってとこが真の魅力だと思ってるクチだからそこまできちんと描いてあげて欲しかったというか、映画だけだと最終的に黒幕か戦犯みたいな負のポジションっぽいまま終わるのが居たたまれなかった 斉木くんと死ねるならって言ってもこれは自業自得だろって感じで照橋さんへの観客の好感度だだ下がりしそう……ただ照橋さんの内面の良い部分まで描くとトリックが成立しなくなる上に斉木の態度の描き方にも関わるからダメだったのかと思うと難しい
そして照橋さんへの周囲の注目度低すぎる 斉木を追いかけるのもあんな切羽詰まった様子じゃ周りの男達が何かお困りですか!?とか言って寄って来そうだし溜息一つでみんな味方に付けられるんだから本気で斉木の足止めしようと思ったらそんな難しくないと思うのだが

・超能力のルール無視されてるか忘れられてるくさいシーンちょくちょくある気がする 透明化してるのに飛ぶなよとかそこ透視で何とかできただろみたいな(と思ったらパンフであそせん本人が言及してた

・石化した生徒たちが無事だったかどうかが気になる、燃堂に至ってはメインキャラなのに石化したまま出番終わっちゃってマジかってなった←上映終了後に隣の女子グループが燃堂はどこ行ったの?って会話してて気付いた
あれなら石化のくだり必要無かったのではっつーか眼鏡外した山崎賢人を映すのが主な目的っぽかった

・燃堂はもう少しネジが外れた勢いあるバカ感出して欲しかった、ラーメンとお?お?がそんな出なかったからか確かに何も考えてないけどやる気も無くなったみたいな印象だったし何かおっふ要員て感じした

・尺長く取っててファンサービス臭いなと思っちゃうくだり結構あった ファンサだから!で納得してはいるけど

[!批判的な点から見た考察注意!]
原作読んでる人はいいけど未見の人には唐突では……て思う流れがたまにあってもう少し尺取ってでも丁寧に描くべきだと思ったからレビューサイトに「原作全く知らないけど楽しめた!」的な感想がいっぱいあるの逆に驚いた
斉木楠雄のΨ難って漫画は超能力=便利って広く思われてるのを逆手に取って、オンオフ効かないとか調節が難しいとか変な制約があるとかで厄介で困ってるってことを事例付きで説明してるから「お前ら超能力持ってるなんて羨ましいと思うか?残念ながら僕はこうなんだよ嫌だろこんなの分かったか」っていう主人公の悲哀が伝わって読者も「それは嫌だなw」てなって面白味が出てくるんだと思ってる 特にテレパシーと透視は原則オフにできない設定およびマインドコントロールの話は初期の大きな笑いどころのはずだし
だからこそその辺は初見の人でも分かるように解説入れないと楽しむための説得力に欠けるんじゃないかと思った……からレビュー見てびっくりしたんだけども