松田さん誕生日(松ガス)

本編終了後の同棲設定の松ガスSS



(※山田視点)


2月11日、朝。

「ふぁ寒っ」

寒さで目を覚ますと、隣に寝ていた人が居なかった。
今の自分の状態を確認すると、下は履いているが上着を着ていない。そして感じる下腹部の痛みおそらく昨日ヤッて、僕が気絶して寝落ちたってところかな。後処理はちゃんとやってくれたみたい。

僕はベッドの掛け布団の上にあった高級ブランケットをぐるっと巻いて、家主を探す。
窓から吹く冷たい風と煙草の匂い。ベランダか。
既に少し開いているベランダの窓をガラッと開けて、中に入り、家主である松田さんに話かける。
「松田さん」
「おー、起きたんか」
煙草を吸いながら、スマホを操作する松田さん。
「起きたら松田さんが居なかったから、探しにきた」
「仕事場から電話かかってきてん」
「あれ?今日って休みって言ってなかった?」
『明日は休みにしてもらったから、ゆっくり出来るわ』って話を昨日した気がする。
「休みにしてもらったんやけどなー。シフト代わってもらった職員の子がインフルやから、出勤せぇって」
「あらま。松田さん、誕生日なのに大変だね」
「ホンマにな。博物館は明日休みやから、まぁエエわ」
だいたい博物館などの観光施設は祝日は営業したら、次の日は休みである。松田さんの職場もそうみたいだ。
松田さんはポンっと僕の頭に手を置いて
「すまんな、今日はゆっくりするつもりやったのに」
これはしょうがないでしょ。職場、大変なことになってるんじゃない?早く行ってあげなよ」
「せやな。着替えて、さっさっと仕事場行かな」
松田さんは煙草を消して、部屋に戻ろうとする。
山田、夜は何食べたい?」
「ん肉食べたいかも」
「お前、そんな食わんやろ」
「えー?でも人のお金で食べるお肉って、美味しいじゃん」
「はいはい、肉な。仕事終わったら家で焼き肉でもするか」
「やった」
「俺はもう仕事行くわ。お前もさっさと部屋戻り。寒いやろ」
「誰のせいだと思ってんの
小言を言いつつ、僕はベランダを出て部屋に戻った松田さんの頬にそっとキスをする。
ベランダと部屋はちょっとした段差があるので、身長差が縮まるのだ。
「誕生日おめでとう、松田さん。早く帰ってきてね」
僕は笑ってそう言った。


この後、ホントに仕事を定時で終わらせた松田さんと家で焼き肉パーティーをした。
「なんで今日は休み取ったの?」
「お前が居るから。いっつも一人で誕生日過ごしとったからな、たまにはこういうのもエエやろ」
ホットプレートで自分で焼いた肉を食べながら、そんな台詞を言う松田さん。
「ふーん、そっか」
なら僕の誕生日もさ。こんな感じで二人でちょっと豪勢なモノを食べるだけで良いかも。外食だと色々と気を遣うし。
「ほら、肉焼けたで」
松田さんが焼けた肉を僕の皿によそう。
「松田さん、お母さんみたい」
「誰がオカンや!お前の母親になった覚えはないわ」
「ふふっんはははは」