2026-02-09 21:26:39
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SEPT Presents ReAnimation The Origin 観劇感想メモ

2月7日夜公演(Another)の感想です。

SEPT présents ReAnimation観劇しました!


生演奏に生歌の迫力がいい!
必ずしも舞台でのお芝居が活動のメインではない人も集まっている作品で、
初日だったこともあり、台詞に対する気持ちのノリ方とか気になるところが無かったかというとそんなことはなく、まぁ誰しも初舞台はあるからね、という感じではあった。
が、そういうアレコレが終盤のライブシーンで全部吹っ飛ぶ。
一番ヤバい感動したのは、UNIONのピンチでアカペラで歌い出すシーン。
歌うっま!!!!!!
ここでの歌唱があまりに「雄弁」で、この舞台は台詞や芝居よりもはるかに「歌と演奏」が雄弁な作品なんだなぁと納得させられた。
あそこのアカペラはマジですごかった。

演奏の雄弁さもすごい。
そもそも楽器が喋る世界線なので、楽器自身がいろいろと主張するんだけど、そういう言葉よりもやはり楽器は音を鳴らしてなんぼな訳で。
私は音楽は詳しくないけれど、あぁすごく雄弁だなぁ.....と思って聞いていた。
個人的に、後藤奏観さんは前の事務所のときにお見掛けしていて注目しているキャストの一人。事前に今回は台詞があって難しい、ヴァイオリンの方が表現が~みたいなことをおっしゃっていて、演奏家のツイートだなぁと思って見ていたのだけど、実際に観劇して、確かにヴァイオリンの演奏もすごく「雄弁」なもので芝居と同じかそれ以上にニュアンスに富んでいる.......と感動だった。ヴァイオリン後藤...........。
お芝居も素敵だったし!

SEPTさんは去年のSANZ0ぶり二度目で、前回のSANZ0の時も思ったけど、とにかく音楽に対してピュア。
まっすぐな情熱の存在を信じているのがすがすがしい。
もちろんスターになって成功する!みたいな部分での「夢」がないわけではないけど、もっとピュアに、最早ナイーブなほどに、「音を楽しむ」という意味での「音楽」の力を信じていて、それは「成功」みたいなものに曇らされても、最後は必ず戻ってくるし、そのピュアな情熱の力は必ず人の心を動かして、正当に評価される、的な。
プロジェクションマッピングとかの機構や、台詞回しの演出も派手というか芝居めいた言い回しをわざとしていて、ライブシーンもあるし、すごく派手なんだけど、作品の真ん中にあるのが「音楽って最高!」的なあまりにも純粋な熱意だからビビる。
怖いくらいに純度が高い。そこが面白い。

私の目当てのキャストは鷲尾さんなので、はっきり言うと那桐晃鳴を見に行ったわけです。

この人がまた面白くて。
これだけピュアな音楽への情熱を描いている作品の中で、序盤ではもしかして「悪役」?と思うくらいに、ビジネス上の計算と「成功」のプロデュースをしている。
Now or Neverもメジャーデビューというビジネス上の「成功」を前にして、ギターを交代してバンドを存続させることを選び、物語はこじれているので、基本的にこの物語においてビジネス上の計算とかチャートのための戦略はピュアな情熱に対するノイズとして描かれている。
そして、那桐は、「音楽チャート」という「数字」で音楽を評価する世界の顔であり、実際に「数字」をしかけるために手を動かしている。「夢」を追う若者に対して、厳しいことを言ったり、無理難題を突き付ける。
どちらかというと「現実」であり「ビジネス」であり「数字」であり、そういう「成功」を求めるノイズ側の人物が、作品の縦軸にいて、そしてそれを役者専業の人に割り振っている配役がニクい。(Another公演)

その那桐さえも、UNIONの出演を認める(お願いされた段階ではあんなダブルブッキング状態になっていることは詳細に把握していなかったのでは?)し、最後はなんだかんだで認めている。
わたしの座っていた席がかなり下手だったので、通路上で木葉ちゃんが懸命に訴えるとき、コウメイさんの背中越しに木葉の表情を見れて、その木葉の必死さがすごく良かった。
逆に那桐の顔は私からは見えなかったんだけど、その背中のデカさというか圧の怖さを感じられたのでこれもまた一つの演劇体験。
試すようなこともするし、じゃあお前はどうやって責任を取れる?と詰めるところはヴィランのようでもある。
とはいえ、木葉の熱量を、ただの計算ではなく、その想いを受け止める。ギリギリまでラプラスの復活の方針を維持しようとするし、「監督不行き届きだ!」とも言うけど、でもすごく積極的に二人を引き留めたり妨害するわけじゃないし。
結局、彼自身もUNIONのような、音を奏でることが楽しい!今、この瞬間にこうやって表現できることが幸せで、夢はその先にある、というようなピュアさをあざ笑うようなことはしないし、そういうものを受け止められるだけの度量と音楽への愛がある。この塩梅がすごく面白かった。


私は那桐目当てでいっているので、こういう感想になるけれど、彼がいわゆる「悪役」として断罪されるのではなく、むしろそういう音楽を受け止める側にいることが、何よりもこの作品が「音楽の力」を信じている証拠のようですごく良かった。(そしてアカネイノルもまた、ZESTを通じてチャートの呪いというか、ビジネス上の成功への執着から少し自由になれているようなのも良かった。)

そんなこんなで、楽しい観劇でした!