発端
これ[ 靉靆停滞廃退懐他意罪体錐体上位体【宗おに】 https://privatter.me/page/6964d334c027b ]とそれの考察
考察ポストまとめ
おにいさんは眉間に親指を当てて、険しい表情でスマホの画面を見つめていた。そうしながら、少したどたどしく、口を開く。
「なぜ
この人を怒らせたか分からない、って話でしたよね」
「うん。で、たぶんこういうことかなぁって思ったんだけど」
おにいさんは眉間から指を放し、スマホから視線を上げた。
そして、眉を寄せて不可解そうに、「どうしてここまで書いておいて分かってないんです?」と言いながら、可哀想なものを見る目でこちらを見る。
「貴方、この人をガッカリさせたから怒らせてるんですよ」
「
……がっかり?」
「はい。でもこれは、
小説を読んだ俺の印象ですから必ずしも合っているとは限りません。貴方の描いた文章を通して見た
この人の、俺が想像した心情と思ってください」
もちろん分かっていると頷き、先を促す。
「貴方が考察した『大人としての立ち回り云々〜』は合ってますが、意味合いが違います」
おにいさんは「俺の考えとは、ですよ?」と念押ししてから、言葉を続ける。
「二人は再会を果たしたわけですが、最初はこの
……誰です? これ。
……教主様?を教授と呼ぶ、この人物。彼は最初かなり陽気で浮かれてますよね」
「酒入ってるしね」
「しかし、実際は至極冷静に事を運んでいた」
「嫌な予感と察しが点と点でね、結びつき始めてたからね。純粋に再会を喜ぶには彼も歳を取ってしまった」
「でも、表向きはすごく楽しんでるふうですよね?」
「『そうじゃなきゃいいな』っていう願掛け?みたいな。悪い想像は全部騒いで忘れたくなってる感じ。会えたのが嬉しいのも本心だから」
「なるほど。
……それ、伝わってませんよ」
「えっ」
「相手に、教主様に伝わってません」
おにいさんは、再びスマホに目を向けると、画面をスクロールして、ある地点でピタリと止まった。確認するように頷き、話を再開させる。
「『今までの姿がヤケ酒と諦念の笑いだと知ると、隣に居る彼の姿が哀れに映った。』って一文で済ませてますけど、おそらくココがこの人にとって、一番ショックだった部分だと思います」
スマホに目を落としたまま、「貴方からの又聞きしか情報がないので、俺が知るこの人の人物像が原作?とはかけ離れてるかもしれませんけど、概ね合っているんじゃないかと」と、彼は言う。そして、顔を上げた。
こちらを再び見たおにいさんは、眉尻を下げ、如何にも情に訴えかける表情をしていた。
「久しぶりに会えたから、つまり『私のことが好きで、テンションが高かったんじゃないんだ』っていう落胆です」
「落胆
……」
それこそおにいさんが落胆してるみたいな具合で「分かってないから、こんなにアッサリ流して書いちゃってるんですね
……」と呟いた。
「貴方、さらっと書いてますけど、
この人を2時間付き合わせてるんですよ? この設定でなら、この人でも2時間付き合ってくれるって人柄を読んで
……人物像を捉えて、書いたわけですよね? それって、この人にとっても悪くない時間だと思ってると想定して書いたんですよね?」
「はい
……」
「酷い話じゃないですか!」
おにいさんは「信じられない!」とばかりにぷりぷり怒り出す。
「話した側の人物からすれば複雑な気持ちがあるんでしょうけど、言われた側からすれば、今までの態度はすべて計算と打算だったと言われたようなものです。誠実さともいえますがこの状況に置いては馬鹿正直としかいえません!」
そこまでを一気に言い連ねてから、おにいさんは気が済んだのか落ち着きを取り戻し、冷静に指摘を続ける。
「相手に引いてほしかったので明かしたという点は考慮します。でも、その状況で抱きしめられても私情ではなく計算にしかみえません。それが『免罪符』という単語に表れていますよね」
思わず「あぁ
……」と呻き声が漏れた。
宗教用語だから連想して浮かんだものだと思って使ったけれど、そう言われてみるとしっくりくる。
最初に言われた「ガッカリさせたから怒らせてる」ってのも、「教主様を怒らせてしまったのは、まず先に落胆させてたから」ってことだ。落胆させたのも「会えて嬉しいというのも本心である」という心情が伝わっておらず、教主様からみた時、会ってからの時間の全部が嘘みたいになってしまったから。
期待させなければ、その落差で怒らせることもなかった。
……という構図だ。
なんて分かりやすいんだろう。むしろ、なんでこの視点がなかったんだと自分でも思ってしまう。
「ロジカルに考えすぎて、目の前というか、人が見えてないんじゃないですか」
「見ただけで捉えられてたらロジカルに考えたりしないで済んでるよ」
「開き直らないでください」
ピシャリとぶった切られた。
おにいさんは改めて、訳が分からないと言いたげに、困った顔をする。
「それでどうやってここまで書いたんです?」
「『免罪符』に関しては、なんかワードとして浮かんだから使った
……。心情はそれらしき心当たりを書き連ねて、なんとなくで補完して書いてるだけで、いまいち分かってない」
「最低ですね
……」
おにいさんは悩まし気に溜息をついた。
「貴方に描かれるこの人が不憫でならない。貴方は自分が振り回されてるほうだと思ってるけれど、貴方に振り回されてるのはこの人のほうです」
「そこまで言う?」
こうして心情を解体されると納得しかないけど。
……にしても、二次元のキャラを『この人』呼びするの、聞いてて新鮮だ。
そんなことを考えているこちらを咎めるように、おにいさんからトドメの一言。
「最近流行りのあれです。人の心とかないんですか」
さすがにその発言はライン越えだろぉ!?
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