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kibaco
2026-01-19 21:13:41
6272文字
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冬直
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エロコメ冬直3
なんとなく続いてしまったエロコメ冬直の3。紀伊討伐に行く頃の直冬。書き途中。
1
2
やっと養父から離れられる。
ドチャシコラブリー養父に苦しめられる日々だった。このたび従四位下左兵衛佐紀伊討伐総大将となった足利直冬は束の間ではあるが養父と同じ屋根の下から離れられることにほっと胸を撫で下ろした。同じ屋根の下とかなんかもう同じ布団に入ってるようなもんだから。ひとの顔を見ると花がほころぶような匂い立つようなうるわしい笑顔でフラフラ寄ってくるし。実際良い匂いするし。緊張と発射の日々である。紀伊ではもちろん戦働きにつとめるが少しくらいこのソリッドなシチュエイションから解放されてもよいだろう。
そんなふうに思ってた頃もありました。
ここは地獄だ。
まず養父上がいない。直義を摂取できなくて直冬は苦しんだ。翠黛に帯び神威にみちた幽玄風雅な国だが地獄だ。まず養父上がいなくて、次に養父上に会えない。それから養父上の声が聞けないことも最悪だし、なにより養父上に触れないのが無理。山ばっかで進軍も捗らんし。ぜんぜん帰れる気がしねえー。
こんなはずじゃなかった。
直冬は毎晩のように己の記憶から直義を引っ張り出し、敬愛する養父を懐かしんだ。記憶の中の直義を舐めたり吸ったり揉んだり突いたり、直義がそんなつもりなく囁いてくる際どい誘いを都合よく解釈して、そんなつもりとして再構築したりして己を慰めた。ああ養父上に会いたい。しかし養父が柳営にて日々苦しくなる立場の中で、苦労して推挙してくれた己の役割である。存分に成果を挙げるまで帰るつもりはない。この立場も、今此処に居ることも、全て養父が直冬を思って仕度してくれたものだ。
紀伊討伐に名乗りを挙げたものの、そうすんなりとは行かず、直義派の台頭と無位無冠だった直冬に地位を与える機会となるのを疎んだ師直派から様々に横槍が入った。師直派の向こうには実父である尊氏の意図があり、直冬の過分な出世を危惧している。それらを捩じ伏せ説得したのが直義だった。直義の理詰めに反論できなかったのもあるだろうが、どうにも折れぬ弟にいやけが差したのか、日々迫る南朝軍の脅威に焦りを得たのか、それらに面倒になったのか、将軍は直冬の叙任と任命を認め手打ちとなった。
そのことを思うと直冬は落ち着かない気分になる。足利宗家のこの兄弟、将軍尊氏と御舎弟である直義の仲睦まじさは世に知られたことで、一連枝であるはずの直義が将軍のするべき役目を多く担い、幕府をほぼ掌握している。直義の地位の高さが、将軍の弟への信頼の厚さをものがたっていた。
直冬は将軍を知らないので、彼が弟である直義をどう思っているかわからない。しかし直義のことは、養父のことはよくわかる。養父は、直義は、直義様は。
…
養父上は、将軍のことが大好きだ。兄である将軍に一途に忠義を捧げ、心を寄せている。いつでも兄が一番で、養父上の中は将軍でいっぱいだ。将軍の為にいっしょうけんめい働き、尽くしている。その姿はあまりに健気で純粋で、直冬はなにやらあやういような気分になるのだ。養父は心から兄である将軍を慕っている。けんかをしたことが無いと言っていた。兄はいつでも優しいと。だから本当にこのご兄弟は仲睦まじいのだ、と直冬は思う。
そんな養父上が、兄である将軍にさからって直冬を守ろうとするのだ。兄とけんかをしたことがないのに、養父は直冬が来てから将軍ともめてばかりだ。自分のせいで、将軍と養父の仲に亀裂が入っている。養父上が傷付いている。やるせなく、居た堪れなかった。
しかし同時に、己の中のひどく浅ましい心が、どうしようもなく悦んでいた。ち、養父上が、おれの為に将軍とたたかっている。養父上の一番で、大好きな兄なのに、その人に逆らっておれを選んでいる。
直義様がおれを大切にするのは、直義様の兄上の子だからだ。直義様の、大好きな兄上殿の子だから。尊氏様がおれを傷付けたら、いつかきっとその事に本来は優しい兄が傷付くと、無垢に信じているからだ。血を分けた息子であるおれと仲良くする事が兄の為だと思っているからだ。なんて無邪気な人だろう。そんな事にはきっとならない。将軍が、かつておれが望んでいたような形でおれを受け入れることはこの先もないだろう。だからおれもあの方を父と慕うことはできない。それにもうわかってしまった。おれと将軍は決定的に何かが似ていて、おそらくそれによっておれとあの方は相容れないのだ。
そんな「兄上の子」でしかなかったおれが、養父の中の一番を脅かしている。将軍がおれを傷付ける度に、養父上のこころは将軍に傷付けられたおれを愛し癒そうとおれでいっぱいになる。養父上はわかっておられるのだ。おれには養父しか縋れるものがないと。おれは必死に養父上にしがみついている。おれには直義様しかいない。養父上は、何もかもをお持ちの将軍より、この身ひとつの何もないおれに寄り添って下さるのだ。必死に御身に縋るおれを見放さず抱きしめて下さる。最愛の兄たる将軍より、このおれを選んで下さるのだ。おれを。直義様はおれの養父だから。おれの養父上。直義様はおれの。おれのちちうえ。おれの。おれの。
先日の激戦を征し、南朝軍をさらに紀伊南部へ追いやり概ねの目処が見えてきたが、まだ帰京の日には及ばない。支度が整い次第さらに南下し、敵勢力を散じさせる。軒を借りている屋の一室で、直冬は行李から一枚の真白い布を取り出した。養父の単衣である。従軍中は淋しいから慰めに養父上の脱ぎたての下着を下さいとは言えず、こっそりくすねてきた。こまめに着替える直義のそれは、袖を通しているとはいえ清潔で洗いたてとさほど変わらない。しかし五感に優れた直冬には、じゅうぶん養父の匂いと気配を感じ取れた。
京の実家では直義様の下着が盗まれたと吉良や重能が犯人探しに躍起になっていたが、直冬が知る由もない。養父上ご本人は昔から下着はよくなくすのだ、と気にしておられぬ。「上衣ほど特徴がないからか、兄がよく取り違えていたし、誰かのものと紛れやすいのだろう」と言い、己のものに限らず下着とはそういう、すぐどっか行くものだと思っているのだ。そんなわけあるか。養父のそういう箱入りで鈍なところが可愛らしくも腹立たしくもあり、いっそざんこくな真実を突きつけて差し上げたい嗜虐の心も疼くが、今回ばかりは取り違えたという事にしておこう。
ほどよく使い込まれて肌馴染みの良い、真白い衣を掻き抱いて、養父の残り香を吸う。嗅ぎ慣れてきたはずなのにいくら吸っても新鮮に心がときめく。この衣が抱えていた肌の温度を思い、直冬はかなしいほど実父に似ている己を恥じた。養父を欲する時、痛烈に父の存在を感じ、そして共感してしまう。こんな良いものが己のものなら、手放せるわけがない。残り香以外になんの痕跡もない白い衣に鼻を押し当て、此処は養父上のうなじ
…
此処は背中
…
胸
……
脇
……
此処は
……
と、衣に当たっていた養父の部位をなぞって昂っている己を恥じる。おれは変態じゃない。変態じゃない
…
。養父上が、こんなに良い匂いがするからいけないのだ。この衣が包んでいた肌に触れた感触。それを思い出して直冬はそわりと身を揺らした。養父の衣に甘えて子どものような心地で居たいのに、直義の肌の心地や匂い、温度を思うとあっという間に己の中の雄がもたげくる。養父上の紅潮した頬、真白い首差し。生意気な舌。婆娑羅どもがあの赤い舌先をどのような目で見ているか、養父上は全くわかっておられないのだ。あんなに賢いのに。あのつんと尖った乳の先を弄りながら、やらしいことばかり言うすけべな舌を吸ってやりたい。こっちにおいで。直冬にならいいのだ。好きにしてくれ。お前はほんとうにじょうずだ。直冬。来てくれ。直冬♡ここもさわって♡あ♡だめ♡吸っちゃだめ♡あう♡そこ♡もっと♡もっとして♡やめないで♡あ〜じょうず♡上手♡おくきて♡ひっ♡いく♡いく♡中に出して♡お前のがほしい♡いって♡いっぱい出して♡
いけない。まだ日も高いのに、また養父上でシコッてしまった
…
。ああ、どうすればいいのだ。会えない時間が想いを募らせる。妄想も募らせる。
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