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2026-01-04 22:12:48
2026文字
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交際1年目のあれこれ

🥷🥚 高諸
これ(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26356191)軸の二人の話。

尊ちゃんのオタクしてた高さんと高校を卒業したと共に付き合い始めた尊ちゃんのあれこれ。


喧嘩

「私とグッズ、どっちが大事なんですか!!」

本当は尊奈門だってこんなことは言いたくなかった。
だけど、いまだに一部屋がグッズルームと化してるうえ、尊奈門が家にいても、定期的に「MP回復だ」と部屋に篭る高坂に我慢の限界というものが来てしまった。

本物が目の前に居るのに、物言わぬグッズに恋人が取られるのは我慢ならなかった。
それで冒頭のセリフ。
目の前の恋人は、顔を青くしながら尊奈門と壁に貼ってあるポスターに交互に視線を向けた。
キッパリと自分だと言ってくれないその態度。尊奈門は頭に登った血がスッと引いてくのを感じた。

「もういいです。そのグッズたちとよろしくやってください」
「ち、ちが、尊奈門、聞いてくれっ、」
「お互い頭を冷やしましょう。今日は帰らないので、心配しないでください」

スマートフォンと財布だけ持って秋の風が寒い外に出てきた。上着ぐらい着れば良かった。そうは思っても、今はあの家に帰りたくない。冷たい風にあたり、幾分か冷静になってきたところでポケットに突っ込んだスマートフォンを取り出した。
電話帳から、最も信頼を寄せている人物の名を見つけ、思い切って通話ボタンをタップした

プルルル、プルルル

ワンコール、ツーコール
夜も遅いから五回目のコールオンで通話を終了しよう。そう思った矢先、ブツッとコール音が切れた。

「あ、あの、夜分遅くにすみません。……あの、今から家言っても、いいですか?」

電話の主は、少し呆れた声を出したものの、了承の言葉を返してくれて、尊奈門はホッと胸を撫で下ろした。


「で、現在に至ると」
「山本さんは高坂さんの奇行、どう思いますか?」

テーブルを挟み向こう側で山本は苦笑いをこぼした。夜分遅くに押し掛けた尊奈門を嫌な顔せず招き入れ、冷えた身体にあたたかいホットミルクを出してくれた。
暖かく優しい山本とホットミルクのおかげで、幾分か荒んだ心が癒えるのを感じた。

「それにしても、高坂の家から来るなら雑渡の家の方が近かっただろ?」
……この件に関して、雑渡さんは高坂さんの肩を持つからダメです」

なんせ雑渡は高坂の同志である。
過去にもあったグッズの押し問答。雑渡は必ず高坂の味方についた。ほかの喧嘩の時は両方の言い分を聞いて両成敗してくれるのに。
だからこそ、尊奈門は山本を頼ったのだ。
500年前から二人のことをよく知り、公平な視点で導いてくれる山本を。

「心配しなくてもあいつはちゃんとお前のことを一番に思ってるよ」

優しい声に、思わず鼻がツンと痛む。
あぁ、本当は言われなくてもわかってる。だってそうじゃなきゃ、生まれてるかもわからない自分を人生のほとんどの時間を使って探すわけないのだから。

「それ飲み終わったら、高坂の元に帰るか?」
……はい゛」

ポロポロと溢れる涙を拭って、マグカップに残ってたホットミルクを一気に飲み干した。
さっきまで甘かったはずの飲み物は、涙ですっかりしょっぱくなってしまった。