net20156
2025-12-05 11:28:55
1011文字
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【縛り】その後

短編【縛り】
https://privatter.me/page/69317acd1095e
の後日談をちょっとだけ。


小雪のちらつき始めた東京都立呪術高等専門学校。

その入口の鳥居を、白い息を吐きながら男子生徒が駆け込んでくる。

「うおー、さみ!!」
「お、任務おつかれー」  

ちょうど授業が終わったのか、校舎から歩いてきた女子生徒が軽くバッグを振る。

「どうだった?祠に憑いた地縛霊だっけ」
「うーんなんとか祓えたけど、古戦場だったから数が凄くて。歌姫先生のバックアップなかったらほんとやばかった
「あんた、もうすぐ昇級試験なんだから気合い入れなよ」
「分かってるって!でも一度残穢まで祓ったのに、それはブラフで本体が別にいて。歌姫先生が呪詞と呪符で結界張ってくれたから、なんとか態勢立て直してトドメ刺せた」

女子生徒は呆れたように肩をすくめる。

「あんたそれ、下手したら死ぬやつじゃん」
「先生にも最後まで油断するなって言われた

しゅんと肩をすくめる男子生徒だったが、思い出したように口元が緩む。

「でも俺、歌姫先生との2人任務初めてだったからめっちゃ嬉しかった〜。先生の術式、バフがけなんだろ? いっぺん受けてみたいよなあ」
「でも先生、今は術式使えないって聞いたよ。5年前の新宿決戦の時に失ったって」
「え、じゃあ術式なしで準1級キープしてんの?!えぐ……

会話に夢中だった2人は気づいていなかった。背後にいつの間にか、黒ずくめの長身男が立っていたいたことに。

「そりゃ僕の奥さんだからね〜!最強でしょ」
「「五条先生!」」

驚いた2人の声が揃う。

「歌姫はさあ、術式を僕に捧げちゃったからね〜」

新宿決戦の立役者でもあった特級術師の表情は嬉しそうだ。
今も教壇に立つことがあるとはいえ、御三家当主でもあり世界各地を飛び回っている五条悟を前にして2人の背筋が伸びる。

「まあ昇級試験がんばんなよ。歌姫の教えを守ってたら大丈夫」

ぽん、と頭に手を乗せられて男子生徒の肩がすくむ。さっき「歌姫先生と2人任務で嬉しい」と言ってたのも聞かれていたに違いない。

「お、来た来た」

その目線を追って振り向くと、紅白の巫女服にマフラーを巻いた歌姫先生が石段を登ってきていた。

「おかえり〜歌姫」

五条さんの姿を見て驚いたような顔をした歌姫先生の表情が、一瞬で綻ぶ。
その顔は僕たち生徒が見たことないくらい綺麗で可愛くて。

歌姫先生が振り返した左手の指輪が、雪に映えてきらりと光った。