2025-12-01 03:05:11
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Public 斜陽に滲む影法師
 

【斜陽に滲む影法師】あとがき

すべての痕跡情報の開示(1/2) ・ 開発裏話(2/2)



※開発裏話と自語りです。元ネタとなった作品名をがっつり書いています。



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『亡村』

インスピレーション元は、バイオハザードのようなよくあるゾンビパニック。少しSIRENのイメージも入っています。
最初に形が思いついた話で、この話の流れを軸にいくつか作ることにしました。あと「ホルミンスター使いたい!村焼きしたい!!!」の欲望が一番根っこにあります。村+事件=村焼き。
少女の姿をした黒幕が旅行者のふりをして村に滞在し、密かに井戸水に毒を混ぜ、その水を飲んだ村人がしばらくのち発狂。
村人が村人を襲い始めることで連鎖的に感染し、村は大惨事。
毒に含まれる呪いは「幻覚、自己暗示、精神破壊」で、幻覚によってあらゆるものが恐怖の対象に見え始め、知性や理性を失い、精神を壊し人を喰らう化け物になっていく。
黒幕に導かれてやってきた影法師はどうにか正気の村人を外に逃がし、後に来る冒険者に急いでヒントを残しました。
そして冒険者たちのおかげで井戸の呪いの根源となっていた妖異(黒幕の手下)が倒され、一件落着となりました。
妖異のイメージは毒なので蛇、と結構安直。
最初に作った話だけど、ロケーションは最後まで決まらなかった。全体的に漆黒フィールド・IDを使うので、ここも漆黒フィールドか?無人村っぽいビターミルか?無人ならクルザスか?とか、色々。
滅びた村っぽいロケーションが意外と少なくて、でも折角なら三国それぞれにまとめたほうが形が綺麗なので、NPCやFate問題はあるけどオークウッドになりました。井戸もあるので。
技能テーマを決めるとするなら、井戸に残された呪いこそが原因解明の鍵となる『魔力』です。


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『暗疑』

結構前から「人狼ゲームをイメージしてRPQやりたい」という気持ちだけあって、ここでようやくそれらしいものを出せたかなと。なので、手下は狼です。
誰が妖異かわからずに村人全員が閉じこもっているというイメージは、ニーアレプリカントの崖の村も彷彿としました。
人狼ゲーム>推理要素>論理パズル、という発想で、万が一証言へのダイスが全失敗したらガチの論理パズルをやらされる羽目になる、ちょっと不安を覚えていた部分でもあります。
一応ちゃんとした論理パズルにはなっている(はず)ので、正規の解法もあるのですが、PLに頭を使わせるのは本意ではないし、そこに焦点を当てたいわけでもないので、その上に基準値で少しずつあからさまに怪しいと思える痕跡を乗せていき、あとはキャストの誘導に賭けました。
犯人である証言Cが洞察なのはちょっとしたミスリードで、個人的には洞察で人を見抜くのも面白いかな、と思って入れた要素ですが、騙された!と感じさせたら申し訳ないなあ、とも思います。
という、少しの騙しや頭を使う要素がある話なので、一番不安を覚えていて、もしかしたら好みが一番分かれてしまうかもしれません。
村人の一人が妖異にすり替わってしまい、夜毎に次々と村人が襲われていく中、誰が犯人かもわからず、村人たちが頭を抱えている。
影法師はここで襲われる一人を助け、その目撃者を出すことで、後に来る冒険者に事件を解決させるきっかけを作ることに成功しました。
最終的に吊られる形で追い出されてしまいましたが、人狼ゲームの騎士の役割は果たせたかと思います。
技能テーマのイメージは間違いなく『交渉』かも。対人の調査が多くなる関係で、痕跡もどうしても交渉技能に少し寄ってしまいました。



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『生贄』

元ネタを知っている人が分かれるところですが、DQ7のレブレサックの神父の話を結構オマージュしています。
導師が犠牲になっていることを知らずに村人は訝しみ、そんな中ひとりの子供が庇って一緒に事件を解くカギを探してくれる、というあたり、かなり元ネタのあらすじを拾ってるかなと。
でも、これはきっと最終的に、導師も村人も元通り平和に暮らせることだと思います。
かなり自分の中で思い出深い元ネタなので、「ひとつの村の問題を解決する」という全体のテーマを決めた時に、結構真っ先に連想した作品でした。
ただ痕跡が本当に難産で、Grokを駆使しながらアイデアをどうにかひねり出したものでもあります。
でも村のロケーションはすぐに決まりました。丁度いい教会があるので。
生贄、というタイトルを考えつつ、「使用IDが漆黒罪喰いIDで統一できそうだし、妖異イメージは鳥かも。モズの早贄~」と思っていい具合にピースが嵌っていった感じがします。でもモズの早贄は別に内容には沿ってないと思います。
黒幕の手下がいつの間にか大井戸に棲みつき、そこから村に魔物をけしかけてくる。それをおさめるために、導師は単身大井戸へ向かい、逆に利用されてしまうという話に仕上がり、
ここで影法師ができたことは、村人の信用を得ながら導師が退治されないようにするための時間稼ぎだけで、痕跡を残したのは賭けでした。
ですが、もし導師が村人や冒険者に退治されてしまっていたら、村は妖異に襲われて今度こそ壊滅していたと思います。
元凶の妖異は冒険者が退治し、導師の呪いも解けて村が襲われることもなくなり、一件落着です。
技能テーマはやはり、違和感を見抜くための『洞察』でしょうか。でも導師を探る教会ダイスは魔力DCです。作ってるときは深く考えてないので後付け理屈です。



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-作品全体を通して-

・発端と経緯の話

最初の発端は「もしおいちゃんのトラウマとなっている事件の元凶の妖異が、今も生き残っていたら?」という何となくのネタから生まれた、通称「復讐編」です。話題で盛り上がったのでじゃあ作ろ~と思って。
ストーリー構成は王道の「攫われたヒロインを助けにいく冒険譚」の話なので、主人公がエナチャンでおいちゃんがヒロインです。普通逆では?と思いつつ、エナチャンを助ける話は他でやったので

しぐえな話になるので、当初はサシロでこぢんまりとは思っていましたが、折角キャラクターたちにとって集大成ともいえる本当に大きな出来事になるから、一話限りのサシロじゃつまらないだろうと思って、相応のボリュームを出したくて色々こねくり回して
ラストの展開とそれに繋がる導入だけ先に思いついていたので、合間をどうしようかと考えた時、
失踪しているのであれば、お互いが一人の部分のロールの相手はどうなる?が一番サシの上でネックだったところです。ソロールは味気ないし、お互いのサブキャラを絡めながら?とも考えたのですが
やっぱり人を交えたほうが物語を作りやすい、IDがあるとボリュームを出しやすい、村を焼きたい、など諸々の理由で、「じゃあ他の人を招くか?」という路線にシフトしていきました。
ただ、ラストの展開を大事にしたくて、その為には全てに関わってもらうのは難しい。ラストの展開に他の人を交えるのは違うと思う。でも、折角手を貸してくれるのにそこだけ自機たちが美味しいところ持っていくの?関わったら関わった分その人への報酬も必要だよね、というところが本当にめちゃくちゃ悩みました。
キャラエピとはいえサシロを離れてRPQとして参加してもらうなら、やっぱり参加者が主役であってほしい。

なので難産の結果、一話完結の物語にして、裏側とは関係なくひとつの事件を解決するというだけの目的で来てもらって。参加者が単品で楽しめるようにしよう、に落ち着きました。
大きな陰謀(といってもわりと個人間の問題)に踏み込んでいくよりは、「ただ依頼を受けてその事件を解決する」だけのほうが、一般冒険者らしいロールにもなるかとも思いました。
裏側で実は繋がりつつ、一般冒険者は黒幕には関与しないまま事件だけを解決していく。
けれど彼らがそれぞれの事件を解決したおかげで、エナチャンは失踪したおいちゃんに近付くことができ、おいちゃんがまた助けられなかったと残した悔いは、冒険者が掬い上げて希望を繋いだ。そういう構図を目指しました。
関与しないまま影の主役になり、助けになってもらうという形には収まれたかなと。
悪い言い方をしたらつまり尻ぬぐいをさせてしまうわけですが、冒険者の仕事自体そういうものが多い気もするし、そういう悪感情もそれはそれで味かなとも思います。でもできれば好意的に解釈してくれたら嬉しい。

英雄になりたい・黒幕まで自分の手でどうにかしたいPCPLには肌に合わない物語かもしれませんが、一般冒険者をやりたいPCPLには丁度いい温度感にできてたら嬉しいな、という思いです。


・影法師の話

この話を作るにあたって、一応おいちゃんのキャラエピなのでそのあたりをできるだけ拾っていきたかったため、黒幕の台詞として、
「ね。ここまで楽しかったでしょう?死が死を喰らって、疑いあって、贄を捧げて。あなたの罪の記憶を素敵にアレンジしてさしあげたの。」
というものがあるのですが、これは黒幕がかつての事件をこねくり回して掘り返して創り上げたそれぞれの村の事件なのですが、
亡村⇒連鎖的に人が死んでいき、あとには誰もいなくなってしまう光景。
暗疑⇒かつての事件の際に妖異にやらされた、仲間内での人狼ゲームそのもの。
生贄⇒仲間の死を代償に事件を解決して戻ってきても、疑いの目を向けられ賞賛ひとつなく、それを黙って受け入れたおいちゃん自身のこと。
という、かつてのトラウマとなってる事件を少しずつ彷彿とさせるものに仕上がっています。
とにかくいっぱい絶望してほしい!傷抉ったろ!という黒幕ちゃんの遊び心がみっちり詰まっています。
おいちゃんの身になってみればめちゃくちゃ理不尽で重たくて他人も巻き込んで、とにかくしんどいものを背負わせている気もしますが、絶望が深ければ深いほど光は眩く見えるかな、ととことんやりましたが、最初の想定より倍以上重くしがちなのはねこぶしの癖だと思います。

全て通したうえで多分最も謎が残ると想定した『村にあった影法師の痕跡って何?』なんですが、
これはおいちゃんのアヴァターが内側から呆れながら残してくれた魔力の残滓です。おいちゃんの当時の行動の一部を足跡のように残すことで、エナチャンがおいちゃんの関与に気付き、後を追う手がかりにしてくれています。
おいちゃん本人はこれには気付いていなかったと思います。必死だったので。
この影法師の痕跡を思いついたおかげで、一話完結部分のゲーム性が明確になって、おかげで形にするとっかかりになりました。都市伝説解体センターをやってて思いつきました。ありがとうとしかい。
ただ、アヴァターが任意で痕跡を残すという形にするためには、その時点でアヴァターが抱えていた問題を先に解決する必要があったため、また別のシナリオをやる必要があったのも……そちらはサシロや、少しだけ話題に交えさせてもらった方々との、別のお話。

余談ですが、シェイクスピアの「人生は歩き回る影法師、哀れな役者~」というフレーズが大変好きなので、タイトルにもその辺のニュアンスを意識しています。
おいちゃんというキャラは沈みかけの太陽というイメージがあって、夕暮れといえば影法師。ここにいない人の足跡を追いかけて事件を解決していく形に、影法師というモチーフはぴったりだったので、タイトルと全体のモチーフはさっくり決まりました。
3つのシナリオすべてにいる影法師の痕跡は、その事件の解決には直接の助けにはならないかもしれないが、結末へ向かう為の一番大事な痕跡でもある。タイトルにして一番の謎で、なんだこれ?と思わせる為にダイスが基準値以下だと逆に怪しい挙動に見えるようになっています。


・黒幕の話

諸悪の根源。ドクズ。自分本位のクソカス妖異。制裁されて然るべき存在。としてデザイン。微塵の同情の余地も残さないつもりのキャラクター性です。
でも頭が回るだけで大した力はない。軍隊が動くほどでも、英雄のような人が気に掛けるような存在でもない、相対してしまえば小物も小物。ただずる賢いせいでとにかく裏から掻き乱してくる。
事件全体を見ると、たったひとりへの執着の為に結構な大事を起こしているんですが、100年かけて計画していたと考えれば、年数の割にはこの程度、とも言えます。
でも、ひとりを絶望に叩き落すだけにしては過剰な演出ですね。追い求めるあまりに夢中になって、もっともっとと欲をかいた結果であり、本当の意味で人の心を理解しておらず、力加減がわからない無邪気で幼稚な精神性です。

こいつは「ラシュレィミア」という名で、蛇女として有名なラミアー(レイミア)がモチーフになっています。
行動原理は美食と愉悦。130年前に食べ損ねたメインディッシュを今度こそ美味しく味わうために計画を進めていて、その結果として、この事件のすべてを仕組みました。
血の滴るようなお肉と逞しい男性のエーテルが大好きで、憎悪や絶望を最高のスパイスと考えています。
取り逃した獲物に執着していて、これだけ待ったんだから最高の舞台で味わいたい、という一心です。
性質は誘惑、貪欲。幻影魔法は強力な部類だが、直接攻撃の術に乏しく、本体・依代共にかなりの非力。夢に干渉し悪夢を見せたり、魅了のような魔法を駆使することで人の精神を乱して近付き、エーテルを喰らう妖異です。
130年間密かにエーテルを喰らい続けて力を溜め込み、配下の妖異も増やしていきました。

おいちゃんのトラウマの元凶であり、かつてのエナチャンとも実は因縁のある人間の魂でもあり(これは相当裏設定ですが)、しぐえな話におけるラスボスといっても過言ではない。
主人公であるエナチャンと対峙することになるので、エナチャンとも表面上似た性質を持ちながらも真逆の気質、というふたりの相性の悪さを考えて詰め込みました。
エナチャンも狡猾であざとさを武器にする子ですが、誠実で秩序の人で甘いお菓子のほうが好きです。
黒幕はあらゆる選択と責任から逃げ続けて生きてきた負債として今回の事件を提示しましたが、その人生の中でおいちゃんが確かに自分で選択して自分の責任で養ってきた弟子によってひっくり返されるという形になっています。
敗因はエナチャンというめんどくさい女を見縊ったことですね。めんどくさい女に人生を壊されて、めんどくさい女に救われる。終始めんどくさい女たちに人生を狂わされ続けている男。

現在の肉体はウルダハ富裕層の令嬢のもので、死体に憑依し成り代わっています。
表向きは淑やかな令嬢を装いますが、密かに使用人をいたぶって遊んでおり、憑依以前からいる使用人は人が変わってしまったと嘆いています。こいつを倒すことで使用人たちも救われました。


・全体の構成の話

各話を作るにあたって、それぞれ参加者が異なるという上では、情報量や難易度、密度に差が出ないようにする、というのはかなり徹底して考えていて、予め用意したテンプレートに沿って作りました。描写のフレーズとかも。
ただ、話の重さというか、犠牲者の数に焦点を当ててしまうと少し差があるように感じるかも
死傷者の規模の想定としては、亡村⇒1/5くらいになってしまったかも 暗疑⇒以前の襲撃で数人亡くなっているかも。 生贄⇒多少の犠牲者がでたことで導師が大井戸に向かうことになった。というイメージでいます。
どうしてもあらすじによっては少しだけ対応技能が偏ってしまう部分もあったのですが、技能持ちがいないこともあるだろうしまあまあ平等かなくらいにどうにか
元々、参加者の技能が偏る想定ではいたので、対応した技能を選ぶことは正解不正解ではなく、「もし技能持ちがメンバーにいて、それを選べたらラッキー」くらいのハードルでした。
隠し技能テーマを決めてその技能だけひとつ多いように配分するか?と考えたり、その調整がとても悩んだ部分ですが、最終的にお話に繋がる痕跡の作りやすさで決めました。
調査時に対応している技能を最初に明かして選べるようにしてしまうのも手かなと思ったのですが、やっぱり少しだけゲーム性や考える楽しみも欲しいかなと思って、秘匿です。

普段さほど一緒に遊んだことない方でも参加できるように、をターゲットとして作っていたので、
気軽に、シンプルで、ストーリーもゲームもとにかくわかりやすく、TRPGぽさも推理要素もRP上のフレーバーとして楽しめる程度の塩梅、を意識しています。
PLがどこに楽しみを見出すかも本当にそれぞれだと思うので、ストーリーを浴びたいでも、TRPGっぽい空気を吸いたいでも、ただRPがしたいでも、私達のキャラに興味を持ってでも、どれでもそこそこふんわりちょっとずつ楽しめるようにはできてたらいいかな、と思っています。