sousakuyamamusume
2025-10-22 23:20:12
564文字
Public 赤徳
 

手を握る二人


……手、冷たい。」
「死んでますからね。……ただ、死んでいても貴方の手はいつも暖かい。」
 彼女が僕の手を握る。
 じんわりと、温かさが伝わる。ああ、まるで生きているようだ。愛おしさで胸が締め付けられる。
 僕の手を温めようとする彼女の手の、なんと小さいことか。
……あったかいです?」
「ええ、とても。」
「ならしばらくこのままあっためます。」
 なんでも無い時間が、こんなにも、あたたかい。
……肉まんとか食べたらあったまります?」
「どうでしょう、そもそも僕がコンビニに入るとかなり強盗に見えませんか?」
「そう、かも……?」
 願わくば、こんな『なんでもない』時間が、ずっと続きますように。