sousakuyamamusume
2025-10-22 23:20:12
564文字
Public 赤徳
 

手を握る二人

「急に冷えたね。」
 まぁ、寒くても死にはしないけどさ。もう死んでるから。
 なんて、言わないよ。彼が悲しむ。
「ええ。もう十月も末ですから。」
「ほんとだ。……家帰らなくなってから日付感覚がなくなっちゃって。」
 覚える必要のない事って忘れちゃうよね、ついつい。
「仕方ないことです。」
「貴方は覚えてるんですね、今日の日付。」
「癖のようなものです。……貴方が来るのを待っている間、他にすることもありませんでしたから。」
 なんだか寂しそうだなと思って、手を握ってみた。
 ものすごく、冷たい。