入浴を終えてスキンケアなどの諸々を済ませ、スケジュールとメールの確認にSNSのチェック。必要な宣伝を済ませると、ずっと未読スルーしていたメンバーからのトーク画面を開いた。みんな今日が例の新婚旅行番組の撮影だと知っているから好き勝手に揶揄いの言葉を述べている。返事をするか一瞬悩んで、めんどくさくなってすぐに思考を放棄した。どうせメンバーとはまたすぐ顔を合わせるのだからいちいちこんなくだらないことで相手をしてやる必要はない。
これで、今日絶対にやらなければならないことは終了だ。布団にうつ伏せに寝っ転がったままスマホを弄っていたから、横に置いてぐーっと伸びをした。
まだ寝るには少し早い。新曲の歌詞を確認するとか、次のバラエティ用の宿題だとか、やることがないわけではないけれど、どれも急ぐものではない。ゲームでもしようかな、そういえば今日のログボ貰ったっけ、なんて考えていると、先程まで同じようにスマホをぽちぽちしていた兵助さんが背中の上に乗っかってきた。体重をかけないようにしてぎゅうと抱きしめられる。
「終わった?」
「はい」
そのまま戯れ合うみたいに髪の毛に顔を埋められた。ちょっと擽ったい。単純に甘えているのかと思っていたら、不埒な手が胸を撫で始めた。どうやらえっちがしたいらしい。うーん、どうしようか。誘われて悪い気はしないが、今はカメラが回っていないとはいえ広い意味では仕事中だ。個室風呂は予約で埋まっていると聞いたから、終わって汗を流そうと思えば大浴場に行かなければならない。それはちょっとめんどくさい。でも絶対にしたくないという程でもない。応じるにも断るにもいまいち決め手にかける。迷っていると、兵助さんが首筋にちゅうとキスを落とした。
「しないの?」
「うーん」
「新婚旅行なのに?」
覚えのある台詞だった。ほんの1ヶ月前、撮影とは無関係にプライベートで行った新婚旅行の夜に自分が言った台詞まんまだ。
パッと振り返ると目が合って、楽しそうに瞳を細められる。
「しません!」
宣言して起き上がろうとすると、特に抵抗されることもなく上から降りてくれた。揶揄いたいだけだったらしい。くすくすと笑われるとちょっと恥ずかしい。
「明日も撮影続くんだから」
「そうだね」
それっぽい理由を述べてみるが、兵助さんはなかなか笑うのをやめてくれない。
むうと唇を尖らせると、流石にこれ以上はまずいと思ったのか「ごめんごめん」と心にもない謝罪の言葉を述べ始めた。
「でも一緒に寝るくらいならいいよね」
片手を取って、ちゅうと口付けられる。こんな気障ったらしい仕草まで様になるのだからイケメンは怖い。
「もちろんです」
今度は満足そうに笑って抱きしめられ、そのまま2人一緒に布団に転がった。
芸能パロその他のお話
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