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tara_moso
2022-08-26 23:23:13
4263文字
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🌙
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一頭と一人と、一羽の僕 2
謎のウイルスによって動物になってしまったマークとスティーヴンを、ジェイクが一人でお世話をするお話の続きです。
分裂同居設定。CP要素は無し。3人仲良し。
ご都合設定なので細かいところは気にしない。
たぶん、あと一回続くはず。
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2
目を覚ますと部屋がすっかり暗くなっていた。またたっぷりと寝てしまった。ウサギって本来こんなに長く寝る生き物じゃないらしい。きっと僕の中の人間の部分が僕の中のウサギよりも勝っているんだな!僕はまだ人間さ!なんて1人で盛り上がっていたけれど、ふと自分を包んでいたモフモフがいない事に気がついた。
こんな時間なのだからジェイクもきっと戻っているはず。耳を澄ませればキッチンの方から2人の気配を感じて安心する。ちょうどお腹も減ってきた。僕は2人の元へ向かった。
真っ暗なキッチンに2人がいた。別に僕とマークは夜目がきくからこの暗さも問題ないけど、ジェイクはなにも見えないんじゃないかな。何をしているんだろう。
足をダンと鳴らして呼べば2人が振り返った。
ん?なんかシルエットに違和感。そしていつもよりもジェイクの匂いをはっきりと感じる。僕を抱き上げたその手は、暖かさを感じる素肌の手だった。
久しぶりに見たプラスチック越しではないジェイクの顔は、優しい笑みを浮かべて僕を見ている。
防護服は??感染しちゃう!!離して!!
やっと思考が追いついたので僕は慌ててジェイクから離れようとしたけれど、より一層強く抱きしめられた。
ウサギの力じゃ到底敵わない。困ってマークに助けを求めても、マークはふるふると首を振るだけだった。
僕が抵抗することをやめたので、ジェイクは腕の力を緩めた。そして僕をまた顔の前まで持ち上げると
…
ボフッと僕のお腹に顔を埋めた。
突然のことに固まる僕。ズォーーーーーとお腹に謎の吸引力を感じる。ジェイクが僕のお腹に顔を埋めながら思いっきり匂いを嗅いでいる。いや、吸い込んでいる。肺いっぱいに吸い込んだ後、ぷはぁと息継ぎをしてまた吸い込んでくる。今度はじっくり深く吸って吐いてまた吸って
…
。
僕はもう一度マークに助けを求めたけれど、そのままにしといてやれ、と生暖かい目で僕たちを見ている。しばらく僕を吸ったジェイクは、最後に唸りながら僕のお腹に顔を擦り付けてから顔を上げた。
「マークも、もう一回だ」
僕を抱っこしたままリビングに歩き出すジェイク。ゲンナリとした顔で付いてくるマークは既に吸われていたようだ。
リビングについた後、ジェイクはひとしきりマークを吸ったあと、今度は僕にたっぷりと頬擦りをしてから、まさにご機嫌!といった具合に、ルンルンとご飯の準備を始めた。
僕はマークにどういう事なのか相談したかったけど、言葉は話せないので、表情を読むしかない。マークはじっとジェイクの後ろ姿を見つめるだけで、そこから何かを読みとるのは難しかった。ただ、不安だけが募る僕を優しく舐めてくれた。
レジャーシートの上にご馳走が並ぶ。野菜は萎れかけ、ラビットフードの量は乏しく、肉はよく茹でられていたけれど、それでもジェイクがかき集めてきてくれたご馳走だ。僕はポリポリとフードを食べる。どんな時だってごはんを食べると喜ぶ体は便利だった。
ジェイクはそんな僕がポリポリと食べている姿を微笑みながら眺めていた。
マークが、器用に牙で切り分けた茹で肉を、ジェイクの前に置いた。突然の事に目を丸くしたジェイクを、マークが促すように見つめる。
「
…
そうだな。やっとお前たちと一緒に食べられるもんな」
頂くよ、とジェイクは茹で肉を齧る。僕も何か渡したくて
…
流石にラビットフードは食べられないだろうから、にんじんスティックを咥えてジェイクに差し出した。
「いいのか?お前の好物なのに」
笑いながらジェイクは食べてくれた。それが嬉しくて僕はぷうぷうと鼻を鳴らした。
夕食を食べ終わり、ジェイクはもう必要のなくなった彼のクリーンルームを本来のバスルームに戻し、僕らを詰め込んでシャンプータイムをした。人間的な営みであるはずの入浴は、ウサギとライオンの僕らにはすっかり苦手なものに分類されていて、それでも人間としてのプライドがあるので大暴れしたりなんかしないけど、マークは銅像のように固まってたし、僕は抑えようとしても足ダンが止まなかった。
裸で僕たちを洗うジェイクの背中は、黒いビロードのような毛が広がっていた。腕はもうモフモフで、辛うじて残っている指で僕の顔の周りを丁寧に洗ってくれる。その指がかすかに震えてるのは、変化が怖いのか、水が怖いのかは分からなかった。ただ、優しく撫でてくれるジェイクの手が気持ちよくて、僕はたくさんすりすりをした。
濡れた体を盛大にブルブルしたマークに、せっかくジェイクに拭いてもらった僕はまたびしょびしょになった。足ダンで抗議すれば、ふふんと鼻で笑われる。
一緒にびしょびしょに戻されたジェイクも仕返しだとタオルでマークを捕まえた。力任せにぐわしぐわしと立髪を拭かれてガウガウと文句を言うマーク。僕も負けじと背中でジャンプしてやった。降参だと腹を向けるマークだけど、ジェイクが追い討ちとばかりにこちらもタオルでぐわしぐわしと拭きあげた。追い討ちへの仕返しにマークが大きな腕でジェイクを捕まえた。
もがくジェイクのまだ濡れている頭を、今度はマークがザリザリと舐めはじめた。力の抜けていくジェイクは耳までペタンと寝かして、完全にマークに身を委ねていた。僕もマークによじ登って、ジェイクの顔の近くまでいった。彼の顔に擦り寄ればこっちを向いてくれた。すっかり変化してしまった彼の目は、虹彩の色が淡くなってより一層左の赤目が綺麗に映えている。
ジェイクが、マークを僕ごと強く抱きしめた。
「ーーー」
彼の声は掠れて、もはや人間の言葉は出なかったけど、それにマークと僕はゴロゴロぷうぷうと返した。
翌朝、僕が目を覚ますと、左隣のライオンはまだ大きな寝息を立てていたけれど、右隣の黒豹はもう目を覚ましていて、起きた僕のことを優しく舐めた。僕もお返しに頬擦りをして、寝坊助のライオンはお腹にジャンプして起こした。
さぁ、今日は何して遊ぼうか。
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