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ふみかぜ@壁打ち
2025-10-02 22:47:49
5536文字
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【読切ドラロナ】より単純化された結果の告白
読切ドラロナ、pixiv投稿の再掲/建前とか考えずにもっと気楽に城に来て欲しい吸血鬼と、本音を建前で繕ってたのにうっかり口を滑らせた退治人の話/ゆるふわ両片想い。イメージとしてはよく死ぬのちょっと後ぐらいです/1ページ目はド視点、2ページ目にロ視点のオマケがあります。
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(オマケ:ロナルド視点)
その夜、退治人ロナルドはいつもより疲れていた。
一昨日は原稿の〆切、昨日は大型下等吸血鬼群の掃討、今日の昼間は雑誌インタビューの対応。評判が悪い類のマスコミの追跡を振り切って自宅に帰り、冷蔵庫を開けてみればツチノコの食事以外空っぽ。
何か買いに行くのも億劫でこのまま寝てしまおうと思った時
――
シチュー鍋を持って微笑む吸血鬼の姿が浮かび。留守を任せたツチノコが退屈しないようテレビを点けて戸締まりし、ドラルク城へふらりと向かったのだった。
で、目論見通り美味しい食事とクッキーと紅茶を堪能し、最近楽しみ方が分かってきたゲームを進め。充実した時間を過ごした後、夜明けに帰宅したロナルドは。
「うあぁぁぁ
……
!」
玄関まで出迎えに来たツチノコを抱き締め、真っ赤な顔で悶絶していた。
「馬鹿だろ俺、何で言った?! 疲れてたからだよチクショウ!」
「ノコッ?」
「うっ、ありがとうよツチノコ
……
」
ロナルドを労るように頬ずりするツチノコを撫でながら、部屋の中に移動しスチールベッドへ腰かける。少し冷静さが戻ってきたところで、最近常備するようになった棒付きキャンディーを口に含む。
――
俺がこの城に来る、お前に会いに来る理由。
――
うん?
――
例えば、俺がお前を好きだから、とかでも良いのかよ。
――
あ、うん、良いんじゃない?
「あんのクソ雑魚、あっさり頷きやがって
……
」
疲れていたせいで、気が緩んでいたせいで、来る理由なんて何でもいいと言われてしまったせいで、胸の奥に仕舞っていた気持ちを零してしまった。とっさに“ロナルド様”らしいクールさを繕ったが、誤魔化し切れたかどうかは怪しい。
まさか自分が、九九九体の吸血鬼を倒してきた退治人ロナルドが、吸血鬼に恋い焦がれることになるとは思わなかった。それもこれも、ドラルクが到底脅威になりえないクソ雑魚であること、ロナルドの呼び出しに毎度嬉しそうに応じてくること、一緒にゲームをすると楽しいこと、安全で美味しい料理が食べられること、使い魔のアルマジロが善良で可愛いことが悪い。決して、決してロナルドがチョロい訳ではないのである。
「あー
……
ロナ戦の相談は
……
仮眠してからだな」
「ノコッ」
「そうだな、一緒に寝ようぜツチノコ」
帽子を壁のフックに引っかけ、退治人衣装を脱いで、ベッドの上に寝転がる。専用クッションに乗っかったツチノコを優しく撫でて、ロナルドは目を閉じて眠気が訪れるのを待った。
真昼になるまで、ロクに眠れやしなかった。
◇
ロナルドがドラルク城の前に再び立ったのは、うっかり告白から一週間後のことだった。
「はー
……
」
片手にツチノコを入れたペット向けキャリーケースを持ち、何度も通ってきた城の扉を睨みつける。今日の訪問理由はロナ戦に関する担当編集者との打ち合わせ結果(ロナルドから見たドラルクの姿を故意に歪曲せず、もう少し素直に描写する方針で纏まった。今後は、日常シーン等もバランスに気をつけつつ取り入れることになりそうだ)を、曲がりなりにもコンビであるドラルクに伝えること。ツチノコの元気な姿を見せてやろうとか考えなかった訳ではないが、それはついでの話で主目的ではない。何となく事前連絡したら「お腹を空かせておいで。君の好きな料理を用意して待ってるよ」なんて返信が来て浮き足立ったりもしているが、今回は仕事の一環で来ているのだから気を引き締めなければ。
そして、初訪問の時以上に気合いを入れてつつ、ドアバンしないようゆっくりと城の扉を開けたロナルドは。
「やぁいらっしゃい、私のことが好きなロナルド君!」
「
――
よぉ吸血鬼ドラルク、お前を好きなロナルド様が来てやったぜ」
シックなエブロンを身に付けたままこちらを出迎えるドラルクの姿に、第一声を盛大に間違えて地面に崩れ落ちたのだった。
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