sousakuyamamusume
2025-09-27 23:50:22
671文字
Public 悪魔博士の夢小説
 

『素顔』

悪アリ


……なくそうとした癖だったんだがな。」
「あれ、そうだったんですか?あらやだ、ごめんなさい、私。」
「ええよええよ。なくそうとしたんはあれだ、ヒマラヤん頃だ。あん時ぁ砂糖も貴重品だったし……おめぇさんもいなかった。」
 寂しそうな目で貴方が言う。
 ああ、なるほど。それで、なくそうとしたのね。
「アクマ・ユメノアールから悪魔博士になったのもあった、だからなくそうとした。……そんなことしても気ィ晴れるわけないのにな。」
 ああ、だめ、駄目よ。
「悲しい記憶を見るのはおしまいにしましょう。いいんですよ、私の前では素顔になって。」
 ブリキの仮面の悪魔博士じゃなくて、素顔の、アクマ・ユメノアールにもどっていいの。
 私は、どっちの貴方も好きだから。
……そうだったな。砂糖も入れられるし、おめぇさんもいる。……また助けられちまったな。ありがと、アリシア。」
「いえいえ。」
 本当はね、助けられたのは、私の方なの。
 貴方が生きていた、それだけで私は救われちゃったから。