sousakuyamamusume
2025-09-20 23:42:03
961文字
Public 赤徳
 

地獄極楽

赤徳(人外)


 半日どころか4時間ぐらい経ったところで、急に彼女の元に戻された。
「どういうことです?」
「壊れてしまっては罰にもならん。」
 珍しく、獄卒の鬼が返事をした。それだけの異常事態ってことはよくわかる。
……ああ、なるほど。」
 一目見て、僕も状況を察した。
 僕の姿が見えなくなった彼女は、僕を捜し求めて手当たり次第亡者に襲いかかっている。
 あの頃の再演のようだな。
「猫田徳さん。」
「ああ、あ、あな、あなた、あなた、たたたた、たた、た」
「こうすれば、わかっていただけますか。」
 ナイフを握りしめる。
 美しく仕立てよう、どれだけ刺しても本当の意味で死ぬことなどないのだから。