9月定例公演 謀生種・野宮
国立能楽堂
2025年9月19日(金)17:30開演
狂言「謀生種」
伯父:野村万作
甥:野村裕基
後見:深田博治
能「野宮」合掌留・火宅留
女/六条御息所:観世清和
旅僧:宝生常三
里人:野村萬斎
笛:竹市学
小鼓:観世新九郎
大鼓:亀井広忠
*・*・*
狂言「謀生種」
種嘘の上手な伯父とのホラ合戦に敗れた甥。秘訣を問うと、伯父は「謀生種」という嘘の種のおかげと言い・・・。(公演チラシより)
読みは【ほうじょうのたね】。謀生は嘘のことで、その謀生と包丁を掛けた名曲「鱸庖丁」を同じ万作さんと裕基くんの組み合わせで拝見したことはありますが、本作は初めて。
法螺話が上手い伯父を一泡吹かせてやろうと、甥がネタを考えてくるわけですが、伯父には通じず、ああ言えばこう言うで、逆に一本取られてしまいます。
得意げに法螺話を話す甥に対して、伯父は息を吐くように法螺話で返すんですよね😂
この話芸が、万作さんはホントお見事でして👏
私も思わず笑ってしまったけど、隣の人なんか声を出して大笑いしてて、やはり笑ってナンボな狂言って健康的で良いよなと、ちょっとほっこりしました😁
あと裕基くんと万作さんの間には、芸歴という越えられない壁がある訳ですが、そういう部分が役と役者でリンクしてた気がします。それも演劇としてのクオリティが上がった要因かなと。
てか、日頃からホラ吹きな人に法螺話は通用しないと思う。そういう人って自分自身が嘘つきな訳だから、相手の話を素直に受け入れるような人じゃないもん(笑)。高田純次氏相手に、ジョークで挑むようなものよ🤣🤣🤣
なので、最後まんまと騙されてしまった甥っ子くんの方が、それだけピュアだったんだろうなァと思いました🤭
能「野宮」合掌留・火宅留
旅僧が嵯峨野にある野宮の旧跡を訪れると、六条御息所の霊が現れ、在りし日を思い舞を舞います。『源氏物語』を題材とした、晩秋の寂々とした情感漂う名曲です。(公演チラシより)
小書【合掌留】
鳥居の作リ物に向かって合掌する演出が入る。
小書【火宅留】
「火宅の門をや出でぬらん、火宅の門」の謡が最後の「の門」を謡わず、「火宅の門をや出でぬらん、火宅
…」で止める形に変化する。「火宅」は苦しみ多きこの世の意。
3度目の鑑賞。初見時は好きなシテ方さんだったのにも関わらず、よく覚えていないのは😅、私が六条御息所に寄り添えて無かったからかと思います。
そして2度目の時については、復習のために過去日記を読み返してみたら、割と詳細に書かれていたので直ぐに思い出しました(過去の自分GJ!)
⬇️当時の感想⬇️
https://privatter.me/page/674cf4b544840
その時は歌舞伎座で「源氏物語」を拝見した後だったので、六条御息所に対して解像度が上がっていたのが大きかったのだと思います(ちなみに近々、シネマ歌舞伎になりますので、どうぞよしなに)。
そして今回の「野宮」は、何もかもが上質でした!!✨✨
宗家の存在感、常三さんの美声、萬斎さんの居語リ、雰囲気抜群な音色を奏でる一流のお囃子隊
…演者全員で素晴らしい「野宮」の世界観を作り上げており、全く眠くならなかったです!お目目パッチリ!!👀
中でも常三さんと萬斎さんの発声は、いつもに比べると抑えめな感じで、とても良い引き算の発声だったかと思います。
あとお囃子隊の音色が過去最高過ぎた🤤✨
何あの御三方の技術力。
ブラボー!ブラボー!!😭👏👏👏
すげぇCD化したい気持ちになったけど、あの生の舞台の臨場感まではパッケージに出来ないよなァとも思いました😅
あぁ、また聴きたいけど同じ物はもう聴けないもどかしさ(苦笑)。
ちなみに、いつもは萬斎さんがアイだと、登場するところから観ちゃったりするんですけど(笑)、今回はシテが中入りするタイミングまで、萬斎さんの姿に気付いていませんでした😂
脇正面最前列だったからってのもあるけど、それだけ、シテとお囃子隊に夢中になっていました😳✨
どんなに高貴な人でも人として生まれた以上、嫉妬はするのでしょうし、そして聡明であればあるほど、そんな自分に嫌悪するのでしょうし、六条御息所の複雑な女心に思いを馳せながら、ずっと魅入ってしまいました。
自分勝手な人間の心の揺れを上手く表現している気がして、この作品が傑作とされている理由も何となく分かった気がしました。
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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