sousakuyamamusume
2025-09-20 00:12:11
759文字
Public 赤徳
 

約束

アツ徳


 事情は、わからない。僕の思い違いだって可能性も十分にある。
 ただ、その傷ついたような表情が、自分の身を抱きしめるような立ち姿が、まるで。
 ……父に暴行されていた頃の、僕に似ていた気がして。
「あの。もしよければ、来週またここで会いませんか?今度は、昼間に。……おいしいパン屋さん、あるんですよ。」
 こんなことを言ってしまうのは、そのせいなのだろう。
「また、来週。」
「はい。……断っても構いませんが。」
「パン屋さん、何が美味しいの?」
 何が……そうだな。
「えっと……僕が好きなのはピザトーストですね。」
「わかった。でも、お昼なら土曜日の方がいいかな。」
「そう、ですね?」
 しまったな、夜に呼び出すのが非常識ということしか頭になかった。