真九龍
2025-08-25 18:58:55
3905文字
Public 小説
 

【鳴ライ】狡イ狩人

鳴海×ライドウでキスのお話。
ライドウにちょっとだけ意地悪する鳴海さん。
注1:両想いな鳴ライになっています。
注2:ライドウremaster版をプレイ及びクリア済み。
注3:間接的ですが、二人は”既に致した”という表現が含まれております。

もしも、目の前に可愛くて美味しそうな獲物─ターゲット─が眠っていたら、狩人─ハンター─はどうするか。

大正二十年某月某日、夕陽沈みつつ有る夕刻。
野暮用を終え、職場兼自宅に帰宅した鳴海は、執務室のソファーで横たわるライドウを発見する。近付くと、どうやら眠っているようだ。

夕陽に照らされた白い肌
規則正しい呼吸
無垢であどけない寝顔
装備の外れた身体
脱ぎっ放しの靴

鳴海は煙草で一服しながら、探偵らしく推理を開始する。
封魔の管、退魔の刀、銃を纏めるホルスターと外套、其れに帽子がテーブルに置いてあるところを見ると、調査か討伐任務を遂行してきたことが窺える。しかし、帰宅した途端、急激な眠気を催したのか、取り急ぎ外せるものは外しておき、ソファーの上で仮眠を取っていた、といったところだろう。お目付け役のゴウトだが、鳴海探偵社、ひいては、銀楼閣に居る気配が無い。外でのんびり散歩をしているのか、若しくは、帝都各地に分散する猫が一堂に介する猫端会議中か。

「全く疲れたのなら自分の部屋で休めばいいのに、どうして此処で寝ちゃうんだろうねぇ?俺の愛しい人は

或いは、何処かの誰かさんの帰りを、此の執務室で待っていた可能性も充分有る。
推理と同時に喫煙を終えた鳴海は目を細め、口の端を吊り上げる。煙草を灰皿に押し付け、しっかり消火した後、膝を曲げ、ソファーの上ですやすやと眠るライドウの頬を優しく撫でた。ライドウは少し身じろぐも、起きる気配は無い。鳴海は頬から手を離すと、今度はライドウの身体を両腕で抱き抱えた。其のまま立ち上がると、ライドウの全体重が両腕に圧し掛かってくる。しかし、彼の重さなどどこ吹く風、鳴海は余裕の表情で歩き出す。

「さて、とどっちの部屋に行こうかな?」

向かう先はライドウの部屋か、それとも自室か。
頬笑みながら向かったのは、鳴海の部屋。則ち、自室。ドアを開けると、手入れが行き届いており、清潔感の有る空間が広がる。あの鳴海にしては、整理整頓された実に綺麗な部屋である。いや、想い人同士と成って、互いの部屋を行き来するうちに、自然と片付けるようになったのが正解だろう。
鳴海はライドウを自室のベットに、ゆっくりと下ろす。相も変わらずライドウは起きること無く、無防備な肢体を鳴海の眼前に晒し続けた。

「苦しいかもしれないから、此処は敢えて外しておくぞ」

手が学生服へと伸び、襟のホックとボタンを取り外していく。しかし、全て外すわけではない。制服と白シャツの下部ボタン数個は、其のまま止めておくのが鳴海流だ。服上部のボタンを外し、服を少し開くと、隠れていた首筋と鎖骨が露わになり、鳴海の欲心を由りそそる。
けど、頂くにはもう少し早い。
鳴海の手はライドウの閉じられた瞼に触れ、整った睫毛を触り、頬を滑り下り、顎を撫で、”痕の無い”首筋を這い、鎖骨をなぞっていく。其の度にライドウは小さな反応を示すが、其れでも覚醒しない。勿論、鳴海の想定範囲内だ。

「可愛い可愛い、俺の愛しき人いい加減に起きないと、悪戯しちゃうかもしれないぞ?」

鳴海は不敵な笑みを浮かべながらベッドへ上り、少し紅が色付くライドウの両頬を両手で包み込み、顔を近付ける。そして、己の唇と、ライドウの唇を重ねた。触れるだけの、優しい重ね掛け。此処で止めておけばいいものを、鳴海はライドウの口唇に舌を滑り込ませ、こじ開けた。

………

ライドウの眉が微かに歪むも、開眼することは無い。侵入を果たした鳴海の舌は、ライドウの口内をゆっくりと嘗め回す。

んッ………

舌先が口内の粘膜をなぞると、僅かだが身体が仰け反り、艶めかしい声が漏れる。そして、何事も無かったかのように元へと戻る。鳴海は愉悦に浸りながらライドウの体内に呼気を吹き込み、唇をゆっくり離した。ライドウの顔色は唇を重ねる前よりも紅潮し、艶を含む声音が時折漏れ出ている。
此処まで施しても、ライドウは目覚めない。

「なあ、ライドウ。俺が気付いていないとでも思っていたか?残念、最初から気付いていたよ」

鳴海は眠り続けるライドウの頬を撫で、意味深な台詞を呟きながら額の上に唇を落とし、わざとらしく唇の音を立てて直ぐに離す。今日の夕食は多原屋で出前注文しよう、と、鳴海はベッドから立ち上がり、上機嫌で退室する。
鳴海の部屋には、ベッドの上で目を瞑るライドウだけが残された。ライドウは左側に寝返りをうち、丸く蹲る。

………ッ─鳴海さん僕が既に起きていることに気付いてて、あんなことを………~ッ!!」

一連の行為を思い出し、ライドウの身体は熱を再び帯び始める。
そう、鳴海があれこれ触れる最中、ライドウは既に覚醒していた。
それも、鳴海が帰宅した直後から。