和泉 小夜
2023-12-02 01:20:01
1673文字
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冬のお話(二話)

友人の誕生日なので。リクエストを聞き出したのです。内容が「日向の本丸の、冬のお話」だったので二話書きました。温度差が酷いと思います。

雪が降っている。
しかし景趣など変えられるから夏でも雪は降るし冬でも向日葵が咲く。
此処はそういった場所だ。

暦など無意味で、季節など皆無で、刀剣男士も時間遡行軍も検非違使も。
みな、死ぬ気で、死に物狂いで、いつまでも終わらぬ戦争をしている。

偶に時間遡行軍や検非違使が、俺たち刀剣男士の成れの果てなのではないかと思う時がある。
分かり合えないのは仕方がない。時間遡行軍も検非違使も、俺たちとは違う正義を掲げているから。
正義の反対とは悪ではなく、自分たちとはまた異なる正義なのだ。

人間の人生は輪廻転生ではなく、実は同じ人生を繰り返しているのではないかとも言われている。
其れが事実だとして、例えば俺たちも人間の様に何度も、同じ刀剣男士になり、同じ刃生を繰り返したとして。
其の度に、結末は違うものになるのだろうか。平行世界の様なものが存在するのだろうか。

例えば、今の景趣が雪で無ければ。
例えば、今の季節が冬で無ければ。
もしも、今の状況が覆されたなら。
なんて。下らない結果論や理想論だ。
俺たち刀剣男士は人間ではないから「例えば」や「もしも」なんて存在しないのに。

俺たちの死骸は、きっと桜の下には埋まらないだろう。埋まったところで、きっと綺麗な華は咲かせない。
雪の下に埋もれて、誰にも知られず錆びて朽ち果てて逝くのだろう。

人殺しの道具にはそんな最期が似合いだとも思うと同時に、何だか酷くさびしいなぁと、少しずつ積もる景趣の雪を見て物思いに耽るのだ。