和泉 小夜
2020-05-12 09:31:50
1295文字
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雀と大蛇

っていうフォルダにブチ込まれていた原題「地蔵行平」です。


「行平様、夕餉の時間です」
……嗚呼、貞か。分かった、今直ぐ行こう』

此度の慶長熊本で本丸に配属された打刀、地蔵行平。
何故か同刀派の古今伝授の太刀としか一緒に行動をせず、俺が世話係になった。
見ている限り、友刃が居ない訳では無さそうだが。
平安刀たちとは、談笑をしているし。
……いや、実は笑顔が張り付いたかの様に中身が無いのだが。
所謂≪愛想笑い≫というやつだ。

でも、俺には愛想笑いが無いんだよな。
平安刀は何を考えているか分からん。

『貞、どうした?』
……え?何がですか?」
『考え事をしているのであろう、眉間に皺が』
「うぅ……

行平様に、眉間の皺をグリグリされてしまった。

『何を考えているのやら』
「行平様のこと、ですよ?」
『貞は口が上手いな』
「本当ですよー」

行平様の腕に絡み付くと、行平様は困ったように笑い、頭を撫でてくれる。

『貞は可愛いな』
「えっへへー、短刀なので。こう見えて人懐こいですよ?」
……あまり、他の者には、』
「他の者には?」
……いや、何でもない。貞には懇意にしている刀もいるであろう?』
「んー、まぁそうですね。でも俺は今、行平様と一緒に居たいです!」
……そうか』

「行平様は?俺のこと好きですか?」
『好きでなければ、こんなことはさせないと思わぬか?』
「まぁ、でも行平様は優しいので、」
『そういえば貞は、遠征帰りか?』

うぐ、はぐらかされた。

「そうです!行平様は畑仕事ですか?土の匂いがします」
『そうか』
「えへへ、もっと撫でてください」
『貞は人懐こい猫のようだな』
「ふふっ、そうですかね?」