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和泉 小夜
2020-05-10 12:22:33
1481文字
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太鼓鐘貞宗と地蔵行平
同時投稿の「地蔵行平という刀剣男士 」の貞視点です。実は最初は此方から書いてた。
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「行平様、メイドって御存知ですか?」
『冥途か、知っているぞ。吾にも関係の在り、縁の深い場所だな』
「違います行平様、其の冥土ではないのです」
最近本丸に来た地蔵行平の話し相手を、俺がしている。
そうすることで、少しでも本丸に馴染めればという加州からの配慮だ。
古今伝授には之定などの元主由来の縁が在る。
向こうは直ぐに馴染むだろうと判断されたらしい。
「メイドとは西洋の召使です。主に女性を指すのかな
……
?」
『ふむ、吾の云う冥途とは違うのか』
「違いますね」
『成程、貞は博識だな』
そう言われて、頭を撫でられた。
……
行平様、凄く俺の好みなんだよな。
優しい笑顔、俺よりも高い身長、見目と性格のギャップ。
それと、全てを背負い込むような。そんな危うさ。
どうしよう、惚れて終いそうだ。
『どうかしたか?』
「いえ。貴方に貞と呼んで頂けるのが、迚も嬉しいのです」
『そうか』
……
どうしよう、頭をめちゃくちゃ撫でられている。
優しいから、すべてをすくいたい。と。
そう考えてしまうのだろう。
愛しいお方だな、と。思う。
いとしく、かなしい。なんて。
「ふふっ、行平様。俺のこと好きなんですか?」
「そんなに撫でても、何も出ませんよ?俺の髪は柔くも無いですし」
冗談混じりに聞いてみる。
『嗚呼、好きだな』
『吾の話し相手になってくれるところも、人懐こいところも、』
『
……
いつか決壊しそうな、危ういところも。すべて』
『いつか、すくえたら。などとは。傲慢だろうか』
撫でていた手が、ぴたりと止まる。
俺の表情が変わるのが分かる。
今、俺は、どんな顔をしているだろう。
「
……
わかります?危ういの」
『上手く隠してはいるが、そなたは時に危うい発言をするからな』
『自覚をしているなら大丈夫だろう』
「無自覚の者が、居るのですか?」
『そうだな。例えば、そなたの近くにいる刀剣男士だと
……
』
『不動行光や燭台切光忠は、自覚が無いように思う』
『あれらは、そなたに依存しているように見える』
『そなたに依存と云えば、山姥切長義もなのだろうが』
「山姥切長義は大分、俺から自立しましたよ」
写しとも仲良くなったしな。
『そうか』
「未だに仲の好い友刃関係ですけどね」
嗚呼、恐ろしい。
此の刀は、他刃の機微に聡い。
だからこそ、優しいのだろう。俺とは違って。
俺は、此の刀に、どう思われているのだろうか。
しかし考えるのが面倒になって、俺は行平様の膝に寝転がった。
「俺、行平様が好きですよ」
「俺の、俺だけの。仏様ですから」
「いつか、俺を。すくってくださいね」
そう云い、行平様の指に自分の指を絡ませる。
行平様は、それに応じてくれたようで。
ゆっくり手を握り返してくれた。
何だか少しだけ、自分の感情が落ち着いた気がした。
『
……
そなたが、すくってほしいと思い、願うのであれば』
「ふふっ、約束ですよ?」
その返答に安心した俺は、そのまま寝てしまったようで。
起きた時には既に夕餉の時間だった。
「貞は猫のようだな」と、行平様に笑われてしまった。
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