和泉 小夜
2020-04-12 23:13:05
1616文字
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山姥切長義という刀剣男士

「刀帳番号何番_刀剣男士名」みたいなシリーズの文章です。本来はコレが原題だったのを、Caravelに移行した時にタイトル変えてました。四話目の不動行光との同時投稿です。
このシリーズは一旦ここで終わってます。


山姥切長義。
此度の聚楽第で初実装された刀剣男士。
最初は監査官として登場する。
初期刀の一振である山姥切国広の本歌。
太鼓鐘貞宗と同じく、初入手と二回目以降の入手とでは台詞が違う。
山姥を斬ったのは自分であると自負している。
山姥切国広を「偽物くん」と、南泉一文字を「猫殺しくん」と呼ぶ。
銘が凄く長い。
本作長義天正十八年庚寅五月三日ニ九州日向住国広銘打長尾新五郎平朝臣顕長所持天正十四年七月廿一日小田原参府之時従屋形様被下置也
恐らく、世間の印象は此の様なものだろう。
間違ってはいない。

俺の本丸は偽物くんが初期刀ではない。
が、俺が本丸に配属された時は、既に修行に出ていた後だった。極だった。
嗚呼、聚楽第への道が、もう少し早く開けていれば。
なんて、幾ら考えても無駄なことだ。

みなは写しの国広を<山姥切>と呼ぶ。
俺も<山姥切>なのに。みなは俺を<長義>としか呼ばない。

たった一振を除いては。

その極短刀は、俺も写しも等しく<山姥切の兄ちゃん>と呼ぶ。
俺はどんどん、その極短刀に依存していった。
俺を<山姥切>と認め、<山姥切>と呼ぶのは、此の子しか居ないからだ。

「俺を<山姥切>と呼ぶのは、どうしてなんだ?」
ふと、彼に聞いてみた。何故なのか、幾ら考えても分からないなら、本刃に聞くのが一番だと判断したからだ。
「理由を聞いても、別に問題は無いだろう?聞かせてよ」
「俺を依存させて、何がしたい?」
「太鼓鐘貞宗」

……そう、だなぁ』
『神様の親戚だから、かな?貴方は長船だからね。あとは単純に同情だ』
『まさか、俺に依存するとは思わなかったよ』
「迷惑、かな?」
『まさか。迷惑なら、疾うに追い払っているさ。嬉しい誤算だな』

『俺は、長義も、国広も。どちらも等しく<山姥切>と考えている』
『だから長義も<山姥切>と呼んでいるんだ』
『俺のことは好きなだけ利用していい』
『貴方が自尊心を保てるなら、俺は幾らでも貴方を<山姥切>と呼ぶよ』

「随分と狡い子だな、きみは」
『みんなからは優しいと言われてるが』
「この狡さが優しいと?此処の本丸は随分と狂っているように見える」
『確かになぁ。俺は優しくなんてない』
『好き勝手にしているだけだ、相手に嫌われぬよう』

そうだろうな。此の子は自分を優しいだなんて、欠片も思ってはいない。
自分の利しか考えていない。
いや、受け取り手にもよるのだろう。
俺から見れば、随分と狡賢く、機微に敏いように思える。

「俺は、俺だけは。きみを優しいなんて思わない」
「きみを利用して、いつか、きっと、あの偽物くんの意表を突いてやる」
『ふふっ、それは楽しみだな』

……、一応きみに言っておくけれど」
「俺は写しを偽物くんと呼ぶけれど、贋作とは思っていないし、」
「贋作と写しの違いだって分かっているからね?」
「国広は山姥を斬っていない。俺が山姥を斬ったんだ」
「俺の写しだから、国広も山姥切と呼ばれているんだ」
「だが写しが山姥を斬ったという伝承も残っている」
「本当に山姥を斬ったのは俺だ。だから俺が本物の山姥切で、国広は偽物なんだよ」
「そこを勘違いしないで欲しいな」
『安心してくれ。それを勘違いした奴は此の本丸に居ないから』
「そうか、それなら良いんだ」